酵素は? 良い医者の選び方は? 東京女子医大准教授・川嶋朗先生こぼれ話 Part.2

ご自身の健康法では、忙しくて不規則な食生活をカバーするサプリ術、週イチで1000m泳ぐ、週に何度かは自転車通勤するなどをご紹介くださいました。

「医者が治せるのは病気。足腰だけは自分でしか鍛えることができない」というご意見も凄く説得力がありますよね。
TRINITY vol.45はコチラから購入できます。

今回は、冬場特に気になる冷えや、また話題の健康法に対する先生の考え方や、誰もが気になるお医者さんとの付き合い方をご紹介します。

◆ローフードについて

「酵素をとろう」という考え方で言えば、胃酸で多くの酵素は死にますから、腸には届いていないことが多い。けれど、自然の食材に入っている酵素のなかには、胃酸から守ってくれて腸に届くというものがあると思うのでローフード自体は反対じゃありません。一つ残念なのはジュース。ジューサーにしてしまうと繊維がとれないですからもったいない気がしますね。それと、冷えの見地からいくと生野菜は常温に戻して食べた方がいいです。
人間というのは冷たいものを口に入れた瞬間に、脳がそれを感知して全身の血管をギュっと縮めるわけです。ですから、口のなかで温めてから飲むとかでは、冷え対策としては意味がありません。

◆病気や医者との付き合い方

まず、自分に不調に対してはしっかりと知識を持つことが大事。そうでなくては、医者の価値観を押し付けられるだけです。たとえば薬を使いたくないという方も私のクリニックには多いのですが、薬というのはただやめればいいというものではなくて、適切に使うもの。たとえば、抗生剤一つとっても、バクテリアに侵されている時に使わないのはおかしい。抗生剤を飲んでも治らないウイルスによる風邪などの際に使うのはよくないということであって、飲まなければいいわけではありません。
医者の価値観というのは、「病気は敵だからやっつけろ」。でも、いざ医者が病気になったら、自分なりの価値観というのがある。そこは一人の人間なわけで、「副作用があるから、(自分が病気になったら治療せず)死んだ方がいい」なんていうガンの医者もいるくらいです。本来は、患者さんだって同じはずなんですよね。それと、病気そういったことをわかってくれる医者かどうかが重要ですよね。
川嶋先生は病気と向き合う時に、病気を抱えながらも幸せに生きる方法というのがあるということを仰います。「何を持って幸せかは人それぞれ。もし、とにかく長生きしたいと思うなら、『なぜ、長生きしたいのか』をしっかり考えて、病気の治療におけるリスク、メリットをしっかり説明した上で患者さんが治療を選択できることが本来必要なことだと思います」

川嶋朗先生
東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所 自然医療部門 准教授。 東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長。気功、ホメオパシーを取り入れた治療を行っている。予約はなんと3年待ち。西洋医学では腎臓病、膠原病、高血圧などが専門。近著に「医師が教える幸福な死に方」(角川SSC新書)、「冷えとりの教科書」(マイナビ)など。
http://www.twmu.ac.jp/AWNML/N/top/