生活習慣を変えてセロトニンUP!トレーニング! –有田秀穂先生監修–

有田秀穂先生 増やせば、心はいつでもHAPPY!「脳内セロトニンUP 大作戦」PART.5

有田秀穂先生 増やせば、心はいつでもHAPPY!「脳内セロトニンUP 大作戦」
PART.4はこちら

Part4のセロトニン分泌度チェックテストのどの項目が多いかでセロトニン不足の原因が分かります。
チェックの同数がいくつかある場合は混合型とし、当てはまる全てのトレーニング法を実践しよう。

タイプ別 生活習慣を変えてセロトニンUP!トレーニング

Q.1〜5 にチェックが一番多い
太陽不足タイプ

普段から外に出たり、太陽の光を浴びることが少ない生活のあなたは目覚めの“朝活”を変えてみよう

Method 1
太陽を浴びてセロトニン呼吸
普段、無意識に行っている呼吸と、深呼吸など自ら意識して行う呼吸は、脳の働く場所が異なっている。前者は脳幹部にある「呼吸中枢」が指令を出し、後者は大脳。そして大脳による呼吸が、セロトニン神経を活性させる。下の「セロトニン呼吸法」を毎日5~30分間行うと、スッキリ爽快な気分の時の脳波「α2波」が出る。太陽光を浴びながら行うとさらに効果的!

[Step1] 両脚を肩幅に開いて立ち、背筋は真っ直ぐに伸ばす。両手をおヘソの下にある丹田のツボのあたりに軽く当て、意識を呼吸に集中する。
[Step2] お腹をへこますようにしながら、ゆっくり息を吐ききる。息を吐く時は、鼻、口、どちらでもOK。
[Step3] 鼻から自然に任せて息を吸い、お腹はゆっくりと膨らませる。この呼吸法を5分間行う。

Method 2
早寝・早起きをしよう
セロトニンは、眠っている間はほとんど分泌されず、朝に太陽光が目の網膜から入ってセロトニン神経のスイッチがオンになる。その光は蛍光灯など人工的な照明ではほぼ代用できない。目覚めた直後は、脳内のセロトニン量が不足しているが、徐々に増え一定の濃度に達した時に、身体と脳が覚醒して快活に動き始める。夜勤など、昼夜逆転の不規則な生活をせざるを得ない人は、夕方~夜に「運動不足タイプ」のリズム運動を行って。

Q.6 〜10 にチェックが一番多い
運動不足タイプ

日頃から運動をすることが少ないあなたは一定のリズムを刻みながら身体を動かす「リズム運動」を生活に取り入れて

Method 1
セロトニン神経を鍛えるウォーキング法
セロトニンウォーキングのポイントは、集中してテンポ良く歩くこと。実際にリズミカルな音楽を聴きながら歩いた人の血液検査では、セロトニンの血中濃度が上がっていた。疲れない程度に1日5~30分間、早朝に太陽光を浴びて行うのが◎。長時間ダラダラ歩くのではなく短時間でも集中し、毎日継続して習慣化することが大切。
・視線を前に向ける
・腕を大きく振る
・背筋をまっすぐに伸ばし、お腹は引っ込める
・骨盤を左右に揺らす感じでリズミカルに
・ひざを伸ばし、かかとから着地する
・歩幅は広めに
「ウォーキングをしないと落ち着かない!」と感じるまで習慣化されるように、無理のない範囲で続けよう。

Method 2
リズム運動・カラオケ
ウォーキングもリズム運動に入るが、他にも、サイクリング、ラジオ体操、カラオケや朗読なども該当する。
カラオケは喉だけを使うのではなく、腹筋を使ってしっかり発声することがポイント。姿勢は、両脚を楽な幅に開き、背筋を真っ直ぐに伸ばし、肛門をキュッと締める。重心を身体の真ん中に置き、上半身は力を抜いてリラックス。あごをやや上に向けて喉を開け、視線は遠くを見つめよう。

Q.11〜15 にチェックが一番多い
栄養不足タイプ

偏った食事、不規則な食生活が実はセロトニン不足を招いている!そんなあなたは食習慣の見直しを

Method 1
セロトニンの原料を食べる!
セロトニンは「トリプトファン」という栄養素からつくられ、大豆製品、乳製品、鶏卵、魚卵、ゴマ、ナッツ、アボカド、バナナなどに多く含まれる。また、セロトニンを体内でつくり出すためには、ビタミンB6、ブドウ糖を含む炭水化物も必要。セロトニンの生成のために最低限必要な「トリプトファン・ビタミンB6・炭水化物」を含む食材がバナナだ。和食もこれらの栄養を摂り入れやすい、セロトニン活性メニューといえる。
朝食を摂る時間がなければ、バナナを食べたりジュースにするだけでも、セロトニン神経には◎

Method 2
しっかり咀嚼して食べよう
食材の栄養成分を摂取すると共に意識したいのが「よく噛む」というリズム運動。噛む回数を増やすために、1日3食いただくことと、歯ごたえのある硬い食品を選ぶと良い。野球選手がよくガムを噛んでいるように、噛むという行為は、心を安定させて集中力を上げる効果がある。朝食を意識的にしっかり咀嚼して食べると、朝のセロトニン神経の活性化が手軽にできる。けれどもテレビやパソコンを見ながらの「ながら食べ」はNG!

Q.16 〜20 にチェックが一番多い
グルーミング不足タイプ

グルーミングとは、つまり「触れ合い」他者とのコミュニケーションが不足しがちなあなたは、共感脳を刺激してあげて

Method 1
週末号泣をしよう
悔し涙や、悲しい涙は「学習脳」が関わるのに対して、他者の喜びや悲しみに共感して流す「情動の涙」は、「共感脳」の働きによるもの。週末の夜は感動的な映画を観て、思い切り号泣しよう。映画を観ながら、ラストの感動のシーンに至るまでのプロセスは交感神経が緊張状態にあり、情動の涙を流すことで副交感神経が優位になることから、情動の涙はストレス解消と共に、共感脳の機能を高めることにつながる。

Method 2
人とたくさん接して共感脳を鍛える
セロトニン神経に関係する「共感脳」は、人間が人間らしくあるための役割を果たす働きを持っている。それは、人に共感したり、人の喜ぶ顔を見て幸せを感じたり、人のために行動したりすること。他者と触れ合う(グルーミングする)ことで、セロトニン神経が活性化される。1日最低30分は、フェイスtoフェイスで人とコミュニケーションをとって。顔は見えたとしても、SNSなどのパソコンツールを介したコミュニケーションは、セロトニン活性にならないのでご注意を。

~つづく~

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<プロフィール>

有田秀穂先生
「セロトニン研究」の第一人者。東京大学医学部卒業。
東邦大学医学部統合生理学で坐禅とセロトニン神経・前頭前野につ
いて研究。セロトニンDojo代表

http://www.serotonin-dojo.jp/

<information>
有田先生が、9月開催「健康生活フェア」にご出演決定!講演を行います!

【日時】9/21(日)12:30~13:30
【場所】パシフィコ横浜 健康生活フェア会場内
詳しくはコチラ>>健康生活フェア
http://www.healthylifefair.net/2014_yokohama/archives/guest/aritahideho