月のエネルギーを意識して「夜型細胞」発動時間帯に眠る。翌朝すっきり、元気いっぱい!

今回は、「太学功」の睡眠の理論を、一部ご紹介しましょう。

明日はいよいよ金環日食。
歴史の古い「太学功」でも、私たちの身体の細胞が、月のエネルギーの影響を受けていることを説いてきました。

身体の細胞は、全体で見ると24時間休まず働いていますが、「太学功」では、その中にも「夜型細胞」と「昼型細胞」があると考えてきました。
「夜型細胞」は昼休んで夜活動し、「昼型細胞」は夜休んで昼活動している細胞です。
「最新の医学で言う『リンパ球』が、太学功の『夜型細胞』、『顆粒球』が『昼型細胞』にあたりますね」、と丁先生。
(このあたりの詳しい話は先生の著書『病気を自分で治せる気のパワー』をご参照ください)

私たちの身体の「夜型細胞」は、眠っている間に細胞を修復し、新しい細胞を作り出しています。
人間の身体は、実は日中の活動よりも、修復のほうにより多くのエネルギーを使っているのです。
元気でい続けるために何よりも大事なのは、日ごろから睡眠をしっかりとることで、細胞の修復が十分に行われていること。
十分に行われていない状態が続くと、細胞が疲弊し、ひいては病気にまで発展することもあるのです。

ただし、長時間眠ればよいというわけではありません。
丁先生によれば、質の高い睡眠であれば、4時間でもよいそうです。
「私もずっと4時間睡眠ですが、元気いっぱいです。
『太学功』では、人間の睡眠のサイクルを2時間とし、その2時間で体内を一巡り点検していると考えます。
ですから、4時間で足りない方は6時間にするなど、2時間サイクルを意識して睡眠をとるといいでしょう」

では質の高い睡眠とは?
「『夜型細胞』が活発に働く時間にきちんと眠ることです。
その時間とは、夜の10時から翌朝3時まで。
なるべくその時間帯に眠るようにすると、修復と新陳代謝が正しく行われます」

とは言え、忙しい現代人は、睡眠にまつわる悩みをかかえがち。
疲れているのに横になると眠れない、いくら寝ても寝足りない、そんな人も多いのではないでしょうか。
丁先生によれば、どれも気(エネルギー)の不足が原因だそう。
「疲れ過ぎで自律神経をうまくコントロールできなくなっているんですね。
また、修復に使えるエネルギーが足りないと、いくら睡眠をとっても修復が不十分となり、疲れが残ってしまうんです」

やはり「気=エネルギー」に満ちていることが一番大切なことのようです。
そこで、気を吸収しやすい体質になる「太学功」の簡単な方法を、一つご紹介いたしましょう。
寝る前に行うと寝つきもよくなる「逆腹式呼吸」です。

これは読んで字の通り、「腹式呼吸」を逆に行う呼吸法です。手順は次の通り。

①お腹をへこませながら、ゆっくりと鼻で息を吸い、5秒ほど息を止めます。
②お腹をふくらませながら、ゆっくりと息を、鼻から吐き出します。

「私の気功教室では、練習中に眠ってしまう生徒さんが結構いらっしゃいます。
徹夜明けで教室に参加中に眠ってしまい、そのおかげで元気を取り戻して、また仕事に行かれる方もいます。
不眠に悩んでいたのに、教室の帰り道、電車で寝過ごしてしまったという方も(笑)。
こういうことが起こるのは、エネルギーが充実したことで、身体が本来必要な修復を始めるからなのです」

今までにご紹介した内容は、太学功の「三少」、すなわち「少食、少睡眠、少呼吸」という理論から来ています。強い気の場を作る太学功の氣功教室、ご興味のある方はぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

 

丁治紅 Tei Zikou
太学功氣功療法研究所会長。1960年、中国・上海に生まれる。6歳の頃から高名な師のもとで厳しい修行を積み、中国皇帝に独占されてきた、究極の気功「太学功」を唯一、継承する。80年、太学功普及のため、「太学功研究会」を創設。道教・儒教・仏教・西洋医学・東洋医学を包括する太学功の理論をより深め、学校・病院にて指導にあたる。
88年に来日し、「太学功氣功療法研究所」を開設。「治療法がない」「経過を観察するしかない」と医師に匙を投げられた難病に悩む多くの人たちを快癒させる。また、気功法の指導、気功師の育成にも力を注ぎ、「病気にならない体づくり」「究極のアンチエイジング法」を伝えている。著書に『若返り気功術』(河出書房新社)がある。
http://www.kiko-kenkyujo.com/

 

(文・吉村千穂)