東京の下水施設は凄い!! —— 人知は自然災害をも凌駕する ——

下水施設

関東、東北の皆様、凄い台風でしたね、ご無事ですか。
(——このエッセイは10月13日に書かれたものです。——)

 

この写真は、江戸川首都圏外殻放水路です。

あちこちの川が氾濫した中で、東京都心の肝、利根川は氾濫を免れました。

それはこのおかげでしょうか?

利根川水系には、この地下神殿のような洪水貯水池があり、利根川の氾濫を防いでいます。
延長6.3キロ、深度50メートルの巨大な地下放水路です。総工事費2300億円!

下水施設

(江戸川首都圏外殻放水路・画像提供/ウィキペディア)

 

さすが日本の首都!

東北や信越のあちこちの川が氾濫しても、首都東京が大丈夫なのは、技術と行政力の賜物。
2300億円……たしかに、これは地方自治体の体力には余る事業……

そういえば、昔、大阪も淀川べりに「スーパー堤防」作る話がありましたが、莫大な費用で流れてしまったことがありました……

とはいえ、本来氾濫する川、淀川べりで、こんなにのほほんと暮らしていられるのも、堤防のおかげ。

梅田の繁華街の真っただ中に「歯神社」というのがあります。歯が痛い人がお参りする……みたいなのりなんですが、もともとは「波神社」でした。昔、淀川が氾濫した時、この神社の辺りまで水がくるので、ここは防波堤神社だったのです。それが、語呂合わせというか、いつの間にか歯になって、「歯痛いのにご利益がある」神社になったとか……(笑)

まあ、そのぐらい、頻繁に淀川は決壊してたんです。のせいで、毛馬の長者のお話とか(人柱になった長者様のお話です)一夜官女のお話とか(川の悪い竜に生贄の少女を捧げていました。今でもその名残のお祭りをやっています。)、「いかにして荒ぶる神々をなだめて、災害から免れるか」に昔の人は腐心していたのです。

下水施設

(大阪 淀川)

だいたい中世くらいまでは、自然災害=神々の怒り 怒りを鎮める=生贄を捧げよう 的な感じだったのですが、その思考をしているかぎり、科学技術の発展はありません。

大阪はもともと八十島といわれるほどの川の河口の八重洲がいっぱいあるような湿地帯で(そのせいか川の女神・瀬織津姫が祀られていました。今では、すっかり忘れられた神様ぽくなっていますが……)、秀吉の時代に大々的に治水工事が行われ、都市としての形ができたようです。「神様をなだめる」から、「治水工事をおこなって災害に備える」は、劇的な発想の転換でした。

ぜひこの思考法を、百鬼丸の父君、醍醐景光にも気づいてほしかったものです。(「どろろ」に登場する君主景光は、国の繁栄のために嫡子百鬼丸を生贄にしました) そのへんが、醍醐景光が、凡庸な君主であった証なのでしょう。

私たちが、巨大な自然災害でも無事に暮らしていけるのは、日本の科学技術力と、国民のためにそれを実行に移せる行政力の賜物、ああ、日本国民でよかった……とちょっとおもいました。

とはいうものの、地球温暖化のせいか、今までの堤防ではもう間に合わなくなってきているように思います。

2300億円かあ……その予算はどこから……東京都はいいなあ! やっぱ財源が違う!
とふとおもってしまいした。

ともあれ、被災された方々の、早期の復興をお祈りいたします。

 

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