日本文化とお花見~日本人の心を優しく鮮やかに彩る桜色の絶大なパワー

桜の花が咲き始めました。美しいですよね。できればみんなでお花見などが出来たら嬉しいのですが、忙しい方でも道端の何処かできっと桜を目にしたと思います。桜の時期って本当に短いので、忙しい忙しいとめまぐるしい生活を送っている人は残念ながら桜の存在に気づかないうちに季節が変わってしまうかもしれません。特にここ最近、悪天候が多いので桜を楽しむ時間は本当に限られています。まだ観ぬうちに季節が変わってしまったという事にならないように気をつけて下さいね。

男性も好きなピンク

桜といえばやっぱりピンク。ピンクといえば女性に人気の色ですよね。ここで考えて欲しいのですが、お花見って男性も大好きですよね。今でこそ、男性も色に対する抵抗が無くなってきて、様々な色を楽しめるようになってきましたが、桜はやっぱり特別なのでしょうか。昔から男性も堂々とピンクを楽しめる貴重な存在なのですよね。そう考えるとちょっぴり不思議で、それでいてありがたいですよね。もちろんお酒を飲むのが目的な方もいらっしゃると思いますが、それを言うなら女性も同じことが言えますので、その辺に男女差は無さそうですね。 一般的にピンクの有名な意味合いとしては、優しい気持ちにさせてくれる色、緊張を和らげリラックスさせてくれる色。可愛らしい、若々しい色です。ロマンチックな色でもあります。

絆を深めるお花見

お花見は、会社の宴会としても使われたりもしますが、家族で楽しんだり、カップルで楽しんだりしますよね。もちろん個人でも楽しめますが、老若男女みんなでピンクを楽しめるという珍しいイベントでもあります。確かに色彩心理的に考えてみると、家族みんなが優しくくつろげるのも頷けますね。普段のイヤな事を忘れるための捌け口としてのドンチャン騒ぎ的な意味合いではなく、心豊かにお互いの絆を深めるとても健全かつ健康的なイベントですね。

「和をもって貴し」とする桜色

桜って、あの淡い感じが良いですよね。シンプルにいえばピンクという言葉で括られてしまいますが、桜を知らない外国人に「ピンクの花」と説明したら、おそらく違った色を思い浮かべるのではないかと思います。ピンクって日本語で言うと桃の色ですものね。パステルカラー(白みがかった色)に分類されると思いますが、その中でもちょっと薄い感じの色ですよね。 淡いとピンクいえば白みがかっていて曖昧なピンクと言えると思うのですが、この「曖昧」な感じ、「微妙なニュアンス」が「わびさび」の文化を好む日本的美学に通じるところでもありますね。決して中途半端という意味ではありません。念のため。個人的見解ではありますが、この淡さ(曖昧さ)が本来(?)女性が好む色の中に男性が紛れこんでも許されるというか気にならないという役割を果たしてくれているのかもしれません。もしかしたら、この桜色こそ『十七条憲法』でお馴染の「和をもって貴しとする」の象徴的な意味合いを持っているのかもしれませんね。 「わびさび」とは質素で静かな、簡素な状態を差すのですが、淡いピンクの小さく可愛らしい花びらが、風に吹かれてふわふわと舞い落ちる姿を見ると本当に儚く、そして美しく、ロマンを感じます。ついつい見とれてしまうのも頷けますね。 このゴージャスとは無縁とも言える謙虚な風情こそを贅沢と思える感性はとても素晴らしいと思います。この心をいつまでも失わず持ち続けたいものです。 この国民性とマッチした淡い感覚とピンクの色彩効果がマッチしているからこそ、殆どのの日本人が桜の花を好きと思える理由なのではないかと思います。 そう考えると、単にお花を見て楽しむというだけではなく、桜の花にはいろいろな効果や影響をもたらしてくれているのですね。桜の季節、大切に過ごして下さいね。