現実社会では手にできない理想的な世界を求め彷徨う人々を描く~『パラダイス3部作』

『パラダイス:希望』

 

人間の欲望に肉薄する

オーストリアの知性派ウルリヒ・ザイドル監督の「パラダイス3部作」は、現実社会では手にできない理想的な愛に満ちた“パラダイス”を求め、セックス観光、過激な信仰、ロリコンと、危険な一線を越えてしまう3人の女たちをオフビートなユーモアを交えて描いた衝撃の3部作です。
世界三大映画祭であるカンヌ(『パラダイス:愛』)、ヴェネチア(『パラダイス:神』)、ベルリン(『パラダイス:希望)のコンペ部門に立て続けに出品され、一作ごとに旋風を巻き起こし、『パラダイス:神』は、ヴェネチアの審査員特別賞を受賞しました。


『パラダイス:希望』


『パラダイス:神』

人間の心理に肉薄した「パラダイス3部作」(『パラダイス:愛』『パラダイス:神』『パラダイス:希望』)はそれぞれの登場人物が、日常のように見えながら、日常とは何かが違う……そんな世界に迷い込んでしまったような危うさを感じさせます。そして日常と非日常はかい離しておらず、表裏一体、私たちは軽々とその世界に迷い込む危険をはらんでいると実感。そして人間の心とは、こうも脆いのかと、思わずにはいられません。

 

 『パラダイス:愛』 

2012年カンヌ映画祭コンペティション部門
テレサはヴァカンスで楽園のようなケニアのビーチリゾートにやってくる。そこでは現地の黒人青年(ビーチボーイ)が、白人女性観光客(シュガーママ)に“愛”を売っていた。テレサもまた、甘い言葉を囁くビーチボーイたちとの“愛”にのめり込んでゆく…。
(原題「PARADISE: Love」/2012年/120分/DCP)

 

 『パラダイス:神』 

2012年ヴェネツィア映画祭審査員特別賞受賞
敬虔で頑固なクリスチャンのアンナ・マリアのパラダイスはイエスと共にある生活そのもの。毎日の讃美歌、過酷な奉仕、布教活動、それだけで休暇を過ごすには充分だ。だが、車椅子でイスラム教徒の夫が2年ぶりに家に戻ったことで、彼女の“パラダイス”は夫婦の争いの場と化してしまう。
(原題「PARADISE: Faith」/2012年/113分/DCP)

 

 『パラダイス:希望』 

2013年ベルリン映画祭コンペティション部門
夏休みに青少年向けのダイエット合宿に参加した13歳の少女メラニー。軍隊のような合宿は運動と栄養学のカウンセリングの繰り返し。そのなかでメラニーは、仲間と枕投げをし、初めて煙草を吸い、そして父親ほど年の離れたキャンプの医師に初めての恋をする…。
(原題「PARADISE: Hope」/2012年/91分/DCP)

 

『パラダイス三部作』PARADISE Torilogy
2013年2月22日(土)より、ユーロスペース他にて全国順次公開!

監督:ウルリヒ・ザイドル
2012年/オーストリア・ドイツ・フランス
カラー/1:1.85/DCP
配給:ユーロスペース
宣伝:テレザ+ユーロスペース
提供:キングレコード