彼岸入りでもある3月18日
〜死者を想い、鎮魂を願う日〜

「精霊」という言葉について、人間の霊であらわした場合、死後の世界に旅立てた魂を「精霊」と呼び、 現世に残った魂は「幽霊」、という説もあります。
彼岸入りでもある3月18日<br>〜死者を想い、鎮魂を願う日〜

3月18日は「精霊の日」。精霊と書くと「せいれい」と読むことが多いのですが、この場合は「しょうりょう」と読みます。
この「せいれい」と「しょうりょう」の違いを知っている人はあまりいないのではないでしょうか?

「せいれい」とは目に見えないような、超自然的な存在全てをあらわしています。
妖精や妖怪といったものはもちろんですが、大きな意味としては神々や人間の霊までも含まれるわけです。

一方「しょうりょう」といった場合は、人間の霊だけをあらわします。
つまり、3月18日は人間の霊に関連する日ということになります。

なぜ、この日が「精霊の日」になったのかというと、「柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)」「和泉式部(いずみしきぶ)」「小野小町(おののこまち)」という3人の歌人が亡くなった日が、すべて3月18日ということに由来しています。

著名人がたまたま、共通した日に亡くなったということで制定されたという考え方もできますが、
この日は「彼岸入り」でもあります。

「彼岸(ひがん)」とは、雑節のひとつなのですが、春分の日を挟んだ前後3日づつの7日間を彼岸といい、その「始まり=入り」が18日となっているのです。

この彼岸の間には先祖の霊を供養し、お墓参りをするのが習わしであり、「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えするという、いわゆる「お彼岸」のことです。

3月18日が死者の魂を意味する「精霊の日(しょうりょうのひ)」となっているのは、歌人云々は後付けであり、お彼岸と関係しているとみるのが正しいように思えます。

元々、お彼岸とは、昼夜の長さが等しい春分や秋分に、太陽が極楽浄土がある方角である真西に沈むことから、
そこに渡ってしまった人、すなわち死者を想ったものですが、
この時期には、多くの死者を出すような不幸が起こっています。
1945年の3月10日には東京大空襲、2011年の3月11日には東日本大震災によって多くの命が失われました。

精霊という言葉について、前述したものだけでなく死後の世界に旅立てた魂を精霊と呼び、
現世に残った魂は幽霊、という説もあります。

ご先祖様や、今までに亡くなった人たちはもちろんですが、
戦争や災害で失われてしまった多くの命が、幽霊ではなく精霊となって彼岸へと旅立ち、
そしていつの日か、また現世へと戻ってくることを、精霊の日である3月18日は祈りましょう。

鎮魂の祈りを捧げるために、お墓にいったり仏壇の前にすわることができればベストですが、
そのような時間がとれなくとも、また宗派が違っていたとしても、3月18日の終わり……眠りにつく前には、死者へと想いをよせて、鎮魂を願いましょう。

その真摯な気持ちはきっと彼岸へと届き、また、迷っている幽霊をも導いてくれるはずです。