自然療法士

久司道夫(日本)

Michio Kushi   東京大学法学部卒業、同大学院修了。渡米後、世界平和のための心と身体の健康づくりを理論化したクシマクロビオティックの普及に乗り出し、教育機関であるクシインスティテュートを設立。アメリカを本拠に世界各国にマクロビオティックを広める。日本人として初めて米国国立歴史博物館に殿堂入りした。

 

久司道夫 プロフィール
1926年、和歌山県生まれ。東京帝国大学法学部卒業後、同大学院で国際政治学を専攻。
世界連邦主義者の桜沢如一氏らの影響を受け、49年に渡米。
コロンビア大学大学院政治学部で世界平和の道を探究。

人類の平和にはバランスのとれた健康食、つまりマクロビオティック食が必要であると悟り、世界的規模でその啓蒙・普及活動に取り組む。
久司氏の啓蒙する食事は、全粒穀物と季節毎に採れる食べ物に基づく食事療法で、アメリカではカーター元大統領、クリントン大統領、マドンナやマイケルジャクソンなど、知識人、実業家、映画スターなどを中心に約200万人が久司氏やその教授人の指導を受け、実践している。
アメリカの食生活、代替医療、健康法に多大な影響を与え、アメリカの歴史に大きな潮流を作ったと評価され、スミソニアン博物館に殿堂入りした。
ボストン在住。

(主な肩書き)
・久司財団 会長 (1980年設立)
・イーストウエスト財団 会長(ボストンにオフィスを持つ教育・文化機関、発行部数5万部の月刊誌「イースト・ウエスト・ジャーナル」を発行)
・財団法人ワン・ピースフル・ワールド 会長(ボストンが本部で、世界32カ国に支部を持つ。食を通しての健康と世界的な平和の実現を目標とする。)
・日本有機自然食品協会 会長代行

・85年 ミネソタ大学医学部との共同研究により、エイズ患者がマクロビオティックで改善することを確認、医学
会の注目を浴びる
・94年  「世界平和と人類の健康に非常な貢献をした。」として、国連著述家協会優秀賞受賞
・95年  マクロビオティック普及の功を讃え、ロードアイランド州上院議会から表彰
・同年  「マクロビオティックの啓蒙を通して、世界平和に貢献した。」として米国有力弁護
士有志会がノーベル平和賞候補として、ノーベル財団に推薦状を提出
・99年  アメリカ国立歴史博物館スミソニアンにこれまで著してきた文献および記録物が展示・保存された。
(日本人として、また現存者として初めて)
・04年 イオンド大学名誉博士号授与

・マクロビオティック健康法(The Book of Macrobiotics)など著書は70冊以上。

出典 Noto Seien

 

 

 

 

 

久司道夫 マクロビオティック

私たち現代人は自然から遠ざかるにつれ、多くの貴重なものを失いかけています。いっぽう、今でも自然と密着して生活している人たちがいます。彼らはその土地で農薬など使わずに収穫したものを加工せずに食べ、よく体を動かし、きわめて健康です。

私たちには、彼らの真似をして同じように体を動かしたり、原始的な生活をすることはできないでしょう。しかし健康によい食事は私たちにも採り入れることができます。そのひとつが、マクロビオティックという食事方法です。

マクロビオティックの基本的な考え方はとてもシンプル。玄米雑穀を中心に、自分が住む土地で穫れた作物を、その時期に食べる。加工や精製をせず、自然の恵みを自然なまま取り入れる。日本の伝統食をお手本とする簡素で自然な食事法を実践して、心と体の健康を維持しようという考え方です。

出典 kushi institute of japan

 

 

 

 

 

久司道夫 インタビュー
やっぱり玄米が一番いいですよね。マクロビオティックというのは、「長く生きるための方法」ということです。玄米を中心にさまざまな穀物を良くかんで食べる。かむことが大事です。それでいい。

それと動物的なものはね、遠ければ遠いほどいいんです。あのね、牛だとか豚だとか、哺乳類というのは、自分に近いでしょ。それから、ニワトリなんかは遠いようだけれども、それでもまだ近い。ところが海中のもの、水中のもの、人類よりはるかに遠く、ですよね。

しかし、一番遠いものは植物性ですから、植物性を主体にして。野菜がいいです。だから動物を摂るんだったら、魚のほうがいいですよ。全体の食事量の7分の1ぐらいにするんだね。

一日3食は普通に食べていいんですか?

