アーユルヴェーダ・インタビュー第三回~マノジ・チャウダリ先生PART2~

アーユルヴェーダの情報サイトであるアーユルヴェーダライフさんが、アーユルヴェーダの権威の方々に行ったインタビューをTrinity WEBでもご紹介させて頂けることになりました。5000年の歴史があるインドの叡智、アーユルヴェーダ。その深い叡智をご紹介します! 今回は、マノジ・チャウダリ先生のインタビュー第二弾です。

インドにおけるアーユルヴェーダ診療

-最近のインドにおけるアーユルヴェーダ診療についてお話をお聞かせ頂けますか?

最近の病気の原因として、忙しい日常生活からくるインスタント食品等の摂取、増え続ける生活環境の汚染、仕事における不規則な勤務時間や高い目標達成を求められる職種・業務など、様々な要因からくる心身のストレスを増加させる方が非常に増えているように思います。当然これらが起因となって発病するケースも多くなっているということですが、アーユルヴェーダにおいて健康とは、心も体も健康でなければなりません。

アーユルヴェーダでいう健康の定義とは「身体の健康」と「精神の健康」の2つに分かれます。

1. 身体的な健康とはドーシャ、アグニ(消化力)、ダハトゥ(体の構成組織)、マラ(老廃物・排泄物)が正しく機能しているということ。
2. 精神的な健康とはアートマ(個々の魂)、インドリヤ(知覚器官・行動器官)、マナ(心)が適切に機能しているということ。

アーユルヴェーダではこのように「身体の健康」と「精神の健康」が共に健康になることを大切にしており、常に病気の原因・根本を重要視しています。ストレスからくる精神的な問題についても、ひいては身体的な健康の阻害に繋がるものと考え、アーユルヴェーダの治療では心身の総合的な健康状態の改善を図ります。

そのためには、自分自身の本来の姿・体質(プラクルティ:アーユルヴェーダにおける体質)を知ることも大切なことです。
これらのアーユルヴェーダの治療方針に基づいた生活習慣や食習慣の改善や適切なパンチャカルマ療法を行うことは、病気になっている人はもちろんのこと、健康である人にも予防医学の側面から大変役に立っています。

 

日本の皆さんにメッセージ

-最後にインタビューをご覧の日本の皆さんへメッセージをお願いします。

最近の世界を見ていると、その流れが大きく変わってきているように思います。今日、私達は過渡期にいると考えています。日々一刻とあらゆる価値観が移り変わり、人々が生活に求める条件や内容も変わってきています。その昔、人々は「医療システムは、薬や注射を用いて特定の病気の治療のためだけにある」と理解していました。

極端な言い方をすると、例えば「治療中にどのような食事に注意したら良いのか」との問いかけに「薬を飲んで病気を治しているのですから、あまり消化によくないものでなければ、何でも好きなものを食べて大丈夫ですよ!」というような答えが返ってくる時代だったのです。

それほどに西洋医学万能主義の風潮が広がっていたのではと思っています。しかし、近年において代替医療に対する理解が深まり、その内容に対して見直され始めている状況では、従来の価値観もまた大きく変わりつつあります。生活習慣病をはじめ、多くの病気が毎日の食生活や生活スタイルの乱れによって生まれ、そしてまたそれらの改善により治癒されていくものでもあるということも広く知られつつあります。現在、多くの人々はダイエットや生活習慣に関する様々な情報を持っていますし、関連する病気を予防するための十分な知識もあります。

これらは、昔からの言い伝えでいうところの「転ばぬ先の杖」であり、いわゆるホリスティック医療に対する考え方としてもぴったりです。今の人々はもっとたくさんのこうした「転ばぬ先の杖」についての方法を知りたいと望んでいるのです。そうしたことから、アーユルヴェーダ自体は遠い昔からその考え方や療法等は何も変わってはいませんが、今の時代がアーユルヴェーダを見直し始めているのだと思います。

病気になってからの医療ではなく、そもそも病気にならないようにするための予防医療に対する理解が広がっていっているのだと思います。アーユルヴェーダを生活の中で活用していく上で、一番大切なことは、まず自分を知ることです。自らの体質や生活習慣をあらためて見直してみて、健康的な身体と精神の維持し続けていくことの大切さを再認識していただきたいと思っています。

-今日は貴重なお時間を頂いてありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

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■転載元:アーユルヴェーダライフ
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