「奇跡のリンゴ」の奇跡とは?〜白山大地の「毎日がスピリチュアル」第四回

前回のもんげーバナナは、「奇跡のバナナ」と呼ばれています。

 

でも、「奇跡」の元祖はリンゴです。

木村秋則さんが作るリンゴこそが「奇跡のリンゴ」でした。
何が奇跡かというと、無農薬で栽培されたからでした。
リンゴは、品種改良されるに従って農薬無しでは実らなくなり、木村さんが無農薬栽培に取り組んだ当時は、年に16~17回散布するのが普通でした。

木村さんは、8年間の試行錯誤の上ついに成功させましたが、その間、農家での収入がほとんどなくなり、キャバレーの客引きまで行ってなんとか家計を賄ったといいます。
その苦労話は、映画化もされましたので、覚えておられる方も多いかと思います。
農薬も有機肥料も使わない、木村さんのリンゴは腐りません。
赤い色のまま萎びていくだけで、最後までいい香りがするそうです。
これも奇跡かもしれませんが、私が興味深く思ったのは、次の話です。

リンゴ畑を無農薬にしてから6年目、リンゴの木がどんどん弱り始め、根っこまで駄目になってしまったと思った木村さんは、リンゴの木を一本一本回って頭を下げ、こう声を掛けました。

「無理をさせてごめんなさい。花を咲かせなくても、実をならせなくてもいいです。
どうか枯れないでちょうだい」と。

ただし、全ての木に声をかけたのではありません。
隣の畑や道路との境に面している畑のリンゴ木には、周りの農家の目を気にして声をかけられませんでした。

木村さんの必死の頼みにもかかわらず、枯れてしまった木も少なくはなかったのですが、生き残ったリンゴも多くありました。

ところが、声をかけなかった列のリンゴは、一本残らず枯れてしまったのです。

私は、この話を知って、人の思いはリンゴにまで伝わると思いました。

(木村秋則氏/画像提供・ウィキペディア)

 

もんげーバナナの田中節三さんもこんな体験をしています。

それは、台湾に出張に行ったときのことでした。
台湾は真夏で、夜でも30度を超えているのに寒くて仕方がない。
ふだん風邪をひいたこともない田中さんは、布団にくるまり、ガタガタ震えていたのです。

しかし、ふと気づきました。
何かおかしい、きっとバナナに異変が起きたのだと。
そこで、日本へ電話をしてみると、ハウスの空調が故障して温度が下がっていたことがわかりました。
田中さんは、バナナが寒いと感じたことが自分に届いたのだと思ったそうです。

葉坂勝さんが考案したハザカプラントも興味深いものです。
ハザカプラントとは、家畜の排泄物や家庭からの生ごみなど、有機廃棄物を堆肥に変えるプラントです。
通常は4~5年かかる完熟堆肥をわずか20日で作ることができます。

そこで活躍するのは、もちろん、無数の微生物(細菌類)です。
不思議なのは、経済優先(お金儲け)でプラントを作るとうまく発酵しないことです。
ですから、葉坂さんは、環境のことを第一に考える人(プロジェクト)だけにこのプラントを提供しているのです。

そういえば、ヒトの大腸にもいわゆる善玉菌と悪玉菌など合わせておよそ100兆個の菌が棲みついていることはよくご存じかと思います。
菌叢(腸内フローラ)は刻々と変化し、強い恐怖やストレスを感じると、急激に悪玉菌が増えることが確かめられています。

こうしてみると、人の意識は、あきらかに他の生物に、良くも悪くも影響を及ぼしていると思われます。
人、動植物、微生物は、人が意識してもしなくても、互いに交流しており、それで生態系が維持されていると考えて間違いなさそうです。
そして、これこそが一番の奇跡なのでしょう。

小保方晴子さん以外にSTAP細胞が作れないのも、こういうことが関係していると私は思っています。

 

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