「私は、あと龍神様が伝えたいキーワードはお金だと思っています。」

「そうね、ユリちゃんも引き寄せで導かれている人の共通点で分かったのでしょう。あなたが出会う人は全て、お金の奴隷からお金の支配から抜けているのでしょう。お金よりも魂の精神が勝っている人達ばかりですもんね。そうでしょう？」

「よく私が伝えたいことが分かりますね！」また熱弁を奮おうとしていた私は、先に答えを言われたので、ビックリしました。

「そりゃ分かるわよ。ユリちゃん、私は龍神様がお庭に住んでいる生粋の龍族よ。あなたの龍ちゃんはまだ小さいもの。まだまだ、成長の過程ね！」

なんてかっこいい人だろう・なんて最高の時間だろうと思い、しばらくケラケラと大笑いをして一緒に美味しい紅茶とクッキーを食べながら時が過ぎました。

●龍神様が見せる少し先の未来「お金がない世界」

「私は、今までの人生でお金に対して何かを考えたことはありませんでした。生まれた時からもうそこには絶対的な存在であって、お金がない世界なんて体験したことがなかったからです。日本はお金の授業もないから、きっと一人一人がお金と向き合うことはしたことがないと思いました。でもそんな常識の世界が本当は、非常識の世界なのですよね。私は２０１８年６月に倒れた時に、もう一度ゆっくり人生を見つめ直そうと思い、初めて仕事をすることを辞めてみました。でもその決断はとても怖くて勇気がいって恐ろしかったです。仕事を辞める＝お金が入ってこない、減るばかりだからです。思えば、高校生の時からアルバイトをしていたし、大学生の時も色々なアルバイトをして、社会人になっても起業してからも働き続けてきました。この世界で生きるにはお金を稼がないと生きていけないと思っていたからです。でも今思えば、それが大きな罠だったのですよね。私はお金から支配されて、お金の奴隷になっていたのだと思います。でもずっと休むことなく働き続けてきた私だから〈働かない〉という選択は怖くて仕方がなかったです。でもこのまま働き続けても同じことを繰り返すだけだと思い、怖くて仕方がなかったけど〈お金を稼がない世界〉に飛び込んでみました。それが私の初めてお金と向き合った瞬間だったと思います。」

「それで、どうだった？　お金がない世界は？　お金は減るばかりだった？」ご婦人はワクワクした顔でまるで子供のように輝きに満ちた顔で聞いてきました。

●お金がない世界の真実

「実は、驚くことが起きました。働くことをSTOPして、お金が入ってこなくなったのに、心は反比例のように、豊かで幸福に満ちて、またお金もそこまでは減らなかったのです。」

「何でお金が減らなかったの？」

「色々な人が食べ物を分け与えてくれたり、たくさんのことをサービスしてくれたりするようになったからです。働いていなから、食べ物を下さいなんてことは一切していないのです。でもカフェにいけば、お代を無料してくれて何杯もサービスしてくれたり、野菜をもらえたり、とにかく人から恵まれて与えられることがとても多くなりました。与えてくれる人はみんなこのセリフを言うのです。〈ユリちゃん楽しいお話とお時間をありがとう。これはほんのばかりのお礼ねと〉私は働かずのんびりと過ごすようになったので、一日の時間が自由に無限になりました。だからカフェに行っても目の前の人と心行くまで時間を気にせず楽しめるようになりました。
前はカフェに行ったら、少しだけお話をしてその後は黙々と仕事をしていました。人と話す時間も３０分話したら、すぐに仕事をしなきゃと焦っていました。だから目の前の人と心ゆくまでのんびりと話す時間なんてなかったと思います。」

「それは大きな実験結果ね。ただ話すだけでお金はいらない、モノを与えられるってこんなに素晴らしい循環はないわね。でも昔はそうだったのよね。お金がない時代は。みんな自分が得意なことをして、与えあい、助け合っていた。ユリちゃんはきっと相手を心地よくさせる能力が長けているのよ。あなたはただ純粋に人の話を真剣に聞いて、考えて、話そうとしてくれる。たくさん笑って、表情も豊かだし、現に私だってあなたにお花も紅茶もクッキーも与えているわね！」

「本当だ！　いつもすみません。」二人でクスクスと笑いました。

「私はでもこの現実に驚きました。目の前の人の話をただ聞いて笑い合うだけで、何かを与えられる、お野菜をたくさん頂けるから、食事代金は働いていないのにほとんどかからなかったのです。そして旅に行けばそこで出会った人に無料で泊まらせてもらうことまでおきて。私はこの奇跡的な体験を今思い出しても感動します。そして生まれて初めて本当の人の愛と優しさを経験した日々だったと思います。お金がない世界は私を真の幸福の世界へ導いてくれました。」

「それは驚愕の事実ね。だって、この世界ではみんなお金があれば幸せになれる、お金がないから幸せにはなれない、と思っているものね。」

ジョージ・バーナード・ショー（アイルランドの劇作家）
貧乏に対する恐怖に人生を支配させてしまえば、その報酬として食べていくことができるだろう。しかし生きることはできなくなる。

上野ユリ

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