寒流と暖流が教えるもの
安倍政権が導く、日本崩壊への道。
前回の潮の流れにたとえれば、寒流にあたるでしょうか。
そして、私たちが目指す、新たな道。
それは暖流といえるかもしれません。
しかし、寒流が悪くて、暖流がいいというわけではありません。
寒流には、タラなどの冷たい水を好む魚がいますし、暖流には、カツオのように暖かい水に乗って回遊する魚もいます。
どちらも美味しい魚です。
そして、寒流と暖流がぶつかるところは、「潮目」と呼ばれる海域で、プランクトンが多く発生し、それを求めて魚がたくさん集まる、よい漁場となっています。
つまり、どちらも、それぞれ特長と役割があり、両者が混じり合うところは、ワンランク、次元が上がるといえるでしょう。
男性と女性の不思議
実は、世の中の多くのことが、このように相反する二つの事柄からなり、その二つが融合すると、新しいものが生まれるという法則があります。
典型的なのが男女です。
男と女は、性だけ考えれば相反するものといえ、両者からは、新しい命が誕生します。
陰と陽、裏と表、善と悪、剛と柔などなど、相反する二つの概念を対比させて考える論理を二元論という人もいます。
面白いのは、男性は、男性性だけを持ち、女性は女性性のみを持っているわけではないということです。
男性は、男性性はもちろん女性性も内包しています。
女性も同じく両者を併せ持っています。
ですから、男性も女性ホルモンを分泌し、女性も男性モルモンを作りだしています。
要は、どちらが色濃く出ているかということです。
俗にいう「おかま」の人は、通常の男性より、女性ホルモンを多く分泌しているようです。
また、「性同一性障害」といわれる人たちは、異性の性が強く出てしまっているのではないかと思われます。
例えば、男性は男性性が表に出て優位に立ち、女性性は裏に隠れているのですが、それが反対になっているのです。
これは、不思議なのですが、どうやら、一人の人間が持つ、男性性、女性性それぞれに自我があるようなのです。
もちろん、どちらも自分です。
いわば表の自分と裏の自分です。
二重人格や多重人格とは異なります。
別人格ではないのです。
そして、通常は、男性なら男性性の自我が表に出て、女性性の自我が現れることはありません。
女性も同じです。
では、「潮目」のように、両者が融合することはないのでしょうか。
答えは、「イエス」です。
男性性と女性性が一つになることがあると、私は考えています。
観世音菩薩が、その顕現だと思われます。
観音様は、男性性も女性性も表に現れて、男性、女性どちらでもないといわれている存在です。
だから、三十三相に化身できるのです。
いわゆる「悟りを開く」という境地はいろいろとあるのでしょうが、男性性と女性性の融合もその一つでしょう。
それを成し遂げたのが「菩薩」だと私は考えています。
国宝第一号に指定された広隆寺の弥勒菩薩は、性別を超えた気品ある美しさを感じさせてくれます。
それが国宝に指定された理由の一つでもあるのでしょう。
つまり、「菩薩」とは性を超えた次元の存在というわけです。
人も同じです。
表の自分と裏の自分が合体すれば、新しい次元の自分が誕生します。
どうやらそういう人を「賢者」と呼ぶようです。
新しい地球で人々を導くのは、そういう人たちだと思われます。
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