お腹が空いた!~どうしてお腹が空くとイライラするの?~

「イライラ」に振り回されていませんか?

これさえ上手に対処できたら、きっと平和で幸せに満ち溢れた世のなかになるだろうと思うモノについて考えてみました。
私が真っ先に思い浮かんだキーワード、それは『イライラ』です。いつの世も、世界はイライラに支配されている気がします。もし、イライラをコントロールできたら、どうなると思いますか。まず自分自身に優しくなれますし、自分以外の他人にも広い心で優しく接することができると思います。

家族や友達、仕事仲間などの人間関係のもつれって、結局は何らかの原因でイライラして、ぶつかって険悪になってしまったことの蓄積かもしれません。イライラを誘発する何かはあってもイライラせずに、事前に対処できたら、間違いなく世界は一瞬にして光り輝くと思いませんか。

 

空腹と「イライラ」の関係

ところで、イライラの原因について考えてみましょう。食事、睡眠、運動のバランスが悪かったり、自分に負荷をかけすぎたりする時が多いでしょうか。もっというと、自分自身の欲求が満たされないとイライラするのですよね。

今回は、イライラの中でも特に原始的なモノについて考えてみたいと思います。ずばり、「お腹が空いた!イライラする!」についてです。

食事は私たちの生命活動の一番重要なモノです。だから栄養が摂取できないと生命に危機を感じるので、当然何らかのシグナルが必要になってきます。満腹中枢が満たされている時は問題ないのですが、それが満たされていない時はどうしてもイライラしますよね。そのメカニズムについて説明します。

お腹が減ってくると血糖値が低下します。そして体内の脂肪が分解されるわけですが、その一部は遊離脂肪酸という物質に変化して視床下部に届き、摂食中枢を刺激して「そろそろご飯を食べた方が良いよ!」というシグナルを出してきます。
これが「お腹空いた!」ということです。視床下部の近くに偏桃核や側坐核というものがあるのですが、そこにシグナルが届くとイライラするのです。偏桃核や側坐核は「好き」「嫌い」「快」「不快」を司っているのです。

 

「イライラ」が「諦め」に変わるとき

ちなみに、ここからが不思議なのですが、お腹が空くと確かにイライラしてくるわけですが、ピークを過ぎると、奇妙な言い方ですが「どうでもいいや……」というか、空腹感がおさまる感じがしますよね。これ、実はとっても重要です。その気持ちの変化の意味は一体何なのでしょうか。

実は「諦め」なんです。摂食中枢が諦めてしまうのです。とはいっても別に生きることを諦めてしまったから空腹感が消えたわけではないのです。先ほども少し触れましたが、イライラって欲求が満たされない時に起ります。
でも、ある特定の欲求が満たされにくい状況がずっと続いて、そればかりが気になってイライラして、他のことが考えられなくなってしまったらどうなると思いますか。他の可能性を探すことを放棄してしまう、つまり未来を捨ててしまうということなのです。だから「諦め」という心理状態が起るのです。これって、生きものとしては最も恐ろしいことですよね。

 

「諦め」と「失望」は違う

でも、決して投げやりだと思わないでください。「諦め」とは「現時点で特定の欲求が満たされなくてもリスクを最小限に減らし、何らかの形で欲求を満たし、問題を解決するために他の可能性を模索し行動するぞ!」という意味だと解釈すると良いと思います。

イライラという感情はネガティブな感情ではありますが、決して意味が無いわけではありません。イライラを消そうとしても、根本的な解決から目を背けたら決して解決することはありません。
「諦め」についても決して「失望」と同じだと解釈しないでくださいね。食べ物に関しては、イライラするほど空腹になるまで食事をしないことが実際は問題なのです。生活習慣の改善こそ、やっぱりイライラ対策では一番大事なのかもしれませんね。