思考には、ひとつの魂の性質を決めて生まれてきたかのように、強いクセがあることがあります。
そして、そうしたクセは、セラピーや心の学びをして、一段落したあとにも出てきやすく……
特にネガティブな方面に物事を捉えたり考えたりする傾向や、
「頑張りすぎる」「気が抜けない」「責任を求めすぐ人のせいにする」などの傾向は、すぐに繰り返してしまうことが多いようです。
私は結局は……「変わりたくても変われない」という人は、この、繰り返す思考の輪廻から抜け出せないのが「変わらない」という現実を生み出す原因のひとつの要因だと思っています。
どんなに変えようとしても……
どんなに頑張っても……
変わらない。
こんなことを言う人がよくいます。
では、その変わらないものが何なのかを整理して考えてみたいと思いますが……「頑張っても変わらないもの」。
果たして、それは何でしょうか。
人でしょうか。
まわりの環境でしょうか。
世界でしょうか。
いいえ、違います。
変わらないのは、人でもまわりの環境でも、世界でもなく、その人自身の「在り方」と「考え方」なのです。
そう。
人は、この自分自身の「在り方」と「考え方」を最後の最後のところで根本的に変えることが難しいのです。
特に、最初にあげたようなネガティブな思考のタイプの方や頑張り過ぎの方、人に責任を求めるタイプの方などは
その考え方と在り方のパターンを根本的に改めることはとても難しいです。
まず、そうした人は、その自分自身の思考のパターンや特徴に気がつくこと自体が難しいですし
気づいたところで、変え方がわからないのが普通です。
では、在り方や考え方はどうしたら変えられるのでしょうか。
その変え方は、実はとても簡単なのですよ。
それは、繰り返されている在り方や思考パターンに気づいたら、今までと違う行動を、実際に起こすことです。
同じことを繰り返す自分をやめて、違う選択をするのです。
そうすれば、現状は必ず変わっていきます。
変わった現状が良いとか、悪いとか、そんなことはとりあえず後において、とにかく、「いつもならしないな」と思う選択をどんどんしていくのです。
人が「同じ」を選ぶのは、無意識の守りです。
変化への恐怖であり、「安全」できる行動を選ぼうとする単なる思考パターンのメカニズムです。
その罠に騙されていると、いつまでも”変わらない現状”、”変わらないあなた”のままです。
変化したいときは、変わらない自分のことには固執せず、行動を先に起こし、その変化についていけば良いのです。
ですが、人はこの行動を起こすことが、とても怖いのですね。
そして、最後はその恐怖に勝てず……変わらない現状をあきらめ……もとの思考パターンと在り方に戻っていくのです。
あぁ……やっぱり変わらない。
やっぱり変えられない……という風に。
でも、これは、変われないのではなく、変わらないのではなく、単に変わるための行動が足りてないだけです。
セラピーでは日々、この「変われない」「変わらない」という悩みを抱えたクライアントさんとの戦いです。
そして、こう嘆く人には、必ずといっていいほど「それだけはできない」とおっしゃる問題を抱えています。
例えば、親とわかり合うこととか、会社を辞めること、今のパートナーさんと別れることとか……ね。
他者からみれば……そこを変えればいいのに、と思う部分が必ずあるのです。
でも、ご本人は「それだけはできない」というのです。
「変えられない」「変わらない」「その問題は自分自身の人生観とは関係ない」と考えているのです。
ですが、セラピーの経験上私が思うのは、人生を変える大きなヒントは「それだけはできない」と思っていることに隠されていると思います。
その中にはよく、”自分の想いをきちんと話す。”ということができないと言う人がいます。
わかり合いたい人と……
わかって欲しいと願う人と……
話さないまま、時を過ごしています。
ですが、これは何より良くないです。
あなたの思いと現状はきちんと話しましょう。
話してダメなら、あきらめればいいのです。
話しもせずにあきらめるより、よっぽどいいはずです。
どうぞ、それもせずに「変われない」「変わらない」「どうせ、やっぱり」と、もとの自分へ戻っていかないで下さい。
そして、どうか気づいて下さいね。
その元の自分に戻っていく、その在り方とその考え方こそが、あなたの魂に刻まれた強い強い、あなたのこの人生でのクセなのです。
とても根深い為、変化させることはとても難しいです。
変えることには、必ず億劫さやあきらめ、恐怖感などがつきまといます。
だけど、それを変えることこそ人生を変えることに繋がるのです。
どうせ、私なんか……
どうせ変わらないんだから……
と、そんな考え方と在り方のクセに騙されて戻ってはいけません。
その考え方こそが、変わらない現状を生み出すのですから……。
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