人間嫌いな氏神様の話——神社巡りこぼれ話〜人が近付きにくい神社

氏神様なのに、人間嫌いって本当ですか?

ホリスティックカウンセラーのわたもりです。
私はカウンセリングで身体、心、魂全てを見させていただくのですが、時にはお住いの地域の神社の神様がどんな方か知る必要も出てきます。

北海道帯広市の当店へは道内外問わず、遠方からクライアント様が来てくださるので、本州方面は無理ですが、道内は年間150~200社ほどの神社へ行かせていただきます。(個人的旅行でクライアント様には内緒です)

その中で体験した見えない世界の出来事をご紹介させていただきます。
今回は人間嫌いな神様のお話です。

 

人が近付きにくい神社

3日間の旅行期間、天気予報は3日とも大雪でしたが、私の上だけは雲が切れて曇りか晴れ。夜に宿に入ると我慢していたかのように大雪が降る。
そんな旅行の一日目に立ち寄ったある町の氏神様を祭る神社へ向かおうとすると、その町に入った辺りから吹雪いてきました。

地図で見るとその神社は市街地から離れた場所にあり、カーナビで「○○神社」と設定した筈なのに、近いけれど全然違う場所へ案内されました。

「そんなに来てほしくないんだね~」と思いつつ、鎮守の森陰に社の屋根と鳥居を見つけ、そこへ向かおうとしたのですが……。

北海道は開拓時代からの新しい街が多いため、道は幅広く、碁盤の目になっていて分かりやすい筈なのです。
ですが、その神社周辺は中心部から離れ畑の真ん中のような場所なのに、隠すように不規則に家が建てられ、細い道が入り組み、何故かたどり着けません。

更に日中でも薄暗く、新雪が全て真っ白にしてしまい、どこが道なのか判らない状態でした。
やっと入り口へたどり着き、駐車場へ向かうのですが、社務所へ向かう道も北海道では珍しく車一台分の幅で、駐車場も狭く、秋祭りを出来るような広場も周囲にありません。

よそ者の私はともかく、地元の人も行きにくい神社という印象でした。

 

いきなり舌打ち

車から降りようとすると「チッ! 来やがったか」と社から聞こえてきます。

「ガラが悪いなぁ」と、思いつつ、深い雪を漕いで社へ向かいました。

もしかしたら嫌がらせなのかもしれませんが、私は子どもの頃を思い出し、何となく楽しい気分になってニコニコして社の石段を上ると、ところどころにツルツルに磨かれた石が敷かれ、その上に乗った雪に足を乗せると危うく転びそうになります。

「なんのトラップですか?」

と呟くと、また、「フンッ! 転ばなかったか」

……なんだか逆に面白くなってきます。

神様はそれぞれとても個性豊かとは言え、この方はかなり強烈だと思い、気を探ると魑魅魍魎(ちみもうりょう)的な悪い気は感じられません。
悪い神様ではなさそうだと思いつつ、お賽銭をあげ、二礼二拍手一礼してご挨拶します。

こちらの自己紹介も聞かず、「ワシは人間が嫌いなんだ! こんな日にわざわざ来るな!」と怒鳴り始めます。
「こんな日にって、この雪を降らせてるのあなたですよね?」と言うと、「フンッ! 知らん!」

まともな会話は無理だと思い、早々に参拝を済ませ、車へ戻ります。

「なる程、人間が嫌いだから、こんな所に神社を作ったんだ。しかも周囲に入り組んだ道まで作って」

と、呆れるやら、感心するやら。

その町から離れると、雪はピタッと止みました。

 

もしかして、ツンデレですか?

後日、その町の市街地を訪れてみると、町はきれいに整い、大き過ぎず、寂しくもなく、市民活動や福祉も充実した街のようでした。
その氏神様は、人間は嫌いだけれど、神様としての力量はあった方のようです。

でも、本当に人間嫌いな神様が、氏子が幸せに暮らせる街を作るだろうか?という疑問が頭をよぎります。

それまでお会いした神様には酷い方もいて、町全体が暗い気に覆われた、住みにくそうな土地にしていました。
もしかしたら「自称人間嫌い」なだけで、実は素直になれない方だったのかもしれません。

その神様は、今は引退され神々の世界に戻られたので、人間から離れて寂しく感じていらっしゃるかもしれません。
……まあ、素直に寂しいなんて言わないと思いますが(笑)

これから時々、このシリーズを通して、神様の事などをお伝えさせていただきますね。
次がいつとはお約束できないのですが、お付き合いいただけたら嬉しいです(*^^*)

 

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