口腔からできる5つのコントロール PART.3~健康にも影響を及ぼす「フローラのコントロール」②

フローラをコントロールするには 界面活性剤の入っていない歯磨き剤、研磨剤が入っていない歯磨き剤を使うことが望ましいのです。でも、汚れが良く落ちなければいけない……。そんな歯磨き剤は世のなかに存在しませんでした。ところが、分割ポリリン酸は汚れを劇的の落とし、汚れをよせつけない歯磨き剤です。月見歯科ではその成分を用いて 歯のプロフェッショナルクリーニングをしています。また、この材料をもちいたホワイトニングもしていますが、これは歯を白く綺麗にするのも目的の一つですが、一番大切なのはフローラのコントロールなんです。
ポリリン酸ナトリウムは中性もしくは弱アルカリ性であり、善玉菌の増殖を阻害しないばかりではなく、善玉菌が増えやすくなると言われています。そして悪玉菌を抑制します。さらに歯の表面が強くなります。硬くなるだけでなく強くなるのです。

分割ポリリンを開発した柴先生と共同開発したのが、歯科医院でのホワイトニングシステム「ポリリンホワイトニング」です。ポリリンホワイトニングでは歯の表面だけではなく、歯のなかまで強くなるのです。歯の表面に汚れが極めて付きにくくなります。リン酸カルシウムが歯の主成分であり、カルシウム自体は非常に硬いですがもろい成分で、リン酸カルシウム=アパタイトの結晶が、歯や骨を 強くするのです。歯は硬いだけではなく、強いものなのです。

一般的なホワイトニングは、歯から水分を抜き、若干ですが歯を脆くします。水分は後から戻ってくるので問題はないのですが 戻る水分の変わりにポリリンを含んだ成分が歯に浸透することで歯がより強く、白くなるのがポリリンホワイトニングシステムです。私は、ポリリンホワイトニングシステムの開発者の一人としてメイン講師として、全国でこのホワイトニングシステムの普及をしています。

これは間質リンパケアと同じで、とっかかりは他のホワイトニングより白く美しくなるというので良いのですが、口腔から身体全体のフローラをコントロールして病気にならないようにするのが目的です。口腔内のフローラを安定させれば 虫歯や歯周病にならないだけでなく、全身の病気になりにくいのです。口腔内粘膜は非常に吸収が良く、心臓病のニトログリセリンなんかは舌の下に含ませるだけで心臓に作用します。その口腔内に アレルギー物質である 石油系の界面活性剤を使うのは、今までは仕方が無いことでしたが ポリリンの歯磨き剤でそれを使わなくても良くなっています。

また、原因不明のアレルギー疾患である掌蹠膿疱症は、口腔内の金属を取除くか、歯根の治療をやり直すことによって殆どが改善すると言われています。口腔内の金属の問題も、金属がイオン化して歯面に悪玉菌がつくからかもしれません。アトピーも口呼吸や口腔内フローラが関係すると言われています。ポリリンの歯磨き剤を使わなくても まず手軽にできることは、歯磨き剤を朝起きた時だけにし、良くゆすぐ、水で良く磨く、食後は歯磨き剤を使わない。ということだけでもかなりフローラは安定すると思います。フローラを安定させるためには 口腔内の電位を安定させる必要もあり、口腔内の金属の使用は望ましくありません。口腔内の金属はイオン化するからです。イオン化しにくい金属は、貴金属ですね。金やプラチナです。金は最も安定し、強く柔らかく歯になじみますが、紀元前から歯科治療に使われている材料です。

ところが金が高価なため、イオン化傾向の高い安価な金属が使われています。今までは陶器の強度が弱く 金属に陶器を焼き付けて 歯の材料としていました。硬く脆い、さらに金属をつかっているメタルボンドといわれるものです。メタルボンドは 保険のプラスチックよりは綺麗で 汚れが付きにくいですが、色以外では金に勝る材料ではありませんでした。しかし 最近のファインセラミックによる歯科治療では 金属よりも強度が高く、なにより歯との接着性が強いため、歯とセラミックの両方に接着剤が染込み強度が非常に強くなります。

金属はレジン性の接着剤が染込む事はなく、接着面のレジンが割れてしまいます。そこで細菌が増殖し 治した歯の奥で虫歯(悪玉菌)が広がるということが良くありました。これでは治療するたびにどんどん口腔内の環境が人工的になってしまいます。我々はフローラコントロールの意味で セラミック治療を取り入れています。口腔内のフローラを安定させる。そして全身のフローラを安定させる。そのために歯科医師は口腔からフローラをコントロールしていくのです。

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