松田有真のミラクルHappy☆Life宮古島~しあわせ島時間PART.2 命を繋ぐ大事なお水③

【ところで、地下ダムの水はどのようにして汲み上げているの?】

地下ダムに溜められた水はいったいどんな風にして汲み上げているのか…?
考えてみると、不思議ですよね!
地下ダムに貯水した水は、「井戸」で採取しているのです。

井戸からポンプアップされた水は取水路、迷水路と呼ばれるパイプラインを経由して、貯水タンク(ファームポンド)にいったん貯水されそこから各地に排水されているのです。

取水井戸の配置は、地下ダム貯流域内でも場所により大きく取水性状が異なるため、場所の選定と井戸の配置はとても重要となるのですね。

これらの基幹施設の完成は水の循環から見るときに、本土における「河川に匹敵する機能」を持つことになるようなのです。

島の方たちが快適な暮らしを営む上でとても重要な役割を果たしているのですね!

【地下ダムから汲み上げた水を貯める施設「ファームポンド」とは…?】

ファームポンドは標高の高い位置に設置されている主に円柱状をしているタンクの事です。

↑ミルク峰ファームポンド

ファームポンドの役割としては取水施設から汲み上げた地下水を一時的に貯留し、畑地へ地下水を送り出す働きをしています。

ファームポンドの仕組みとしては…
① 取水井から汲み上げられた水を一時的にファームポンドに貯水する。

② 畑に設置されているバルブを開くとその高低差を利用して、水を畑に散水することが出来る、という仕組みなのですね。

現在、宮古島には6か所のファームポンドが設置されています。

島内最大のファームポンドは、「仲尾峰ファームポンド」で、

内径65.0m 高さ13.20m 有効容量は43,800㎥もあるのですね!

ファームポンドの存在は取水井から汲み上げて直接畑地へ送り出すよりも遥かに時間的に早くなり、畑での水の利用に対して、時間的制限が少なくなるのです。

また、水管理も容易に行えるようになるというメリットもあるのですね!
こちらも豊かな水の循環には欠かせない設備の一つなのです。

 

【地下ダムについての事が色々と学べる!「地下ダム資料館」】

今回のテーマをまとめるにあたり、宮古島の「城辺(ぐすくべ)」という所にある「地下ダム資料館」に何度か足を運ぶ事になりました。

地下ダム資料館では、世界で初めての「大型地下ダム」の建設技術や地下ダムの構造をジオラマで表した模型や

地下水のメカニズムを映像やナレーションで解説しているコーナーがあり、光による演出効果や参加体験型の装置で楽しく、分かりやすい形で地下ダムの仕組みについて教えてくれます。

地下のホールには宮古島の地層断層模型が再現され、地下深度70mの実物ボーリングコアーなども展示してあり実際に、目で見て、触れて、体で感じながら宮古島の地層と地下ダム、水の利用についての事を学ぶことが出来る楽しい学習の場です!

今回の連載の取材として、地下ダム資料館の施設内で地下ダムについて楽しみながら学でいたら、いつの間にか宮古島についての事が、色々と詳しくなってしまいました。

地下ダム資料館の周辺は公園として整備され地元の憩いの場となっています。

宮古島を訪れた際には、見学地の一つとして、地下ダム資料館を訪れてみても面白いかもしれませんね!

 

【地下ダムの水位や水質がいつでも観察可能…! 日本最大の「テナガエビ」も住んでいる!「水位水質監視施設」とは?】

平成12年、世界でも珍しい、通称“目に見えないダム”、大規模な「地下ダム」が宮古島に完成致しました。

この地下ダムは文字通り、地下にあって実際には見ることが出来ない為、地下ダムに貯水されている様子が見えるよう「ある施設」が作られたのです。

それが、城辺町にある福里地区に建設された地下ダムの一部が見られる「水位水質監視施設」です。

↑こちらが「水位水質監視施設」

「水位水質監視施設」の場所は、地下ダム資料館のすぐ近く。福東地区という場所にあります。
ここでは、地下ダムの止水壁の一部やせき止められた地下水を見ることが出来るのです。


生活用水や、農業用水として適切な水量を使用するには降雨量や利用水量、地下水位、超流量などを把握する必要がありますよね。

地下ダムは世界でも例がないため、超流量を推測るのが難しく、その為、地上でも観測できるようこのような施設が作られているのです。

また、水位水質の観測以外にも、観光振興の一助となるように配慮した構造になっていて、堤体の一部を露呈することによって満水になった際にここ「福里地下ダム」の水が止水壁を越えて、流れ出るのを見ることが出来るのですね!

