今、何故マクロビオティックが必要なのか? 心のケアが求められる現代社会

厚生労働省は2012年7月26日、2011年の日本人の平均寿命を発表しました。男性の平均寿命は79.44歳で前年比0.11年減少、女性は85.90歳で前年比0.40年減少。男女ともに2009年から2010年にかけても減少しており、2年連続で平均寿命が減少。厚生労働省のまとめでは、主な国・地域別の男性の平均寿命は1位香港80.5歳、2位スイス80.2歳、3位アイスランド79.9歳、8位日本。女性は1位香港86.7歳、2位日本、3位スペイン84.91歳。

厚生労働省は「寿命の減少は2011年3月に多数が死亡した東日本大震災が大きく影響している(警察庁のまとめで1万5千人超が死亡)」と説明。また、女性については、10万人当たりの自殺者数が特に20代で高まったことも挙げています。厚生労働省の人口動態統計によると、男性の自殺者はここ数年減少傾向ですが、女性は増加傾向となっています。2011年の女性10万人当たりの自殺者数は前年比3.3人増の14.9人、25~29歳は同4.1人増の16.3人と、他の年代に比べ増加率が高く、平均寿命を引き下げる方向に働いたとみられます。地震による死因を除いた場合の平均寿命も算出されており、男性が79.70歳、女性が86.24歳となっています。
厚生労働省の試算で、2011年に生まれた子どもが75歳まで生きる割合は男性71.9%、女性85.9%。90歳までは男性21.3%、女性45.4%という数字も算出されています。

人間の生活を改善し、人々に安寧と幸福をもたらし、人の命を救ってきた科学や技術。そして、医療技術の進歩により、不健康な状態でも長生きさせられてしまう。

マクロビオティックは、自然界の法則に調和した生活をすることによって、健康と幸せを得る生き方です。人と生き物と環境のバランスを大切にして、正しい生活と食事から健康を維持し、体質を改善します。
マクロビオティックを実践するための基本は「食」です。玄米菜食を基本とした食事を摂ります。そして、それは人間の健康だけではなく、大きな視野(マクロ)から地球の健康を考えることにも繋がっていきます。

「いのち」とは何でしょうか?

現代医療では、身体機能が停止することを死と考えます。しかし、その物質科学を基礎とした医療に限界がきています。

日本に西洋医学が導入された時、病院は「科学としての医学」を適用する場として作られました。欧米の病院は、もともと教会などでシスターが病んだ人のケアをして、それが段々大きくなったという歴史があります。本来であれば、病院の中に「スピリチュアル・ケア」があるのが当然なのです。

「いのち」とは、身体的な部分のみで構成されているのではなく、精神やスピリチュアルな部分まで及んでいる訳です。ですから、生きるということは「身体も心も一緒に」ということです。

「いのち」があるのは人間だけではありません。そして、動物や植物、あらゆる生き物が自然界で生きています。長寿法を意味するマクロビオティックの基本原則に「身土不二」というものがあります。身体(身)と環境(土)は密接な関係があり、人の命と健康は食べ物で支えられ、食べ物は環境(土)が育てます。故に、人の命と健康はその環境(土)と共にあるということです。マクロビオティックでは、「いのち」を宇宙や自然とのバランス、そして全体性として捉えます。

マクロビオティックの考え方は、環境と食物を正しくすることが健康につながり、心を正し、幸せに生きるという考え方です。
QOL=クオリティー・オブ・ライフ(生活の質)という言葉がありますが、自然の秩序に沿った、自然な考え方や生き方で、QOLを高めていくことで、命の質も向上していくのではないでしょうか。

今改めて「いのち」について考えるタイミングに来ているのかもしれません。
マクロビオティックを通して、新たな観点で「いのち」に向き合う生活を始めませんか?

