ココロセラピストが語る!『アブナイ恋愛観』とは?

オトコはみんなオオカミ!? 巷に支持される『男性100&ケダモノ論』はとても危険思想だと、大きく警鐘を鳴らすその理由とは?

恋愛はあらゆるメディアでテーマにされている!

僕たち人間の人生の中でもっとも重要なものの1つに恋愛というモノがあります。重要だからこそ、雑誌やマンガ、ドラマ、映画などで常にテーマとして取り上げられるのです。白雪姫やシンデレラ等の童話でさえ恋愛が大きなテーマになっています。

もしも白雪姫から恋愛の要素を取り除いてしまったらどうなるでしょうか。毒リンゴによって眠ってしまったままの白雪姫は運良く7人の小人に助けて貰っても、眠りから覚める事は無かったかもしれません。「白雪姫は眠りから覚める事はありませんでした」で終わってしまう事でしょう。

シンデレラにしても、魔法使いのお婆さんにステキな衣装とガラスの靴を貰って、念願かなってお城のパーティに出席したとしても、「シンデレラはパーティに出席出来てとても満足しました」で終わってしまったかもしれません。それ以前に、王子様に憧れないのでお城のパーティにも興味がわかず、何事も無かったかのように同じような毎日が過ぎ去るだけという物語になっていたかもしれません。

 

性に興味を持つのは悪い事ではありません!

巷では恋愛をより充実させるために「女子力アップ」とか「男子力アップ」とか「モテ期」とか「モテしぐさ」とか、本当に数え切れない程の情報がああふれています。

「男女平等」とか、「ジェンダー論」とか、「草食男子」とか、「肉食女子」とか、とにかく性に関する情報の量は本当に多いです。確かに優劣を強調しあったりするのは良くありませんし、男性はこうあるべきで、女性はこうあるべきというステレオタイプに縛られた考え方は問題です。

そう考えると、このような性に対する様々な考え方が出て来るのは決して悪い事ではありません。いろいろな事を考えながら、男性と女性がよりお互いを尊重し合って楽しく暮らせるようになってくれるのならば大歓迎な情報たちです。

 

奇妙な恋愛観がチラホラと……!?

しかし最近、奇妙な情報を入手しました。その情報とは簡単に言うと「男性は女性と性交渉をしたいだけで、優しく振る舞うのも、買い物に付き合ってくれるのも、話を聞いてくれるのも、プレゼントをくれるのも、お祝い事をしてくれるのも、すべては性交渉のための努力であり……(中略)とにかく男性というのは女性を性の道具にしか思っていない」というものでした。

もしかしたら僕の耳に入って来なかっただけで昔から存在した考え方かもしれません。仮にあったとしても「嗚呼……。たまに、こういうことを言う人いるよね……」くらいに思うだけで気にならなかったのかもしれません。確かに考えてみれば昔から「オトコはみんなオオカミなのよ!」と言ったような話は存在していた気もして来ました。

それにしても何故今更僕がこのような情報に驚いているかというと、想像以上に賛同者が多い事です。SNS等を見ていると、この手の情報に対して「娘に教えようと思いました!」「思春期の女の子は特に気をつけて!」とか「男性の本質を捉えている!」とかそのような事を書いている人たちも決して少なくないのです。

 

男性100%ケダモノ論は極論ではないのか!?

この『男性100%ケダモノ論』はとても危険思想だと思うので、ここで大きく警鐘を鳴らしておきたいと思います。まず先に結論から言うと『100%ケダモノ論』を信じている人がいることは否定しませんが、これを流行らせないで欲しいという事です。これは決して男性の性欲を女性は全て容認しなければならないという事ではありません。そうではなくて、もう少し冷静になって欲しいという事です。

まず性欲に関しては男性だけに存在するモノではありません。そもそも性欲が無ければ少なからず人間は子孫を残す事が出来ません。今後、科学が著しく発達したり、魔法のような事が当たり前のように出来たりする時代が来たならば、性欲がなくても、性交渉が無くても子孫を残す事が可能になるかもしれませんが、少なくとも現代はそういう時代ではありません。これに関しても誤解を受けそうなので自己弁護しておきますが、男性は別に女性のことを子孫を残すための道具と思っているわけでもありません。

もし男性に対して、男性というものは女性を快楽の対象、もしくは子供を産んでもらうための道具と思っているだけかもしれないと本気で思う女性がいるのならば、自分の娘に男性の危険性を徹底的に刷りこむ前に、自分自身が率先して危険を感じて離婚した方が良いです。百歩譲って自分の伴侶がそういう男性だったのであれば女性はこの上なく不幸になってしまいますし、逃げた方が良いです。

確かに強烈な個性を持った男性も存在するので、男性の危険な一面を女の子に教えるのは大事な事かもしれません。しかし、男性を完全悪と決めつけるのは本当に止めた方が良いです。そして、『100%ケダモノ論』は男性だけを一方的に酷く言っているところが特徴的ですが、女性の中にも恐ろしい考えを持ち、男性に対して本当に恐ろしい事をする人たちも確実に存在している事も同時に教えてあげてください。女性のみなさんは、女性だからこそ知っていると思います。女性の本当の残酷さを。男性も女性も自分だけが加害者、被害者だと思わない方が良いです。

 

恋愛観も人生観もゆっくり吟味して楽しんで!

男性の性欲を一方的な悪者のように解釈する説が流布されてしまったことは非常に残念に感じます。それはそれとして、性的衝動が良いかどうかは別としても男性が常に「演技だけ」で生きているとしたら、男性自身にとっても、そんなにつまらないものは無いと思います。

確かに生きて行くためには駆け引きは必須ですし時には嘘もつきます。男性だろうと女性だろうと演技だってするでしょう。仕事だって家族関係だって友人関係だって同じです。

攻める時もあれば、妥協することもある。騙すこともあれば騙される事もあります。でも、だからと言って、それが必ずしも全部悪というわけではないのです。みんな、人それぞれが幸せを追究して折り合いをつけているのです。

非人道的な人間も確かにいます。殴ってやりたいような人も一人は二人いるかもしれません。でも、そんな人と接し続けているだけの人生なんてまっぴらごめんだと思いませんか。

お互いの関係の中で、この人と関わって行きたいと思えるかどうか。それが大事だと思うのです。

自分が搾取されるだけの道具だと思われていると思ったなら、早急にそこから逃げれば良いだけです。

大事なのはバランスと、相手を思い遣る気持ちです。全てが無償の愛でこの世が成り立っていると思いたい気持ちはありますが、男性でも女性でもエゴはありますし、そんなことは、誰だってわかっているのです。わかっていて、自分の中で吟味して決断するものなのです。人間って。

ただ、生きて行く中で、奪う事と自分が得をする事だけを考えていては人生の質が低すぎます。

大切なのは、自分を大切にし、自分以外の誰かの事も大切にしたいと思う心なのです。