少女の冒険譚はワクワクドキドキ
アトラクション並みのスペクタクル‼︎
ジェット・コースターに乗っているような、アトラクションを体感しているような、全編そんなワクワクドキドキウキウキが止まらなかった。
「アトラクション映画」と言っても過言ではない。
息次ぐ暇もないようなスピーディな展開と美しく怖ろしくリアルな映像。
心踊る冒険の旅。
コントみたいなギャグ、流麗で気持ちを鼓舞し続ける歌。
口、開いたままでした。
やっぱ凄いなディズニー。
これはほとんど娯楽兵器だな。
世界征服できるよ、いや、もうしてるか? と感服。
ほんと目キラキラさせて口開きっぱなしでした(笑)。
さて、今回は未知の海に冒険の旅に出かける果敢な少女のお話。
幼い頃から海の伝説を祖母から聞いていた族長の娘、モアナ。
それは命の女神テ・フィティの「心」を盗んだ半神半人のマウイの話。
祖母は「心」が盗まれてから暗黒の闇が生まれ、闇が世界を覆いつくす前に「心」を女神に返してくれる選ばれし者が私たちを救ってくれると子どもたちに話す。
モアナは成長して、何かに導かれるように海へと漕ぎ出す。
旅のお供はあの、マウイ。
ふたりの、「心」を返す波乱の旅が始まった‼︎
モアナの勇気と奮闘に強化される想い
「なにがあっても大丈夫!」
このモアナが、むちゃくちゃキュート‼︎
歴代ディズニーアニメのヒロインで一番好きかも?
ベルもエスメラルダもかすんじゃう。
いや、3Dアニメのヒロインでは一番好きだ。
こういうおてんばで賢く快活で鉄火な少女は宮崎アニメのヒロインにも共通するけど、グアーッと話が動くね。
また、少女が奮闘する話というのは観客の共感を得やすい。
モアナが船出するシーンのなんと心躍ることか。
歌と相まって、ワクワクは最高潮だ! なにが起ころうが大丈夫! と思えるんだけど、それは私自身の人生もそうだ、と錯覚させられてより心地良さが増す。
「なにが起ころうが大丈夫!」と思ってはいるのだけど「なにか」起こるとアタフタしてるのが現状(とほほ)。
ずーっと本作を観てるわけにもいかず、映画を観てる間だけでもその想いが強化されることは大事なことなのだ。
マウイ絶品‼︎ イケメンじゃなくて
おデブなところがまたチャーミング‼︎
そして、マウイ。
マウイ大好き‼︎ マウイが出てきた時は正直「えっ⁉︎」と思った。
だって全然イケメンじゃないし、デブだし、おっさんしてるし、これがヒーロー?? 状態。
しかし、イケメンを持ってこないところがディズニーの狡猾なところなのだ。
大正解‼︎ このイケメンじゃない、そこはかとなく人間臭く、デブで丸顔の所がイイのだ。
ヒロインの恋の対象には絶対ならない。
恋はいらん。
ヒロインの相棒でいいんだよ。
ギャグのセンスもいいし、太ってるのに動きはシャープ。
半分神だから超人状態の大活躍。
南国系の顔も親しみやすくて(こんな顔のおっちゃん沖縄とか九州にいるよね)途中からゾッコン! マウイ絶品でした(笑)。
あと、マウイの刺青の「ミニ・マウイ」むちゃくちゃ可愛い! 笑えた。
マウイとモアナの会話も掛け合い漫才みたいでテンポ良くてウキウキ。
人生は冒険だ。夢だ。愛だ。
だから、楽しみましょう‼︎
さて、本作ラストあたり登場の怪物とか「もののけ姫」入ってるなあ、と宮崎アニメの影響をそこここに感じるのだけど、それは、お互い様だからしょうがない……よね。
でも、とても日本的だな、と思った箇所がある。
それは祖母が死んでエイとなってモアナの旅についていくことだ。
日本の神話や言い伝えに、愛する夫の船出が心配で、自害して波(風だったかな?)になって旅について行き、夫を守る妻の話がある。
戦死した息子が蛍になって帰ってくる、なんて話も日本では有名だが、あまり、アメリカ映画では見ない表現だと思う。
ポリネシアの島々にはありそうだが。
しかし、日本だととてもウェットになりそうな話だけど、ディズニーだとエイは大活躍なのだ。
すこぶる明るい。
こういう所も新鮮だ。
で、最後に本作の一番、素晴らしいところ。
それは、人生に立ち向かっていく気持ちにさせてくれるところ。
人生は冒険だ。
人生は夢だ。
人生は愛だ。
だから、楽しみましょ。
と思わせてくれるところだ。
監督 ジョン・マスカー ロン・クレメンツ
脚本 ジャレド・ブッシュ
声の出演 アウリィ・カルバーリョ ドウェイン・ジョンソン レイチェル・ハウス
テムエラ・モリソン
日本語版 屋比久知奈 尾上松也 夏木マリ
114分
©2017 Disney. All Rights Reserved.
3月10日(金) TOHOシネマズ梅田他 ロードショー
《一宮千桃さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/ichimiyasentou/?c=26311