時代の変化と共に、家庭にある道具も変わってきました。
昔の家庭には、まさに一家に一つ以上は必ずあったにも関わらず、
最近では、あまり見られなくなった道具として
「箒(ほうき)」があります。
魔女が箒に乗って空を飛ぶという話がありますが、
実際に「箒」というのは、とても神秘的な力を持っている道具なのです。
日本では箒には「神様が宿る」とされていました。
奈良の正倉院に、孝謙天皇が部屋を掃き清め、豊作を祈るために使った箒が今も所蔵されていることからもわかるように、
元々は単なる掃除道具ではなく、神事に使われていました。
ちなみに、箒に宿る神様は
「矢乃波波木神(やのははきのかみ)」
と呼ばれており、伊勢の内宮に祀られている神様の一柱なのです。
箒が持つ力は「掃き出す力」とされてきました。
このことから、部屋にたまった邪気や穢れを掃き出すことはもちろん、女性の中から新しい生命を出す、すなわち、出産のためにも使われてきました。
安産を祈願して箒を使う方法は色々とあるのですが、
小さなものですと、妊婦さんのお腹を、「新しい箒で右回しになでる」ことで、
安産になるというものもありますし、大きな箒を出産時に妊婦の足下に反対にたてておくことで、箒を伝って神様が下りてきて助けてくれるなどというものもあります。
ちなみに西洋でも箒は家を守り、悪霊などが入ってこられないようにするものとし、
「神聖な力」をもっているとされてきました。
現代の魔女は箒にのるのではなく、
箒を使って場を清めたり、
結界を張ったりもしているのです。
掃除機が発達し、箒の出番はどんどんとなくなってしまってきていますが、物理的なゴミを清める力は掃除機にかなわないとしても、
エネルギーレベルで邪気を祓う力は、
掃除機とは比べものになりませんので、一家に一本は箒をおいておくことをオススメします。
なんとなく、部屋に悪いエネルギーがたまってきたと感じた時、最近悪いことが続くなぁと思った時などに、掃除をするだけでも、かなり浄化をすることが可能です。
さらに仕上げとして、箒で部屋のネガティブなエネルギーを集めて、玄関から外へと掃き出すことで、よりその効果を高めることができます。
昔から女性が使ってきた、魔法の道具である箒。不便で時代遅れだと思わずに、生活の中に取り入れてみてください。