スピリチュアル体験を通して始めたカンボジア支援活動 PART.10~「伝統の森」での活動

12月10日~18日までカンボジアに行ってきました。
今回は、CEALOグローバルハーモニージャパンでボランティアをしている仲間二人が同行してくれました。ひとりは、石川県から来られた65歳にして自由に生きていらっしゃるM氏。もうひとりは、被災されて福島県から岐阜に移住したAちゃん。二人とも私達の活動拠点であるプルックルンテ村を訪れてみたいということでした。

私がこの村を支援してすでに4年が経ち、支援されている家族は正しいシルクの織り方をだいぶ理解できるようになりました。また、今回は本格的に織れるように、シェムリアップのクメールシルク伝統織物研究所(IKTT)とIKTTのシルクを作るための「伝統の森」という名前の村へ、男性陣も研修に参加しました。

この男性陣は力仕事から織物までこなす、とても頼もしい旦那様達です。研修では伝統的な精錬のやり方、糸の処理、織り方などを習得。そして、お世話になっているお礼にここの子供たち40名にお菓子やシャボン玉のプレゼントをしました。村の男性陣と二人の日本人は子供たちと触れ合って、その笑顔でとても癒されたようでした。

伝統の森の人達は自分の仕事に誇りをもっています。
そして、他の村から来た私達の支援している人達にも、とても親切に実践して教えてくれます。
伝統のやり方では、バナナの茎を灰にして灰汁を作り、それでシルク糸の精錬を行います。不思議なことに糸はとても柔らかくなっていきました。
「シルクは柔らかいもの」というのが先進国では常識になっていますが、カンボジアの大多数の人達はそんなことを知らないで、硬い糸のままのシルクをただ織っている状況です。

現在、カンボジアには中国、韓国の企業が進出し、都会はどんどん発展してきています。日本企業も進出を始めています。日本はかなりのNPO団体が入って学校や施設を建設していますし、世界遺産の修復も日本人がやっていますが、カンボジア人にはほとんどその情報が届いていません。
そして、まだまだ食べられない人、仕事がない人が溢れているのです。
私はなにより、都会に住むカンボジア人が自国の文化を知らないで育っている現在の状況を、とても悲しく感じました。

エコノミー優先ではなくしてしまうことがたくさんあって、今、先進国と言われている国々は精神を取り戻すことや、自然と共生する生き方を模索して、健康で人間的な暮らしを蘇らせようとしている……そんなことも知ってもらいたい、と実感しました。
ご協力頂いている「伝統の森」は、まさにそんな原風景を再現したような村です。多くの外国人も訪れ、癒されたり、何かヒントをもらえる素敵な別天地。日本人の二人もさらに延長してこの村に滞在すると決めていました。

カンボジアの人達が大切なものを失わずに、モノ作りをお金のためだけではなくて、楽しんで誇りを持って続けていってくれるといいなぁ……そう願いながら、今回はプルックルンテ村の大人にはブッダの本、子供にはイソップ物語の本を渡してきました。

私達の活動にご興味のある方は、どうぞお気軽にご連絡下さい。
HP  http://shientokyo.org/
E-MAIL contact@shientokyo.org

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