あなたの「桜」の香りを作る特別な方法
〜自由な表現を楽しむ

精油の薬理作用、生理作用、心理作用もとても大切です。 そして目的に合わせて、成分を見ながらブレンドをすることも大切なスキルです。
あなたの「桜」の香りを作る特別な方法<br>〜自由な表現を楽しむ

こんにちは、香りで心を読み解く専門家、精油の翻訳家藤原綾子です。

少しずつ暖かくなり、桜の開花が待ち遠しい季節になりました。
アロマテラピーをしていると、時々こんなご質問を頂きます。

「桜の精油(アロマオイル)ってあるんですか?」

日本人なら、ぜひ手に入れたい香りですよね。
しかし、残念ながら、私たちが花見などで楽しむソメイヨシノなどの桜の精油は存在しないのです。

実際にソメイヨシノなどの桜の花の香りは、非常に弱く、私たちが「桜の香り」と認識しているのは、桜の葉の香りであることが多いかもしれません。
桜の葉の香り主な成分は、クマリンと言われる成分で、この成分を多く含む精油に「トンカビーンズ」と言われるものがあります。

しかしトンカビーンズは、桜の香りか? と言われると、私たちがイメージするピンク色の桜の花の香りとは少し違う気がします。

 

■桜の香りのイメージ

先ほども書きましたが、桜の香りというのは非常に弱いものです。
しかし、桜の香りをイメージしてください。というと、なんとなくイメージができる気がしませんか?

それは、私たち日本人には、桜に特別な意味があるからです。

桜を思い描いてください。

青い空の下薄いピンクに広がる桜並木。
風に舞う桜の花びら。
夜の川面に映る白く輝くしだれ桜。
卒業式、入学式、お花見、夜桜、別れ、出会い、喜び、悲しみ……

香りというのは、記憶と密接な関係があります。
そしてそれは、かなり個人的なものですので、人によって全く違う記憶と香りのイメージがあるのです。

こういったイメージが、どのような香りをイメージするのかを具体的に考えてみます。

例えば……
入学式の不安と期待が入り交じった緊張感の中で、心を浮き立たせる薄いピンクの桜の花びらは、
甘く、優しく、フレッシュな香り

同期の友達と一緒に桜の樹の下で、缶ビールを飲みながら、日々の愚痴をこぼしながらも夢を語った時に見た夜空に浮かぶ白い花びらは
冷たく、力強いけど、甘酸っぱい香り

 

■桜のブレンドを作ってみる

このような具体的なビジュアルイメージと香りのイメージを膨らませたら、このイメージにあった精油を選んでみましょう。

ちょっと難しい? と、思うかもしれませんが、直観と感覚で良いのです。
ルールも正解もありません。

先ほどの例
入学式の不安と期待が入り交じった緊張感の中で、心を浮き立たせる薄いピンクの桜の花びらは、
甘く、優しく、フレッシュな香り

ならば、

甘い香り:ベンゾイン、トゥルーバルサム、カモマイルローマン、ジャスミン、ローズ、ラベンダーなど
優しい香り:ゼラニウム、ローズウッド、ローレル、ネロリ、メリッサなど
フレッシュな香り:レモン、オレンジスィート、ペパーミント、サイプレスなど

え? その香りって、甘いですか? とか、
それは優しいとは思いませんけど、と、思われる方もいらっしゃるかと思います。
それで良いのです。

香りのイメージ、印象というのは非常に個人的です。
自分でこの香りが甘いと思えば「甘い香り」で良いのです。

そんな感じで、あなたオリジナルの桜のブレンドを作ってみませんか?

 

■私のオリジナル桜ブレンド

これは以前、友人に頼まれて作った大変評判の良かった桜の香りのブレンドです。

このとき私は、ビジュアルを具体的にイメージして、そのビジュアルに香りを当てはめてブレンドを作っていきました。

【夜桜】
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漆黒の夜の中に浮かぶ一本の桜の古木。
幽玄で厳粛な雰囲気を漂わせながら、桜の花びらが月に照らされ妖しげな光を放つ。
どこからともなく吹く甘い風に、ハラハラと舞う桜吹雪は星の輝きの舞となり、
いつしか炎の舞いになる。儚くも力強く、美しくも狂気に満ちた夜に舞う桜。
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色や光がイメージできますでしょうか?

このビジュアルイメージに、絵の具を重ねるかのように香りを重ねて行ってみました。

精油ブレンドは、このラインナップです。
()の中は、このビジュアルに当て込んだイメージです。
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トゥルーバルサム(漆黒の夜空)
フェンネル(春の暖かさを含む夜の風)
月桃(月の輝き)
ベルガモット(星のきらめき)
レモン(月に照らされた桜の樹の影)
ネロリ(夜空に浮かぶ桜の花)
ローズアブソリュート(不意に荒れ狂う花吹雪)
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このブレンドは、甘さの中に重さとクリアな芯が見える香りとなりました。
これは、私独自の桜の解釈であり、桜のブレンドオイルです。

 

■精油を重ねること=ブレンド

桜の精油は存在しませんが、このように精油を重ねることで「桜」を表現することができます。

精油を知れば知るほど、このように自由な表現を楽しむことができるようになります。
精油の薬理作用、生理作用、心理作用もとても大切です。
そして目的に合わせて、成分を見ながらブレンドをすることも大切なスキルです。

でも、こんな風にあなたを表現するツールとして香りを使うのも楽しいものですよ。

 

《藤原綾子 さんの記事一覧はコチラ》
http://www.el-aura.com/writer/vertmer/?c=134614