魂を動かすパワースポット PART.3~ボルテックスの不思議なエネルギー「カルーサの教会」

サクラメント・リバー沿いにある小さな町、カルーサ。
40年近く前、インドの聖者サイババが この町に住むあるインド人の家庭を訪れ、戸口で水を所望した。主人が水の入ったコップを差し出すと、サイババは水を飲み干し、礼を告げて消えてしまった。すると空になったはずのコップから水が湧き出て、現在もその水は湧き続けている。主人は以後自分の家をオープンハウスにして、湧き出す水を人々にシェアす るようになった。その水は聖水としてあがめられ、実際に難病が完治するなどの多くの奇跡を起こしている。

そのインド人家庭の家からそう遠くない地点に、地元のヒーラーの間で知られているボルテックス・スポットがある。ここには無人の小さなカソリック堂が建てられていて、お堂の裏にある樹は奇妙な伸び方をしていた。

ボルテックスはその語源をたどると、ラテン語「渦巻き」を意味する言葉で、大地から強いエネルギ−が渦巻きのように放射されている場所を差す。ふつうは地 球の中心、つまり真下に引っ張られるはずが、こういう場所では横や上や斜めなど、おかしな方向に動いている地場で、有名なのは、アメリカ・インディアンの 聖地とされるアメリカ・アリゾナ州にあるセドナ。神秘的なボルテックスのパワーがあるとして、精神世界に興味を持つ多くの人々が訪れている。

高名なセドナに比べれば、ひっそりとしていて地味な印象のパワー・スポットではあるものの、 やはりじっと佇んでいると心身がぐらぐらと揺られるような不思議な感覚にとらわれる。入り口に立て札を読むと、「艱難のマリア。この十字架はローマカソ リック教会により1864年に立てられた。建物は1883年に最初の牧師によって作られた。4月の最後の日曜と、感謝祭の日に聖餐を行う(天気 にもよる)。ここで祈るのはいいが、他のことは、カルーサのカソリック教会の牧師に許可を得ること……」

「祈る」という言葉が心に残った。
興味本位にやってきた場所だが、ここは敬虔なカソリックの聖なる場所なのだった。

お堂の扉を開けると、人がひとりやっと立っていられるほどのスペースがあり、聖壇の前には ノートが置かれていた。ここを訪れたひとたちが世界の平和を願う思い思いの祈りの言葉を綴っている。頭を垂れてしばし祈りの時を持つと、静まった心に時間 軸が渦巻きのように回転をはじめ、時空を超えた強い力が、体内に満ちるのを感じた。やはりここはパワー・スポットなのだった。