ジャン・バプティスト・アリエットとマリー・アン・アデレード・ルノルマン〜現在まで伝わる占い師たちの功績

ペンネームである「エッティラ」のほうで知られているジャン・バプティスト・アリエット。 彼はフランス革命を予言したということで、上流階級からの支持を受け、占い師として大成功します。

占いは、その起源がはっきりとはわからないぐらい古いものと言われています。

紀元前から、人間は未来を知るためにさまざまな方法を模索してきたわけですので、それは当然といえるでしょう。

今回紹介するのは、そこまで古いものではなく、現在までも、その名前を残している2人の占い師についてです。

この2人の共通点は多く、非常に有名な占い師であったことと、その名前を冠した占いの道具が今でも残っていること。
そして奇しくも2人とも、ほぼ同じ年代と場で生きていたということがあげられます。

その2人とは、「ジャン・バプティスト・アリエット」と「マリー・アン・アデレード・ルノルマン」。
この段階で両者とも知っているという人は、かなりの占い好きか、タロットカードの研究者といえるでしょう。

特に、ジャン・バプティスト・アリエットは本名はほとんど有名ではなく、ペンネームである「エッティラ」のほうで知られています。
彼はフランス革命を予言したということで、上流階級からの支持を受け、占い師として大成功します。

元々は独自のカードを使った占いをしていたようですが、タロットカードに魅了され、独特の解釈によって新しいタロットカードを創り上げました。
それが現代でも残っている『エッティラのタロット』と呼ばれるものです。

このタロットカードは、通常のものよりもエジプト思想の影響が強く、さらには占星術のシンボルを多く取り入れていることで知られています。
それだけに使い方もちょっと複雑で、一般的なタロットでの正位置逆位置だけでなく、横からも正逆位置をとり、さらには数字や占星学記号なども加味して解釈していきます。

絵柄もエッティラによる独自の解釈になっているために、すでにタロットという枠からはかなりはみ出ていますが、彼自身はこれこそが、古代からの起源を再現したものだと主張していたようです。

 

一方、マリー・アン・アデレード・ルノルマンはナポレオンの生涯を予言したとして有名な占い師です。占い雑誌を自ら創刊するなど、広告宣伝が得意だったようで、それによって大物政治家などをとりこみ、名声を得ました。

彼女にもエッティラと同じように、現代まで伝わるカードがありルノルマン・カード』というのですが、実はこちらは、ルノルマンの死後に作られたもので、エッティラのように自分自身の研究によって作られたものではありませんでした。

占い師として有名だったルノルマンの名声を目的で作られたものなのですが、タロットカードと比べて枚数が少なく、シンプルでわかりやすい絵柄と象徴ということで人気を集め、最近では日本でも愛好者が増えてきています。

エッティラとルノルマン、どちらも商売上手であり、同じ時代を生きた占い師だったわけですが、よりコアな方向にいったエッティラのタロットは、現代まで残ったものの、その複雑さからイマイチメジャーになれなかったのに比べて、ルノルマンは自分で作ったわけでもないカードに名前がつき、200年以上たってからも再ブレイクするというのも面白いところです。

今後もこのふたりのように、何百年先まで名前を残すような占い師は登場するのでしょうか?