さらに、この地下ダムには日本最大のテナガエビも住んでいるのだそう…!

テナガエビも地下ダムを通して、海と地下ダムを循環して暮らしているのですね…!

最近では、夏に開催されている「宮古水祭り」の開催場所としても知られ、お祭りの日には多くの人で賑わいます。

この場所も、すぐ隣にある「地下ダム資料館」を訪れた際に一緒に覗いてみても良いかもしれませんね。

普段、私達が当たり前のように使用している大切な「お水」の有り難さを改めて身に染みて感じる良い機会になるのではないかと思います。
【~後記~】

さて、今回も3日間に渡ってお送りしてまいりました、「TRINITY Web」連載記事、2013年新春第一弾☆

松田有真の「ミラクルHappy☆Life宮古島」

私達の命を繋ぐ大切なお水、宮古島の人々の暮らしと「命の水」のお話はいかがでしたでしょうか…?

今回の原稿をまとめている途中の12月26日の夕方のこと。
実は、こんな事が起きていました。

原稿の編集作業も終盤に差し掛かり、さらにもう少し画像があった方がより見やすいと思った為、写真の撮影に訪れるべく「ある場所」へ向かおうとした際の出来でした。

場所は、地下ダム建設の実験施設となった城辺(ぐすくべ)にある「皆福ダム」です。

そこへ向かう前に、同じく島内の城辺に住んでいる素敵なご夫妻の元を訪ね、その後、皆福の地下ダムへと向かう為に車を走らせていた時のこと。

ふと、窓の外に目を向けると、小さな虹色の光が輝くのが目に飛び込んできました…☆

「あっ…虹だ…!」久しぶりに遭遇した虹です。

思わず私は感嘆の声を上げ、車を止めすぐさまカメラのシャッターを切りました。

直前の雨と、傾きかけた夕日によって映し出された七色のスペクトル…☆

その美しさに胸打たれ、幸せな気持ちに包まれながら目的の「皆福ダム」を訪れる事になったのです。

皆福ダムに到着してしばらくすると、今度は、片方だけだった虹の柱の反対側にも、天へと昇る虹の柱が…!

「わぁ…スゴイ…!」

視界の左右に現れた2本の虹の柱!またしても感動に胸を高鳴らせていると、パラパラパラ…、今度はミスト状の雨が上空から降り注いできました。

細かな雨の気持ちよさを感じながら、2本の虹の様子を暫く眺めていたら今度はさらに両端の虹の柱がグングンと左右に向かって伸びて行き、虹を見ている地下ダムの目の前で一つの大きな「虹のアーチ」が出来上がったのです…!

その虹はとても大きすぎて、1枚の写真では収まりきらなかった程…!

この上ない感動の瞬間でした。

あまりの感動の場面に、誰もいない地下ダムで一人、涙を流しながら天に向かって「ありがとう~!」と、手を振り叫ぶ人…
ちょっと怪しい人になってしまいましたが、とめどなく溢れ続ける涙と喜びは抑える事ができませんでした。

第3回の記事でもご紹介させて頂きましたが、周辺の島々と合わせて宮古島の地図を見ると、どこか女性の形にも見える宮古島。
そのちょうど「子宮の位置」に当たるがこちらの「皆福ダム」です。

その名前も「皆が福になる」、あるいは「皆に福が訪れる」といった幸せなシーンを連想させるような素敵な名前ですよね。

その場所で体験した、例えがたい感動の場面。
「バンザーイ!」「バンザーイ!」いつまでも止まらない「拍手」が続きました。

私たちが生きていく上で最も欠かせない大切なお水。
そのお水にもう一度、感謝をして、水の有り難さを改めて感じながら日々の生活を送れるようにしていきたいものですね。

今回の記事を作成するにあたり、宮古島の「宮古土地改良区さん」より沢山の画像データを拝借致しました。突然の申し出にも関わらず、快くご了承くださいました事に心より厚く御礼申し上げます。

次回の松田有真「TRINITY Web」連載記事の更新日は
「2013年2月1日」☆

ガイドブックには載っていない、知られざる宮古島の魅力や歴史、文化、風習などの情報を引き続き、皆様にお届けしたいと思います。

松田有真の「ミラクルHappy☆Life宮古島」
~しあわせ島時間~ 次回の更新もどうぞ、お楽しみに~☆

またね~(*^_^*)/