【先住民の寝具からレジャーの道具へ】

「ハンモック」をご存じですか？　元々は南米で「先住民が使っていた寝具」だったものが、16世紀以降は帆船船舶内の寝具として利用され、その後、帆船が元永期を引退するとともに、ハンモックはレジャーの道具として使われるようになりました。

ハンモックの構造はいたってシンプルなもので、網や布の両端に木の棒を通しただけのものがほとんどです。両端の木の棒から伸びた縄を柱や木に結びつけることで、空中に固定し、その上に身体を横たえるわけです。アウトドアなどで使われることが多いハンモックですが、最近では室内に手軽に設置できるスタンド付きのものも開発されるなど、地味に改良は進んでいます。

【注目が集まるハンモックの癒し効果】

そんなハンモックですが、最近ではその「癒し効果」にも注目が集まっています。ハンモックは構造上、その上に横たわると「浮遊した感覚を味わう」ことが出来ます。この感覚だけでも、非日常感を得られますが、それに加えて微妙な揺れが起こることで、「リラックス状態」へと導かれます。その秘密は、ハンモックの揺れは自然に引き起こされるものなので、いわゆる「1/fゆらぎ」が生じているためです。

アウトドアでハンモックに横たわることで、このようなリラクゼーションがもたらされるというのは、有名でしたし、実際に体験したことがあるという方も多いと思いますが、最近では、ハンモックをより有効活用する方法も色々と産まれています。

【ハンモックで体幹部を鍛える】

最近流行している運動の手法に「ファンクショナルトレーニング」というものがあります。この言葉は比較的有名なのですが、実際にははっきりとした定義は定まっていないもので、様々な人が色々な定義を提唱している段階です。共通するポイントとしては、「体幹部を効率よく鍛えることのできるトレーニング方法」というところです。また、一般的な筋力トレーニングに比べて、「体力のない人でも始めやすい」ということもよく言われています。

ハンモックはこのような「ファンクショナルトレーニングにも使用することが可能」です。普通に寝っ転がってしまえば快適ですが、あえて不安定な体勢になることで、体幹部を鍛えることができます。このような重力を利用したトレーニングというのは、ファンクショナルトレーニングには多く存在していますが、通常はリラクゼーションに使うものを、トレーニングにも使用できるというのが、ハンモックの利点ともいえるでしょう。

【鍛えたあとに瞑想をする】

アメリカのジムではハンモックでファンクショナルトレーニングをした後には、ハンモックに包まれて何もしないという「瞑想」の時間を用意しているところもあります。運動をした後でハンモックに横たわることで、「筋肉や骨格がリラックスするだけでなく、その包まれている状態と浮遊感が瞑想状態へと誘ってくれる」というわけです。

浮遊感によって瞑想状態へと導くというと「フローティングタンク」が有名です。こちらは無重力感をもたらすように計算された比重の液体につかり、外界からの刺激を遮断するという装置ですが、液体につかるために準備と後始末が必要で、なおかつとても高価な設備であるために個人が気軽に購入するのは難しいものです。それに比べると、ハンモックは外界からの刺激を完全に遮断することは出来ませんが、室内を暗くして耳栓をしたり、またイヤフォンで好みの音楽を流すなどすれば、ある程度の感覚遮断は成立しますので、「手軽に深い瞑想体験へと誘ってくれるツール」ともいえます。

【ハンモックを体験したい時はカフェにいこう】

ハンモックはシンプルな構造をしていますので、家庭で利用できるタイプでも比較的安価ですが、その心地よさを体験したいという方は、「ハンモックカフェ」がオススメです。こちらは、文字通りハンモックに座ったり、横たわったりしながら飲み物や食べ物を楽しめるお店。ゆったりとした癒しの時間を過ごせるということで、最近「人気が高まって」おり、都内を中心に数が増えてきています。中には、ハンモックを直接購入出来るような場所もありますので、気になった方はチェックしてみてください。

ストレス解消の癒し、さらにはスピリチュアルな瞑想、そして体幹部を鍛えて健康にもなれるという非常に優れた癒しアイテムであるハンモック。あなたの家にも設置してみませんか？

Hammock to give healing.
Various ways of hammock.

《ベーターくん さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/betar/?c=78809