スピリチュアル体験を通して始めたカンボジア支援活動PART.16~カンボジアシルクが救う未来③

クメールシルクをつくる村 「伝統の森」

IKTT(クメール伝統織物研究所の「伝統の森」)への移動はトゥクトゥクを利用。
運転手さんに説明したときは、「わかった、わかった」と言っていたのですが、違うルートを行かれてしまったので3時間もかかってしまいました。帰りは、もちろん新しい道を使ったので時間は半分以下でした。

そこには、日本人の元友禅染めの職人だった森本喜久男氏が作った、クメールシルクを作るための広大な村「伝統の森」があります。私たちは支援している村の職工たちに伝統的なカンボジアのシルクの織り方や、染め方を研修させるためにそこを訪れました。今回は、自分で織る糸の精練からレモングラス染め、織り方までを10日間住み込みでみっちり習います。

村には、シルクを織るためのものはなんでも揃っています。
そこの森は、シルクを染める原料となる草木が生えています。もちろん蚕を育てるための桑畑も広がり、大きな蓮の池は、まるで桃源郷のような美しさです。日本からも毎年たくさんのスタディーツアーの方たちが訪れているそうです。

わたしたちはIKTTの子供たちへの支援品(色鉛筆、鉛筆削り、ノート、塗り絵、飴)を買って行きました。ところが、40名分のプレゼントで足りると思っていたら、どんどん子供が生まれていて、数が増えていました。村にはシルクを織る人たちが暮らし、集っています。家族がいれば、当然子供も増えるのです。
子供たちはちゃんと小さい子から並んで、ワクワクしながら待ってくれました。プレゼントはカンボジア人の二人の男性から手渡ししてもらいました。ここの子どもたちは礼儀正しく、皆お礼をちゃんとします。ダウン症の子供もいるのですが、その子も一生懸命にお礼をしてくれました。

子供たちはすぐにお母さんのそばでプレゼントを開いていました。塗り絵がとても嬉しかったみたいで、一生懸命集中して塗っていました。子供たちは新しいものに興味深深で取り組んでいくのです。

森本氏は石庭を建設中でした。これから、さらにたくさんの方に来てもらえるようにと、シルク風呂、オーガニックレストランも建設し、自然回帰の「癒しの森」にする予定なのです。シルクを作ることで、生活が豊かになっていくことを世界中に伝えていくのが目的だそうです。

この美しい村で、自然に囲まれ、お母さんの伝統織物の仕事を見て、外国人にふれあいながら育っていく子供たち。
いったいどんな風に成長するのでしょう。
私たちはいつも彼らのピュアな瞳の美しさに癒されて日本へ帰るのでした。