人相占い~顔はすべてを物語る

最近では、「顔にでてくる吹き出物の位置によって、体がどんな状態になっているのか」を知る方法も考えられています。

【顔をみると健康状態がわかる】

「目は口ほどに物を言う」という言葉があります。

これは、「目で訴える心情は、言葉で説明するのと同じぐらい相手に伝わるもの」だということを表現しているのですが、その人の顔や目を見ただけで、健康状態や運勢などがわかるという手法もあります。

 

【古くから研究されていた人相占い】

そういった手法でもっとも有名なのは「人相占い」でしょう。厳密には、顔の特徴などから占うので「顔相」というのが正しいともいわれています。

この占いの起源は古く、「中国では4000年以上前から、人の顔と運命に関する研究がされていた」とされています。また、西洋では古代ギリシアの哲学者である「プラトン」や「アリストテレス」などが、人相を研究していたのです。

さらに中世には骨格の状態でその人を判断する「骨相学」と結びつき、より深い研究が行われるようになりました。その結果、18世紀には「ヨハン・カスパー・ラヴァーター」という人物が、そういった研究をまとめて「近代観相学」を成立させています。

彼は牧師だったのですが、人相に興味を持ち、それを理論的にまとめ上げたのです。『ファウスト』などの著作で有名な「ゲーテ」も彼の観相学について学んでいました。

 

【科学的な研究が行われてきた人相学】

占いの中でも、比較的「科学的な研究が行われるのが人相学」です。

ドイツの精神医学者である「エルンスト・クレッチマー」は顔だけでなく、その人の体型から性格を類推するという手法を編み出しています。現代では、クレッチマーの気質については、あまり根拠がないとされていることが多いですが、人相占いなどに彼が与えた影響は多大です。

さらに20世紀に入ってからは裁判所の判事である「エドワード・ジョーンズ」が犯罪者の顔を集め、その共通点を発見。それを元に「1050人の大人を対象に追跡調査を行い、その人の顔と性格にかんする法則を発見した」とされています。

こちらは、人相占いも参考にしていますが、統計や心理学も取り入れていることから「パーソロジー(人相科学)」と名付けられています。

 

【吹き出物の位置で体調がわかる】

最近では、「顔にでてくる吹き出物の位置によって、体がどんな状態になっているのか」を知る方法も考えられています。

「ジョン・ツァガリス」という人はロンドン在住の漢方医であり、吹き出物が出るのは、体内のバランスが崩れているサインであるという漢方の理論を元に、場所によって原因を分類しました。

ツァガリスによると、額にできる吹き出物は「食事の質が悪い」「消化器官に問題あり」、左ほほにできると「ストレス」「アレルギー」、口とあごにできると「ホルモンバランスの乱れ」「腎臓にダメージ」といったような具合になるのだそうです。

このように紹介すると、まさに顔だけでその人の運勢や、性格、健康まですべてが丸裸になってしまいそうですが、冒頭でも紹介したように、顔の中でも特に重要なポイントである「目だけを見ることで、その人の健康状態や栄養状態がわかる」という手法もあります。

 

【目をみて健康状態を知る】

こちらは「イリドロジー(虹彩学)」と呼ばれているもので、文字通り人間の瞳にある「虹彩」をみることで、さまざまな情報を得ることができるとされています。

最近では、虹彩だけでなく、「白目の部分にも注目する」ことで、より詳しい情報を得られるという「アイオロジー」というものも出てきているようです。海外では、具体的な診断を下せる医師ではない、自然療法士やセラピストなどは、特別な機械がなくても使うことができるイリドロジーを学ぶ人が多いのです。

私たち人間にとって、まさに看板とも言える「顔」。それだけに、想像以上にさまざまな情報を発信しているということがおわかりいただけたかと思います。

今回紹介した、さまざまな手法は、どれも奥が深いものです。興味がある方は、じっくりと調べて見ると面白いかもしれませんよ。

 

Physiognomy is old history.
To know the health status in the eyes and face.

 

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