AMALIN STORY #12 Temple Of New Dawn Life 〜平和でした、昭和のお正月!

みなさん、いつも、ありがとうございます。

●平和でした、昭和のお正月!

もう直ぐ二月になってしまいますが、年末から目まぐるしく大忙しでした。

「明けましておめでとうございます。そして、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします!」

年末から元旦三が日にかけては、日本人にとっては格別なものがあります。

古いものを大掃除して心機一転、新年を迎える。

この心は東洋のものです。

オーストラリアに住む私からみていると、西洋人にとってはやはりクリスマスが年中行事の中でも一番大切なようですが、私は日本人ですからお正月のきりりとした感覚が大好きです。

年末に気を入れて大掃除をすると心が引き締まった上、お正月の静かで社会全体が動いていない静止した空気が大好きです。
私が子供の昭和真っ盛りの頃、年末にはご近所と助け合って窓や玄関の格子戸を綺麗に拭きあげ畳まで上げる年に一度の風を通す大掃除をしてから家全体をスカッとさせたものでした。
畳下にダニ・シラミなどを殺虫するために今は使用禁止された白い粉のDDTを撒いていた記憶もあります。

大晦日には母は台所でおせち料理を作りながら「レコード大賞受賞式」と「紅白歌合戦」を家族全員参加の団欒ムードで見たら、除夜の鐘を聞きながら年越しそばをいただくのが日本全国99%の家族の年中行事でした。

元旦には美容院で髪を結って振り袖を着せて貰ったら、お年玉稼ぎに近所に集まった親戚の家や隣家を回り歩きました。
当時、家の親戚は羽振りが良くて、「綺麗だね~。大きくなったね~。」という褒め言葉とともに、必ず一万円札の入っている紅白の水引のついた大きな封筒を手渡してくれて、子供心にとても嬉しかったものです。
あっという間に十数万円が稼げたバブリーな時代でした。

あの頃の冬はカラッとした寒気と北風でとても寒かったです。
故郷の名古屋では伊吹山から、北風にのった冷たい伊吹下ろしが吹いてきて雪も良く積もりました。
元旦は通常とても寒くて着物の中まで北風と雪が舞いこんできて綺麗に抜けた襟元が寒かったな~。でも、懐に入ったお年玉袋は暖かったです。

オーストラリアの真夏のお正月にそんな情景を思い出しながら……
懐かしく平和だった昭和の子供時代です。

 

●モンスーン。真夏。オーストラリアのお正月しみじみ静かな。

今の私はオーストラリアで一人暮らし。

近隣には家族も親戚もいませんし、日本の大掃除とは趣が異なり畳は無いから上げる必要もなし、その代わり雨樋や飲料用雨水タンクの掃除、家周りや広い湖の草・藻抜き、自然との一体感を保つためにガラス戸と窓に囲まれた家の窓拭きなどとちょっと危険も伴うオーストラリア年末の大掃除ですが、危険を感じながら注意深く生きることは素敵なことです。
ある程度にひとりでする大掃除に納得がいくと、広大な土地への入り口のゲートを閉じて、『ひとりリトリート』をするのが最近のアマリンの年末年始恒例行事です。

これが最高に素晴らしい!

内外ともに、本当に「し~ん」と静かになれます。
ずっとその『サイレンス』を続けていたいほど潤ってジューシーな感覚の中で、心底、とても癒されるんです。

リトリート中、お正月二日目のこと、朝のリトリートメニュー『メディカル瞑想的カラダの声を聴くヨーガ』を広~いベランダでしていると、眼下に広がる湖『Lily Pond』の中でクルクルと早い円を描きながら水輪が浮かび上がります。
それが一方向ではなく両方向に交互に動くので、まるで勾玉が向かい合っている陰陽のマークのように見えるのです。

それで目を見張って、あれは一体何か? と眺めていると、小さな亀ちゃんの仕業で、小さな亀ちゃんがクルクルと右回り左回りと回ってできている陰陽道(タオ)マークだったのです。
ここ数ヶ月、中くらいの大きさの亀が静かに泳いでいるのをよく見かけていましたけど、その子とは違う小ぶりな子亀なんですね。

その動きがあまりにも独特なのと陰陽マークに魅入られて、ずっと眺めていましたら、この子の名前が出てきました。
「チョロ太郎」です。チョロチョロしていて動きが早くて、もう一匹の静かな亀「花子」とは全然動き方が違います。
なぜだか、花子は女性的で優雅な動き、チョロ太郎はお茶目な男の子って感じの動きです。
しかも、この花子もチョロ太郎も人に対してシャイじゃないので、多分このLily Pondで生まれた子達なんでしょう。