究極の非加熱のお昼~ローフードシェフの空想力と芸術性、そして開拓精神!

みなさんこんにちは。前2回の記事がローフード関連のトレンドに注目した内容だったので、今回はローフード自体に注目した記事にしたいと思いました。

アメリカではハリウッドのあるLAが一番ローフードの普及している街。普及率はローフードデリの種類の多さから言えるのだ。私のお気に入りその①「ローベーグルサンドイッチ」。サンタモニカにある私のお気に入りオーガニックマーケットCo-opportunity(コーオポチュニティー:コープ(生協)とオポチュニティー(機会)を組み合わせたネーミング)では凄い数のローフードデリが冷蔵棚にびっしりと並ぶ。この中でも毎回買ってしまうのがベーグルだ。だってベーグルって普通焼いたものしかないでしょ?あのずっしり、モチモチ感のあるニューヨークベーグルはやはりローフード版作るのは難しいだろう、と思っていたら、これに遭遇した次第。まず見かけが完全にベーグルだ。厚みがあって、ちょっと光沢感があって、「私は本物のベーグルだ!」と、棚の上で叫んでいた。見かけは完全にLox(ロックス:スモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチ)だが、完全菜食性のビーガン商品なので、意図的に無造作に切ったスライストマトをサーモンっぽく見せている。私自身は100%ビーガンではないが、美味しいものは美味しいものとして評価したい。このベーグルはローフード料理としては美味しい。そしてデトックス、美肌効果も同時に得られるという利点がある。

次に南カリフォルニアといったら、ロスよりも南に下ったFountain Valley(ファウンテンバレー)にあるAu Lacというレストランのローフード料理を語らずにはいられない。
シェフのItoさんは、スピリチュアルな理由で一切話さない人。(書面か手話のようなジェスチャーでコミュニケーションをとっていました。)彼の作る「ガーリックブレッド」がこれまたローフード料理では新境地。なにせ、スライスされたこのパンは茶色いクラストに囲まれたパン生地の断面が本当に小麦粉で焼いて作ったパンのようなのに加えて、指で引っ張るとホロホロッと破ける感じ、そして食感までパン。こちらのローフードシェフの間で「一体彼はどうやってこのような本物のようなRAWパンを作ったのか?」と皆が頭をひねった作品で色々説はあるが、真のレシピは未だに謎だそうだ。そして人気メニューは火を使っていないのにふっくら柔らかいお米の料理。(しかしこれは私のお友達のシェフがついにやり方を解明し、同じようなRAWのやわらかお米料理を作ることに成功。)私が知っている限り、秘密を明かすと、ワイルドライスをフードプロセッサーにほんのちょっとかけて傷をつけたものを水に浸すとこうなるそうだ。しかし、私はパイオニアであるItoさんに敬意の念を持っている。

ローフード料理は作り手の空想力と芸術性、開拓精神の三つを要する。いや、正しくは、ローフードシェフ(もしくは一般的にシェフ)と言われる人はこの3つのクオリティーを備えていて、料理を習いに行って技術を持った人とはちょっと違う。
……などと考えを巡らせた後、和やかな木漏れ日の下、非加熱ベーグルを食べ終えた私は楽しげに次の「非加熱デザート」パッケージに胸を踊らせながら手を伸ばすのであった。

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