森林セラピーが心と身体を癒す~みどりの風が吹く“疎開”のまち智頭 PART.1

町の総面積の93%を山林が占める鳥取県八頭郡智頭町。
こちらでは、町の取り組みとして「森林セラピー」を開催、全国から多くの観光客が智頭町を訪れ、森林が持つパワーを体感しています。
智頭町の森林セラピーロードを代表する芦津渓谷は西日本屈指の渓流で天然杉と広葉樹の混交林が四季を通して自然の美しさを感じることができます。中国自然歩道から三滝ダム周辺を巡り、さらに源流域の渓谷へと続き、それぞれ異なる表情を魅せる三つのコースが設定されています。

全国各地に、森林セラピーを開催している地域がある中で、智頭町の森林セラピーが人気が高い理由は、地域全体の協力のもと運営されていること。それぞれの分野がその特性を活かし、森林セラピーに貢献しているのです。

智頭町の「森林セラピー」の特徴
▼トレッキングや自然観察会ではない医学に裏付けされた森林浴効果の追求
・ 町立病院や町民福祉との連携
・ 林業や農業との連携
・ 企業向け復職支援プログラム、1次予防プログラムの開発(メンタルヘルス)
▼町内各地での“地域づくり”としての活用

そもそも、「森林セラピー」って一体なに? 今回はその部分からご説明します!

「森林セラピー」とは
私たち日本人は、豊かな森林を国土に持ち、何世代にも渡って、その惜しみない恵みを享受しながら共に、日々の暮しを営んできました。
しかし、森から離れて都市部で生活する人が増え、また社会環境や生活様式が変化した現代日本において、私たちはかつてない程、多様なストレスにさらされるようになっています。
そんななか、「森林浴」という言葉が生まれ、森に息づく生命や力が、私たちを癒していくことが自覚され、広まってから久しいですが、その効果については感覚的にしか語られてきませんでした。
そこで、この大いなる森の力、効果を科学的に解明・提示し、そこからの知見を基に、身体(心体)の健康に活かそうという試みが「森林セラピー」なのです。

「森林浴効果」も、科学的に検証されています。

「森林セラピー」が心と身体にもたらす影響とは?
▼森林浴でストレスホルモンが減少する
▼森林浴で副交感神経活動が高まる
▼森林浴で交感神経活動が抑制される
▼森林浴で収縮期・拡張期血圧、脈拍数が低下する
▼森林浴で心理的に緊張が緩和し活気が増す
▼森林浴によりNK活性が高まり免疫能が上がる
▼森林浴により抗がんタンパク質が増加する
最新の研究で、動脈硬化予防やアンチエージング効果があることも解ってきました。

このように、「森林セラピー」が持つ力が徐々に認識されるつつあるなかで、その活動は全国的に広まっています。
生理・心理・物理実験により、「癒し」効果の検証等がなされた全国48ヶ所の森を「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」として認定され、智頭町もそのひとつに加えられています。

いくら森林浴の認識が広まっても、不慣れな人が急に自然を楽しむことはなかなか難しいもの。安全面などの不安も尽きません。その点、智頭町では、街全体の取り組みとして行っているのでサービスやシステムもしっかり、初めての方でも安心して森林浴を体験できるのです。
次回は、智頭町の「森林セラピー」への取り組みを具体的にご紹介します!

 

▼鳥取県八頭郡智頭町 「森林セラピー」HPはこちら
http://cms.sanin.jp/p/chizu/sanson_saisei/therapy/