シャーマンとは?
「シャーマン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
翻訳するのは、なかなか難しい概念なので、日本語に翻訳されずにそのまま使われるケースが多いのですが、無理矢理、翻訳すると「呪術師」「霊媒師」といったような感じでしょうか?
日本でもっとも有名なシャーマンといえば、青森県の恐山を中心に東北地方で活動する「イタコ」があげられます。
基本的に「目が不自由な女性」がつく職業であり、修行によって「霊を降ろして人と対話させるための能力」を得るとされています。
神に選ばれると病気になる
イタコは職業として、能動的に選ぶことができますが、自らは選びたくなくても、無理矢理シャーマンとして選ばれてしまうというケースもあります。
それは、神から選ばれたことで、「病気になる」というものなのです。この状態を「巫病」と呼びます。
巫病は、女性が思春期に発症することが多く、幻聴や幻覚、さらには肉体的には問題がないにも関わらず、高い熱を発したり、身体に痛みが走ったりするという、なかなか厳しい病気です。
この状態は、神様からシャーマンになることを要請されていることであり、こういった経過を経てシャーマンになった人は「召命型」などと呼ばれたりします。
このタイプのシャーマンとして有名なのは、沖縄の「ユタ」。
沖縄には女性の霊能力者が多く、御嶽などを管理する「ノロ」なども有名ですが、ユタはどちらかというと、イタコと同じように「死者や死霊に関係する」シャーマンであるとされています。
イタコと同じように、ほとんどが女性なのですが、近年になってからは、男性でもユタになることができるとされています。
ユタの場合は、イタコのようなシステマティックな修行方法は確立されておらず、基本的に巫病にかかったかどうかで、その素質を判断されるようです。
最悪の場合は命を落とす巫病
逆にほとんどが男性であり、女性が珍しいというシャーマンも存在します。
台湾や中国には、神を下ろすことのできる「タンキー」という人々がいます。
彼らも巫病を経て、神を身体に宿らせることができるようになるのですが、死霊を扱うイタコなどと違い、「神様を憑依させる」ことから、その活動も派手であり、自らの身体を刀などで切りつけて、血まみれになったりもすることで知られています。
どのケースにしても、巫病にかかったにもかかわらず、シャーマンになることを認めなければ、激しい苦痛に襲われて、最後には精神錯乱におちいったり、中には命を落とす人もいるといわれています。
世界的に巫病という概念は存在しているようですが、不思議なことに現在でも活発に活動しているのは、日本や中国、韓国といったアジア地方が多いようです。
西洋が一神教的な世界観で統一されてしまったことも要因のひとつかもしれませんが、人を助けてくれるだけでなく、人間の都合などおかまいなしの、乱暴な存在でも神様として認識するというのは、東洋に共通する思想なのかもしれません。
ある日突然、神様から無茶な試練を押しつけられたら、あなたならどうしますか?
Diseases that take to become a shaman.
Reckless ordeal from God.