「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」……生命を助けるコメについて考える「コメ展」

日本人の生活に欠かせない「コメ」

21_21 DESIGN SIGHT では2014 年2 月28 日より、企画展「コメ展」の開催が決定しました。
日本人にとって大変身近な「コメ」についての考察を深める内容となり、本展は、農林水産省の平成25 年度日本の食を広げるプロジェクト事業のうち、消費拡大全国展開事業の補助を受けて開催されます。

コメは、私たちの暮らしにとても身近で、日々の生活に欠かせないものです。日本では、コメを中心とした食文化を深めつつ、稲作の歴史とともに様々な文化が発展してきました。しかし、私たちは食としてのコメ以外の姿を、どれほど知っているのでしょうか?

水田は、様々ないきものの生態系を受け入れ、育むとともに、水害を防ぐ貯水機構や温暖化を抑える調温装置として、自然のサイクルを支えています。
そして、稲穂いなほ2束分の約2,000 粒がおいしく封じ込められたお茶碗一杯のご飯。この一粒一粒には、これまでコメづくりに携わってきた人々の弛まぬ努力や工夫と、循環する膨大な地球のエネルギーが蓄積されています。

「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」。
これは、自らコメづくりをするなかで、稲の本質を見事に言い当てた宮沢賢治の言葉です。私たちの生命と文化を繋ぐコメ。また、それを形成する緻密な環境システムには、私たちの学ぶべきデザインのヒントが秘められています。それは、未来を切り開く多くの「糧 かて」をもたらすでしょう。

激変する地球環境とライフスタイルや価値観の転換期をむかえ、主食としてのコメの位置づけも揺らぐなか、この展覧会では、私たちの文化の根幹をなすコメのありようを新鮮な目で見つめ直していきます。
そして、社会全体で引き受けるべき大きな課題として、その未来像を来場者の皆様自身にも考えて頂きたい内容。

本展ディレクターは21_21 DESIGN SIGHT ディレクターでグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏と文化人類学者の竹村真一氏。異なるバックグラウンドを持ちながらも、同じ行き先を見つめる二人のディレクションによる「コメ展」に高い注目が集められています。

コメ展に行くと、普段のコメとのかかわりからも、新しい気付きを得ることができるかも知れません。

 

■開催概要
21_21 DESIGN SIGHT 企画展「コメ展」
会期 2014 年2 月28 日(金)~6 月15 日(日)
休館日 火曜日(4 月29 日、5 月6 日は開館)
開館時間 11:00~20:00(入場は19:30 まで)
入場料 一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
会場 21_21 DESIGN SIGHT (東京ミッドタウン・ガーデン内)
主催 21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
展覧会ディレクター:佐藤 卓、竹村真一 企画協力:奥村文絵、宮崎光弘(AXIS)
展覧会グラフィック:佐藤卓デザイン事務所
展覧会写真:西部裕介 展覧会映像:山中 有

●上記内容は予告なしに変更される場合があります。