誕生秘話
東京の講座「マヤの叡智」をよく行なっている、緑が丘図書館は、
実は、家のすぐそばだったのです。
電通に勤めていた13年前まで、あの図書館から2分の場所に住んでいました。
ともかく、家のすぐそばに図書館があるというのは、必須条件だったのです。
というのも、電通でCMプランナーをしていましたが、企画費として、資料費として書籍代を計上するとしても、 せいぜい、10-20万ぐらいが妥当で、ひとつのCMごとに、50万も、本を買うわけにも行かないし、 もし買ったとしたら、1年間で数百万円分の本を買うことになり、 自宅、あるいは、オフィスのデスク周辺が山のように本で埋まり、 本があるというだけで、生活、仕事に差し支えることになります。
緑が丘図書館がそばにあるということは、大きなメリットがありました。
つまり、一人、20冊本が借りられるのです。
家族5人だと、100冊、同時に借りることができるということです。
しかも、目黒区内に、9つぐらい図書館があったと思いますが、
緑が丘図書館にない本でも、コンピューターで検索して提携しているすべての図書館から本を取り寄せてくれます。
というわけで、柳瀬が、何かの企画をはじめると、 我が家には、そのテーマに関する本が100冊ぐらい並ぶことになります。 3週間から、延長すれば、さらに、2-3週間、再延長すれば、 他に読みたいという方のオファーがない限り、 2ヶ月も、ひとつのテーマに関しての本が100冊我が家に並ぶわけです。 もちろん、日本語でない本や、専門書や、図書館にない本は購入し、 あるいは、会社の図書室やマーケティングのデータで、さらに資料の山となります。
でも、学生ではないので、研究者としてゆっくり読むのではありません。 むしろ、そこにある今までの人類の叡智をもとに、新しい企画、切り口を探すために 利用するために手元に置くのです。 また柳瀬のオリジナルな企画意図をわかりやすくクライアントや、 社内の人間に解説するのに、著者の考えや、今までのデータを役に立てるためです。 時には、おもしろくて、学生時代のように、あるいは、学者のように、 その作家に、著者に、思い入れを込めて熟読してしまうこともあり、それも楽しいのです が、 それでは、1-2週間のうちに、しかも、自宅にいる時間はわずかなわけですから、 100冊の本は読めません。
もう20年前になります。
「積ん読」から「速読」に、読み方が変わったので、
堂々と図書館で100冊も借りるようになったのです。
パラダイムシフト、ということを考えていたときに、
「読まなくてもわかるようになる」のが最終的な目的だと思い、そして、すぐに速読ができるようになり、1995年、
震災のチャリティコンサートのパンフレットを書くのに、緑が丘の図書館で、1時間ほど時間があったので、その間に、歌舞伎と能の本を150冊ほど全部、
棚から、横長の椅子の上に移し、その1時間で全部速読しました。