お稲荷さんなのにタヌキ!? 阿波踊りの国で狸の御利益を受け取ってみよう

タヌキは「他を抜く」ということで、立身出世や勝負事に向いているといわれており、江戸時代頃には多くの人に信仰されたのだそうです。

東京を含めて、全国には無数の稲荷神社があります。

いわゆる「お稲荷さん」ですが、その神使は「キツネ」であり、人によっては「お稲荷さん=キツネ」となっているぐらいポピュラーです。

そんなキツネと対比される動物として「タヌキ」があげられます。
どちらも「霊力」をもっており、人を化かしたりするといわれてきた動物なのですが、全国の稲荷神社で神使とされているキツネに比べると、タヌキはいまいちメジャーではありません。

東京にある「柳森神社」はタヌキを神使としている珍しい例外のひとつ。

基本はお稲荷さんなのですが、キツネではなく「おたぬき様」と呼ばれる親子タヌキが祀られています。

タヌキは「他を抜く」ということで、立身出世や勝負事に向いているといわれており、こちらの神社も、江戸時代頃には多くの人に信仰されたのだそうです。

霊力があり、縁起もいいけれどもメジャーになりきれないタヌキですが、御利益別コースが作られるほど、多く祀られているという場所が日本で1ヶ所だけあります。

それが「阿波踊り」で有名な「徳島県」。
四国はもともとタヌキの勢力が強いといわれている地域なのですが、その中でも徳島県はタヌキに関する民話なども多く、四国にいるタヌキたちの大元締めである「金長タヌキ」は、徳島県では「正一位金長大明神」として祀られています。

そんな金長タヌキをはじめとして、徳島県にはタヌキを祀る祠が県内で50個以上もあるので、それぞれの御利益にあわせて、タヌキの祠をまわるという「祠めぐり」というものが企画されています。

こちらは「恋愛成就・縁結び」「商売繁盛・仕事成功」「美容・健康・無病息災」「学業成就・合格祈願」「家内安全・所願成就」といった御利益別の5つのコースが用意されているというなかなか面白いものとなっています。

東京では勝負事や立身出世がメインの御利益とされていたタヌキが、これだけ色々な御利益に分かれる理由は、やはり徳島のタヌキの多さ。

多種多様なタヌキが祀られているのです。
たとえば、「お松大明神」は、美人で賢く情け深い女タヌキだったと伝わっているので、恋愛成就・縁結びコースの中に組み込まれるといった具合です。

ちなみに、お松大明神は、祠自体は小さいのですが、現在でもかわいらしい女タヌキの像が奉納されるなど、多くの人から信仰を集めており、女性のタヌキでなおかつファンが多かったことから恋愛に霊験あらたかとされているのだそうです。

神様よりも身近であり、それぞれのタヌキのエピソードを楽しみながら、御利益を得られる「タヌキの祠めぐり」。
女性にとって気になる恋愛成就や美容といったコースも用意されていますし、興味のある方は是非参加してみてください。

思わぬ御利益を得られるかもしれませんよ?

Let the shrine tour of raccoon dog(Tanuki)!
In Tokushima raccoon dog is enshrined as a god.