自分を大切にしていますか?PART.6~「子宮筋腫の手術と準備」

手術前の身体と心の準備

子宮筋腫の手術にはいくつかの方法があります。
子宮を残して筋腫のみを摘出する腹腔鏡や子宮鏡などの方法があります。お腹を切らずに済むので痛みも少なく、傷も残りません。入院の日数も少なく、体への負担が軽い方法です。麻酔は殆ど全身麻酔になります。

筋腫の大きさ、出来た場所、数によって複式子宮全摘出手術をしなくてはならない場合があります。この場合の入院は10日程です。
今や癌の手術でも1週間程度の入院で済んでしまうご時世です。複式の子宮全摘出手術のリスクの大きさは、入院日数でもわかりますね。
お腹を切ったことのある人や40歳代以上の人はプラス1日多いことがあります。手術をしたことのある人は、腸がくっつき易い、くっつき気味であるというリスクがあります。
手術前に腸を綺麗にする為に若い患者さんより一日早めに食事をとらず点滴だけにします。

手術後に最も気をつけなければならない事は『腸閉塞』。腸がくっついてしまう事です。
腸がくっついてしまうと、もうどうしようもありません。食べ物が食べられなくなります。点滴やゼリー状の飲む栄養剤のようなものしか口にすることが出来ません。
病院によってはくっついてしまった部分を切除してくっつける手術をしているところもあるようです。
手術にあたって医師の説明の中で、どんなリクスがあるか話をしてくれます。その時に必ず『腸閉塞』のリスクがあると説明がありその上で手術に同意することを求められます。
実は私も手術後『腸閉塞』気味になり消化器科にお世話になっています。現在進行形です。

手術にあたって準備があります。貯血というものです。人の血を輸血する行為もひとつのリスクです。手術中に出血が多い場合、自分の血で輸血する為に前もって血を採って貯めておくのです。200ccを2回採ることが多いようですよ。私も手術中の出血はあまりなかったものの、少し貧血状態だったので手術後に自分の血を輸血しました。なんとも変な気分でした。

又生理の酷い方、出血過多の方はもし手術する日まで余裕のある場合は、前回に書きましたスプレキュアでの偽閉経治療をします。手術日が生理に重なってしまって出血していたら、それだけで手術にリスクを与えます。スムーズに手術を行う為に一旦生理を止めてしまうこともリスクを低くする為の方法なのです。
貯血は40分程度かけて行います。容器に自分で名前を書きます。私はハートマークなんか書いちゃったり、持っていたフェアリーのシールをつけちゃったり自分で気分をアップさせていましたよ。看護師さんも執刀医の先生も『いいね~!!』なんて言いながら 笑

その後静かに血が抜かれていく間に……ぽろぽろと涙が出てきて止らなくなってしまいました。それは自分の体をここまで無理させてしまった事がとても悲しかったからです。
『ちゃちゃっと取っちゃえば楽になるよ。』という言葉が脳裏に現われながらも、手術をするにあたってたくさんの準備をしてきたこと、何度も身体と心の悲鳴を聞いてきたこと……いろんな思いがどんどん出てきて、感情が溢れちゃったんですね。
そんな私をいつも支えてくれたのは執刀医の若き医師と家族や友人でした。
次回は「医師とのコミュニケーション」です。

 

★コラム★

今回は手術にあたって、当時高校3年生と小学校6年生の甥っ子が作ってくれた天使ちゃんの手作りお守りす。片面ずつ、ふたりの名前を刺繍してくれました。
天使と一緒にお仕事をしている私にとって『天使』は特別な存在。
『利加ちゃんねぇねは天使だから』と人針人針心を込めて縫ってくれたお守りは私の宝物です。