9000年以上前から食べられてきた健康と美容に優しいスペルト小麦

栄養素が豊富なことから病後の食事として活用されることもあるのです。さらに、スペルト小麦には、「他の小麦と違った特色」も存在しています。

【多くの国で主食となっている「小麦」】

私たち日本人の主食といえば「お米」ですが、世界の多くの地域で「小麦」が主食として食べられています。小麦は様々な加工が行いやすいこともあり、主食としての地位を確立していますが、それだけに様々な品種改良が行われ、大量生産品のようになってしまっているものもあります。

 

【小麦は危険?】

パンやケーキ、焼き菓子などで使われる小麦は、食生活が西洋化してきた日本人にとっても、主食に近いものですが、マクロビオティックなどを初めとして、「精白した小麦は人間の身体に害をもたらすのではないか」という主張も増えてきています。これらの主張の根本には、「品種改良され大量栽培のために多くの農薬などが使われている」ことへの懸念があります。さらに日本の小麦は8割以上が輸入に頼っているということもあり、輸入時の保存剤や遺伝子組み換えなどの問題もあります。

 

【9000年以上前からあった小麦の起源】

このようなことから、「小麦を食べない」という人も増えてきていますが、最近では「健康に良い小麦」というものに注目が集まっています。それは、「9000年以上前」から食べられてきた、小麦の起源ともいえる「スペルト小麦」。「ディンケル小麦」「グランド・エポートル小麦」などとも呼ばれていますが、こちらは「古代エジプトが起源」であり、ヨーロッパ各地に広まったものです。

中世では、小麦といえばこちらの品種だったのですが、人口が増え需要が増えるにしたがって、「収穫量が少なく脱穀作業に労力がかかる」スペルト小麦は、だんだんとシェアを失い、一時期はほとんど栽培されなくなっていました。

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【完全オーガニックの小麦】

なぜ、このような古い小麦が現代に注目を集めるようになったのかというと、前述のように「一般的な小麦にたいする健康的な不安が広まってきた」こと、そしてスペルト小麦の「栄養価の高さ」と、脱穀作業を大変にしていた硬い殻によって病気や害虫から守られるために、「無農薬でも栽培できる」という利点に気がついたからなのです。こちらは、古い品種であるために、収穫量こそ少ないものの、肥料や殺虫剤などがなくても、栽培をすることが可能であり、当然ながら遺伝子改良などされていない、「完全にオーガニック」なものなのです。

 

【スペルト小麦に含まれる多くの栄養素】

このような大地の力を充分に受け取ったオーガニックな利点だけでなく、「リジン、メチオニン」などの必須アミノ酸を含み、「タンパク質も通常の小麦よりも良質」です。また、糖質の代謝を促進し、抗酸化作用のある「ナイアシン」も含まれています。さらに殻が頑丈であるために、一般的な小麦よりもふすまが薄いために、その部分を含めて小麦に出来るために、「食物繊維も多く摂取する」ことが可能となっています。

このことから、小麦でありながら「美容効果」をもち、食物繊維が豊富で、さらに低グリコーゲン食品であることから「ダイエットにも向いた食材」なのです。また栄養素が豊富なことから病後の食事として活用されることもあるのです。さらに、スペルト小麦には、「他の小麦と違った特色」も存在しています。

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【小麦アレルギーを持つ人でも食べられる可能性がある】

それは小麦アレルギーの人が食べることが可能という点です。こちらは、完全ではなくあくまでも、スペルト小麦を多く食べられているヨーロッパでの経験値を元にしたものですが、「8割以上の人がアレルギーを発症することなく食べることが可能」とされています。もちろん、「お医者さんの許可を受けてから食べる必要」がありますが、小麦アレルギーの人にとっては嬉しい情報といえるでしょう。また、前述したように低グリコーゲンであるために、「糖尿病患者でも食べることのできる小麦」としても注目されています。

 

【古代の小麦を食べて健康になる】

このように一般的な小麦に比べて、多くの利点を持つスペルト小麦ですが、基本的には小麦とまったく同じレシピを活用出来るために、「さまざまな料理に使うことが可能」です。唯一の欠点としては、「収穫量が少ないためにどうしても、値段が高価になってしまう」こと。それさえ我慢すれば、最近では、「国産のスペルト小麦も栽培される」ようになり、より身近になっていますので、健康には気を使いたいけれども、小麦を使った食品も食べたいという方は、生活の中に取り入れてみることをオススメします。