『心理セラピスト』が教える!「人生のレール」について

『心理セラピスト』が教える!「人生のレール」について

あなたの人生のレールは?

子供の頃、僕は「人生のレール」に憧れていました。誰か、僕により良いレールを敷いてはくれないだろうか。そんなことばかり考えていました。早い話が進路と言うものは親や先生がある程度の方向性を決めてくれていて、少しくらい割に合わなくてもある程度忍耐力さえあれば人並の生活は保障される。だから本当に頑張るのは僕ではなく、親や先生であるべきで、僕は人生のレールが敷かれるまで黙って待っていれば良い。そんな今では信じられないような事を本気で思っていました。誤解の無いようにフォローしておくと、僕の両親がそのような間違った教育をしてきたわけではありません。自分で言うのもなんですが、僕は子供の頃から、少々変わったタイプの人間だったのです。

自主性なんて無縁なキャラクターだったために、僕は何も考えずに育ちました。勉強はダメ、スポーツもダメ。もちろん芸術的センスもまるでナシ。努力もせず、都合の悪い事はすべて人のせいにして来ました。そして、なんとそのまま大人になってしまいました。親にはもう本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。今でも頭が上がりません。

僕のようなケースは稀だと思いますが、僕以外にも「人生のレール」と言う概念を信じ込んでいる人、たくさんいる気がします。僕とは対照的な努力家も含めて。極端な話をすれば、偏差値さえ上げれば人生の勝者になれる。お金さえ稼げれば人生の勝者になれる。それは無理でも公務員になれば安定した生活は保障される。などなど、例を出したらキリが無いですが、それでもレールのテンプレートって暗黙の了解で頭の中にインプットされているんですよね。僕は完全なる無気力人間だったので「人生のレール」を他者に求めましたが、人によっては、自分からステレオタイプのテンプレートのなかから、適当に「人生のレール」を選んで、その道を進んだ人も多いと思います。

そこで疑問が生まれます。「そのレール、楽しいですか?」と。「そこに、自分らしさ、アイデンティティはありますか?」と。
もちろん、「YES」と答える人も少なくないともいます。しかし「一流企業に入ったところまでは良かったけど、空気に馴染めずウツになった」とか「一生懸命会社のためにプライベートを犠牲にして働いて来たのに容赦なくリストラにされた」とか、そんな話を耳にした事はありませんか。僕たちは、ついつい現実から目を背けたくなってしまう生き物ですが、現実を直視すると、自分の身近なところで「脱線」している人はものすごくたくさん存在しているのです。「自分だけは違う。自分だけは、そんな目には遭わない」……その考え方こそが幻想だと言うことを、しっかりと覚えておくと良いと思います。

僕は、だから起業しましょうと言いたいわけでは無くて、「実は人生のレール」は必ずしも王道ではないという話をしたかったのです。「だって、先生が……」とか、そういう事ではないのです。

遥か昔、道はどのようにつくられたかと言うと、至って単純です。人が何処かに行こうとして歩いた後ろに道が出来たのです。はじめは道なんてありません。草がボーボー生えていたかもしれません。しかし、そこを誰かが通る事によって道らしきものが出来て来るのです。そこを何度も通るとか、他の誰かも通るとか、そう言った事を繰り返しているうちに道というものは出来ていたのです。脱線どころか、はじめは道すらなかったのです。そこが有名になってみんなが通るようになったら、有名な道となり、あまり知られていないけど少数の人がこっそり使っている道があれば、それは隠れ道と呼べるかもしれません。
「人生のレール」はたまたま有名になった道の1つに過ぎないと言う事なのです。そこに危険が無いなんて誰も言っていませんし、実は何の保証も無いのです。

個人的な話をすると、僕は結果的に世間一般が言う「人生のレール」から「脱線」しました。勉強しなかった事、そもそも勉強の才能が無かった事、これらの要因がとても大きいのは恐らく間違いないと思います。その脱線したレールの延長には、なかなか就職できない。就職できても待遇が悪い。「なんで、そんな仕事をしてるの?」と言われる。そんな経験をたくさんして来ました。世間的には「負け組のレール」に乗ってしまったのかもしれません。

しかし、そこで改めて気づいたのです。本線から外れたところから眺める人生というものを。実は人生のステレオタイプのレールに乗った人も、脱線した人も、幸せな人もいれば、そうではない人もいると言う事を。これは、僕にとって、とても大きな発見でした。

世間はよく「勝ち組」「負け組」という言葉を使いますが、さらによく世間を観察していると世に言う「成功者」(勝ち組)は、脱線経験がある人が多いと言う事。表現を変えれば、新しい太いレールを作った人こそが輝いているのです。

僕には「人生のレール」の質なんてわかりません。脱線した方が良いのかどうかもわかりません。ただ、上記の事をトータルして考えると、人生にはまだまだ未知なる可能性が秘めている事は間違いなさそうだ、ということです。

いま一度、自分の人生のレールの軌道修正を立ち止まってしてみるのも良いかもしれません。