一匹狼気取りというのも、今となっては若気の至り以外のなにものでもありません。ましてや幼少期の反動から「全員を敵とみなす」という思考回路になっていたもので、相手が誰であっても、とにかくすぐに噛み付く癖が出来上がっていました。
しかも困ったことに妙な心理戦に長けていたもので、正論こそが最大の防御であり最も効果的な攻撃手段だということを身につけてしまっていたのです。
そもそも一人で絵を描いたり本を読んだり、空想に浸るのが大好きな側面はまったく変わっていなかったので、友達がいなくても特に困ることがなかったのも事実です。
……というのはあくまで「傷つきたくない」という自らが纏った虚構の姿であり、誰にでも優しくしたいし優しくされたいというのは本音です。しかし若さというか幼さというか、本音を晒すことをとにかく私は極端に恐れていました。
結局、外側と内側のギャップが埋められず、むしろ外と内が激しく離れていくことで20代の頃、解離性障害となるのです。特に健忘と離人感がひどかった為、私は20代の記憶が曖昧です。月に一度通っていたクリニックもカウンセラーの名前も、そして顔さえも思い出すことが出来ません。ひょっとすると障害自体本当にあったのかどうか……?
対人関係において感情が激しくアップダウンしたとき、自分がどこにいて何をしているのかがわからなくなるため、それが恐ろしくてかなり長いこと引きこもっていました。
しかし絵を描くことに没頭していれば時間はどんどん過ぎていったし、なにより絵を描くことは「私はここにいる」という安心感を満たしてくれます。それと猫が側にいてくれることもあり、10年ちょっとの引きこもりの日々もあっという間だったように感じています。
このままの日々でいい……そんな風に思い始めていた矢先、宇宙人と出会うのです。(出会ってどうなったかは、このコラムを最初から読んでください)(笑)
リハビリもなしにいきなり大学の講師です。
しかし講師業は私にとって新たな発見でした。
「この仕事、私に合ってる……。」
好かれようと嫌われようとそんなことはお構いなし。ただ私の持っている知識を提供するだけ。意外と楽でした、と同時にここで今までの鬱積をかなり吐き出せたように感じています。
鬱陶しいほど暑苦しい講義に学生たちは迷惑だったかもしれませんが、それでもアンケートでは人気講師のトップ。勿論、反発してくる学生もいましたが、それも19歳頃の自分と比べたら可愛いものです。
それからオラクルカードと出会い、セッションを通して多くの人と出会いました。
講師とセッション、そこには与える人と受け取る人の図式が常にあります。悩みを聞き、解決のためのアドバイスは、過去に蓄積した経験値か、補えない場合は宇宙からの囁きを届けるだけ。そこに私の感情を挟む必要はありません。どこかムカつく相手が現れたとしても、そこはお金というエネルギーでチャラに出来ます。快適……な、はずだった……だのに……。
優しくされたり強く慕われることが怖くてたまらないのです!人類皆エネミーだと思っていた頃にフィードバックしてしまいます。しかし同時にちょっとでも優しくされると、優しさへの免疫がない分、その人にすべてを尽くしたい衝動に駆られます。
「それってヤバくね?」
「うん、ミカエルのいう通り、めっちゃヤバいのよ。これじゃ病気になる前と同じじゃん、って。」
「そこは学習してんだ。」
「記憶は欠落してるけど、さすがに感情は残っていたね。頭のなかを警戒警報がファンファン鳴りまくってた。」
「で?アンタはどうした訳?」
「とりあえず全部のシャッター閉めちゃった……」
「おい!それじゃなんにも学習してねーじゃん!!?」
「違うの!そこから冷静に友達について自分の考えをまとめ直したの!」
引きこもりから大学講師へ。そしてセッションや星を読むなかで出会った数人の優しい人たち。しかしそれをゼロにしてしまった理由は自らが降ろしたシャッターだったのです。
(PART.3へ続く)
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