過活動膀胱には、イランイランが効く! 排尿システムにダイレクトアプローチ

誰にでも起こりうる厄介な症状、頻尿・失禁にイランイランのオイルが有効的との実験報告!
過活動膀胱には、イランイランが効く! 排尿システムにダイレクトアプローチ

過活動膀胱は、尿意切迫感(急に我慢できないような尿意が起こる)、頻尿、切迫性尿失禁などの症状を示す病気で、過活動膀胱の患者さんの数は、日本で約810万人にのぼると推定されています。治療がなかなか難しいといわれるこの病気に対し、イランイランのエッセンシャルオイルが有効であることを示す実験報告があります。

実験の説明に入る前に、簡単に尿の生成と排泄の過程に関するお話をしたいと思います。尿は血液から生成されます。体中をめぐっている血液は腎臓でろ過され、体に必要とされる水分や栄養分は再吸収された後、不要な水分や老廃物と判断されたものが尿として膀胱へ送られます。膀胱は伸縮性に優れた筋肉でできていて、尿が空の状態の時にはしぼんだ袋のような形をしていますが、尿で満たされると丸く脹らんで、一定量の尿を溜められる構造になっています。膀胱に尿が半分程度溜まると筋肉が圧力を感じ、脳に信号が送られます。ここで尿意を感じた脳は、排尿するか、我慢するかの判断を下し、膀胱と尿道に命令を送ります。脳が「排尿する」という判断を下した場合、その命令は脊髄を経由して伝達され、尿道の付け根に位置する尿道括約筋の弛緩によって尿道が開き、同時に膀胱の排尿筋が収縮してポンプのような働きをすることによって尿が排泄されます。したがって、排尿の際にはポンプとして押し出す膀胱の内圧は高まっている状態です。

過活動膀胱の患者さんの膀胱内圧は日常的に高まっていることが多いといわれます。そのため、過活動膀胱を改善するためには排尿筋を弛緩させ、膀胱内圧を下げることが目標のひとつとされます。一般的な治療法として多く用いられるのは抗コリン薬です。抗コリン薬は、副交感神経に作用するアセチルコリンという神経伝達物質の作用を阻害し、排尿筋の収縮を緩和しますが、口の渇き、便秘、眠気、頭痛、排尿困難、心臓障害、肝機能障害、腎機能障害、認知機能障害など多岐にわたる副作用が存在します。そこで、体に優しい手法としてアロマオイルが活用できるのではないかという考えの下に、イランイランのエッセンシャルオイルを用いた実験が行われました。

実験は、試験管レベルと生体内レベルの両方で行われました。試験管レベルの実験では切り取ったラットの膀胱を使用し、その収縮率によって排尿筋に対するイランイランの効果を確かめるという手法がとられました。この実験で使用された「ベタネコール」「ATP」「塩化カリウム」は、いずれも排尿筋を収縮させる物質ですが、これらの物質をそれぞれ単独で使用した場合とそれぞれの膀胱にイランイランで前処理した場合とを比較したところ、すべてのケースで後者のほうが収縮率が減少する(=排尿筋を弛緩させる)という結果が得られました。また、生体内レベルの実験では、麻酔によって眠らせた白ウサギを用い、その膀胱の内圧変化を調べることによってイランイランの効果を確かめました。この実験でも、「ベタネコール」と「ATP」を排尿筋収縮剤として使用しました。「ベタネコール」と「ATP」をそれぞれ単独で直接投与した状態とイランイランで前処理した状態とを比較すると、やはり前処理した状態の方が膀胱内圧は大きく減少することが確かめられました。試験管レベル、生体内レベルにおけるこのふたつの実験は、ともにイランイラン過活動膀胱対策として有効であることを示しています。

私の経験でも、過活動膀胱でお悩みの方がイランイランを使用したアロマタッチを行うことによって、症状が大きく改善されたケースがあります。70代の女性で、高度の過活動膀胱にお悩みのため専門病院に長年通院していらっしゃいましたが、一向に症状が改善されないとのことで私たちのサロンを訪問されました。病院では「老化で筋肉が衰えているため、改善するためには骨盤底筋を鍛えるしかない」といわれ、まじめに運動もされていたようですが改善の兆しが見えず、病院とは異なるアプローチを試してみたいとのことでアロマタッチを行いました。数日後、「驚くほど症状が改善しました」とのご連絡をいただき、3回目には「症状が全くなくなりました!」とうれしそうにお話しくださいました。このような喜ばしい結果が得られたのは、先の実験が示すように膀胱内圧低下作用のあるイランイランを、吸収率の高い頭部からシャワーとして吸収させることによって排尿筋が速やかに弛緩されたことと、神経に作用するアロマオイルを同時にブレンドすることによって脳、膀胱、尿道間の神経伝達が正常化されたことに起因するのではないかと考えられます。以上のことから、イランイランを上手に活用することによって、過活動膀胱に対する本格的な対策ができるのではないかと期待されます。