 

第3回 マクロビオティック医学シンポジウム
「いのちを考える!~現代医療に足りないマクロビオティック的視点~」開催

日 時:2012年11月24日(土) 12時00分開場(12時30分開演)
参加費:一般3,000円(会員2,500円) ※協賛会社よりお土産あり。
会 場:江戸東京博物館(両国)

※参加ご希望の方は、チラシ申込フォームのご紹介欄に「TRINITY WEBを見た」と記載し、お申し込みいただければ会員価格となります(お電話でお申し込みの場合は日本CI協会03-3469-7631へご連絡ください)。

【プログラム】
12:30~13:30 
勝又 靖彦 (かつまた やすひこ) 「マクロビオティックと共に生きる」


1940年生まれ。1963年日本CI協会に入会。桜沢如一先生にPUネーム(トーマ)を頂いた最後の弟子。1973年より塩問題に取り組み、1998~2003年㈱天塩の社長を務める。2005年に日本CI協会の会長に就任。母が開業医(兄が医師、妹が薬剤師)の家庭で育つが桜沢の「最高判断力」を知り大学を中退、マクロビオティック一筋の人生を歩む。子供3人を玄米食で育て、自然塩「赤穂の天塩」を全国に普及。従兄弟のクリム吉見がヨーロッパでマクロビオティックの普及活動をしていたこともありリマ先生のご希望でリマ先生のお世話をさせて頂く。リマ先生からお預かりした桜沢先生の資料を後世に伝えるため桜沢如一資料室を立ち上げ、活動中。

13:00~13:30
渡邊 昌 (わたなべ しょう) 「腸の進化といのち」


1941年 平壌生まれ。医学博士。慶応義塾大学医学部卒。同大学病理学教室、アメリカ国立癌研究所病理部、国立がんセンター研究所病理部を経て、1985年より同疫学部長として、がんの疫学研究、分子疫学の新分野を開く。2005年より現職。国立健康・栄養研究所理事長、東京農業大学栄養科学科教授、日本綜合医学会会長。ライフサイエンスにも造詣深く、生命科学振興会理事長も務める。1993年WHO記念メダル、1995年日本医師会医学賞2001年日本疫学会功労賞受賞。また、医師の不養生で糖尿病になり、自ら食事と運動で病を克服。著書に「栄養学原論」「食事でがんは予防できる」「糖尿病は薬なしで治せる」「薬なし、食事と運動で糖尿病を治す」「病気予防百科」「病理学テキスト」など。

13:30~14:00
加藤 眞三 (かとう しんぞう) 「スピリチュアルな生き方」


慶應義塾大学医学部卒・大学院修了。米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部内科Research fellow, 兼ブロンクス退役軍人 (VA) 病院内科 Resident in Liver Disease and Nutrition、都立広尾病院内科医長・内視鏡科科長、慶應義塾大学 専任講師 (医学部内科学)を経て、2005年より現職。慶應義塾大学看護医療学部教授・医学部兼担教授。また、日本内科学会指導医、認定内科医、日本消化器病学会など多数の医学会に所属し活動中。その他、管理栄養士を交えた勉強会や患者の会を主宰。著書に「肝臓病教室のすすめ」「肝臓病生活指導テキスト」「患者の生き方」「患者と作る医学の教科書」「今日の治療薬」など。

14:15~14:45 
小林 薫音満 (カノン)(こばやし かおみ) 「食べ物のいのちがヒトを生かす」


リマ・クッキングスクール師範科主任講師及びメディカルシェフ育成講座講師。昭和薬科大学、カンザス大学、久司学院レベルIV卒業。『明るく楽しいマクロビオティック』そして『分かりやすい理論を』がモットーで、社会、人類を救う一つの確実な方法がマクロビオティックであるという信念のもと東奔西走し、セミナー、講演、料理教室、食事指導、執筆に力を注いでいる。著書「マクロビオティック 至福のレシピ」「まくろ美美人」「美人のレシピ マクロビオティック雑穀編」など。

14:45~16:15 公開トーク

16:15 閉会