2食でいいんですが、3食でもいいです。

そういった食事は、わたしも一時期凝っていたのですが、そうすると知人と一緒に食事ができなくなることがありました。それでわたしとしては今、自宅ではそういう食事、でも人と一緒のときはその場でベストを選ぶというふうにしているんです。

佐々木さんの場合にはね、お付き合いが多いでしょうから、いろんな人と食事をすることも必要でしょう。わたしの場合も必要なんだけれども、仕事のことをみんな知ってますから。

アメリカの人にしても、知事さんにしても、わたしの前ではなるべく、アルコールも飲まないようにして、みんな遠慮してくれていますよ。

 

アルコールもお飲みにならない?

もう、ほとんど飲みません。欲しくないわけです。あれはね、動物性のもの食べると欲しくなるんですよ。水やお湯では動物性の脂肪などはよく溶けないんです。消化できない。だから、水よりもっと強いアルコールで溶かして、消化していく。

出典 ewoman

 

 

 

久司道夫 書籍レビュー

久司道夫著『マクロビオテック入門』をいま読んでいます。この本ではマクロビオテックから見た病気のメカニズムを示し、症状を根本から改善する方法を簡単にまとめられています。人間はもともと陰陽のバランスが適切に保たれてこそ健康なのですが、陽性の食物を食べ過ぎると体が陽性に傾き、陰性の食物を食べすぎると体が陰性に傾きます。現代人は陽性の食物と陰性の食物の過食が極端すぎるため、複雑多様な病相を示しているようです。例えば、私はロサンゼルスとハワイに12年暮らしていましたが、特にハワイのような赤道直下の熱帯では、陰性の強い植物が生育します。地球の自転による遠心力が最も強く働き、地表のあらゆるものに、大地から上昇するエネルギーを与えます。台地に根ざして天へ向かって成長する植物は基本的に陰性です。例えば砂糖は熱帯に生育するサトウキビから精製されるので、強い陰性の性質を備えています。その砂糖を、温帯に住む私たち日本人がとると、体が強く陰性に傾きます。陽性はその反対ですが、ここでは陰性にしぼります。乳癌は陰性の病気らしいのですが、その原因はミルク製品や甘いもののとりすぎとされています。アイスクリームなどそうですね。アメリカへ渡った頃から私の食生活はまさに欧米化されました。ハンバーガー、BBQ、パスタ、ピザ、アイスクリーム。そうでなくとももともと乳製品は好きでしたが。ハワイでは毎朝トロピカルフルーツにヨーグルトをかけ、甘~いグアヴァジュースも飲んでいました。パン食ですからたっぷりのマーガリンと砂糖の入ったジャムをぬって食べます。そしてミルクのたっぷり入ったコーヒー。朝食だけを見ても、陰性に傾かない方がおかしい完全陰性食です。そしてお肉類は体を酸性にします。おまけに強い日差しが輪をかけて。そもそもDNAが日本人ですから、ハワイの食事は現地人以上に陰性に傾く傾向があったと思います。抗酸化作用、抗癌作用などがある万能ハーブ“NONI”などを飲んでいれば緩和されたかもしれませんが。自然の恵みとは素晴らしく、そういった気候風土の土地には、バランスを保つべく自然の薬草も生息してるんですよね。昔の人はそれをちゃんと取り入れて健康を維持してきたのでしょうね。ということで、私は食から見直しています。
出典 Trinity Life 宮崎ますみ

 

 

 

久司道夫 著書

出典 Weblio 辞書