新型コロナウィルスの拡大が収まらず、世界中で人々の自粛生活が続いています。
自由を奪われて、先を思うと絶望を感じてしまう人も多いかもしれません。

しかし、この世界的な自粛生活が、実は地球と人類の未来に希望を与えている……と考えることができることも、ご存じですか？

最近外に出ると、以前よりも空気が澄んでいることに気がつかないでしょうか。
空は美しく輝き、野鳥が活動的で、その鳴き声も大きくなっています。

自動車が走る数も減っていることからも、今まで人間が汚してきた空気が、次第に澄んだものに戻ってきているのです。

歩く人間の数も減っているため、野鳥たちはのびのびとしていて幸福そうです。
今までは人間の目を気にして、委縮しながら生活していたのでしょう。

人間は一方的に自然を破壊する存在

人間は、自然環境を一方的に破壊する存在です。
地球環境には食物連鎖があり、その循環の中で自然体系が維持されています。

しかし、人間はその連鎖から完全に外れています。
自然を破壊して利用はしますが、その代わりに何かを与えて循環させるということはありません。

木々を、地下資源を、土壌の栄養を次々と切り刻み、使い果たし、そしてゴミとして捨てています。
そのゴミは土に戻ることはなく、土壌と海洋を汚し続けていく一方です。

ここに一枚のセーターがあり、それを食べる寄生虫が湧いたとしましょう。
寄生虫はセーターを食べながら、どんどんその数が増えていきます。
はじめは食べるところがたくさんあったセーターも、次第に食い尽くされ、残り少なくなってきました。
役に立たないフンばかりが増えていきます。

既にセーターには、増えすぎた寄生虫がびっしりと張りついています。
虫たちは他に移動することはできませんし、もちろんセーターを再生することもできません。

……この寄生虫たちは、どうなると思いますか？

やがて食べる物がなくなり、一斉に絶滅してしまうことでしょう。
これは、地球を食い尽くしている人間と、ほぼ同じ状態であるといえるのです。

ここ数年間は特に、温暖化の影響が顕著になっています。

夏の猛暑は耐え難いほどまでになり、台風も巨大化しています。
このまま、人間が地球資源を食い尽くし続けていけば……野生動物までも犠牲にして、人間は絶滅寸前にまで追い込まれるでしょう。

それは、それほど遠い未来ではないと考えています。

新型コロナウィルスによる自粛により得られるもの

それを憂いていたとき、このような未知のウィルスの蔓延によって人類の存続が脅かされるということは、まったく予想だにしていなかったことでした。

今は多くの先進国を含めた世界中の人たちが、外に出ずに自粛生活を行っています。
それによって空気が澄み、野生動物が人目を気にすることなく、イキイキと活動し始めています。
もしかしたら、美しい地球環境を少しでも取り戻すチャンスなのかもしれない……と、ふと思ったのです。

もしウィルスがなく、世界中の人たちがあのままの享楽的な生活を送り続けていたら……どちらにしろ、100年も経たないうちに、人類はほぼ絶滅していたでしょう。

地球環境の派手な破壊が始まったのが産業革命からとすると、たった200年間程度でここまで地球環境が悪化したため、そして世界の人口は増え続けているために、短期間で絶滅に追い込まれると推測できるのです。

人間は、大変欲深い存在です。
地球環境なんてどうでもよく、自分自身や家族が満たされればよいと考える人が、本当にたくさんいます。

スーパーのレジ袋が海洋を汚染していることは有名です。
それでもレジ袋が無料の店では、ほとんどの人が「タダだから」という理由でもらっている姿を見ると、悲しくなります。
家に帰れば、ポイッと捨ててしまうのに……。

このような状態ですから、どれだけ口を酸っぱくして色々な人達が環境の大切さを唱えても、何も変わらなかったでしょう。

美しい地球を取り戻すための大きなチャンス

それが……このように強制的に行動を制限され、質素な生活を送ることを余儀なくされる機会が訪れました。
美しい地球環境に戻す機会を、与えられたといえるのです。

確かに人間にとって、新型コロナウィルスは脅威です。
しかし、どちらにしても絶滅は免れなかった、と考えると……美しい地球を取り戻せると共に、人類存続を長引かせるチャンスであるとも考えられます。

もしウィルスがなくなって、すべての人達がまた以前の華美な生活を送るようになれば、元の木阿弥ですが……。

もっと高い視点に立ち、人間のことばかりではなく地球という美しい星について、多くの人に思いを馳せていただければ……と願っています。

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