「癒しの国」台湾 原住民が放つ鮮やかな音楽の魅力

親日家が多いことで有名な台湾

人口は2000万人ほどで、島自体の大きさは日本の九州と同じくらい。電車に乗れば、一日で島をぐるりと一周できるぐらいの小さな島です。

信仰や占いなどがとても盛んで、街を歩けば、日本のコンビニぐらいの頻度で廟に遭遇し、そこでは老若男女が日常的に祈りを捧げています。「素食(スーシー)」と言われるベジタブル料理や、「有機(ヨウジー)」と呼ばれるオーガニックコスメ&食品も沢山!

台湾は、心身が美しくなるスピリチュアル天国なのです!

そして、台湾は海や山などの美しい大自然に恵まれ、14の原民族の、驚くほど多彩な文化が根付いています。まだ訪れたことのない方にとっては、台湾に原住民がいること自体が驚きかもしれません。しかし、漢民族が渡来する以前から台湾で暮らしていた彼らには、独自の文化や風習があり、それは漢民族とは全く異なるものなのです。

生活方式や信仰で目立つのが、自然との強い繋がり。海や山、湖など、彼らは自然豊かな場所で生活を営んできました。生活や精神の拠り所は大いなる自然。彼らの信仰の多くが、自ずと自然信仰になったのは言うまでもありません。四季の移り変わりのなかで、自然への祈りや感謝を捧げる儀式が行われ、そこで発展したのが、彼らの音楽や舞踊でした。彼らの歌には、彼らの生活や人生の拠り所である自然への想いが込められているのです。
まずは身近に感じていただくために、原住民のご紹介とともに、ミュージシャンのご紹介をしましょう!

台湾原住民とは?

台湾の現在の民族分布は、17世紀頃以降に中国大陸から渡来した漢民族系(河洛人・客家人・外省人)が98%、そしてそれ以前に台湾に住んでいた原住民が2%と言われています。

現在政府に認定されている原住民は14民族。彼ら原住民は、漢民族との軋轢や日本統治時代の日本政府との衝突など、歴史的にみると様々な困難に遭遇し、現在も差別などの問題は山積しています。しかし、そんななか台湾でも、原住民を見直そうという意識が高まっている分野があります。それが「音楽」なのです。

民族衣装を身にまとい、独自の言葉とメロディーで民族の歴史や文化を表現する彼らの音楽は、近年台湾国内でも見直され、「誇るべき文化」として尊重され、市民権を獲得しつつあります。原住民出身の歌手が台湾の音楽チャートを占めるようになったことも、原住民への差別を減らすきっかけになりました。

彼らの音楽はほとんどがアコースティックによる独唱やコーラス。独自の文化を守りながらアイデンティティを濃密に表現した彼らの音楽には、魂のエネルギーを感じずにはいられません。

心動かされる台湾原住民音楽。彼らの音楽を聞くことは、彼らの魂を感じること。
才能ある多くのアーティストが活躍するなかで、特におススメのアーティストをご紹介します!

■Difang(民族名:ディファン・Difang Duana、中国語名:郭英男)

台湾南東部の阿美(アミ)族出身。農業生活を営みつつ、馬蘭吟唱隊のヴォーカルとして活動。阿美族に残る歌のほか自作の曲も発表しています。1993年にエニグマの曲の中で、無断でサンプリング使用されたことがきっかけで、歌手としての知名度は世界的になり、同時に彼の音楽の質の高さを知らしめました。

http://www.rockrecords.co.jp/artist/difang/rcca2200/rcca2200.html

■Suming(スミン)

原住民出身の若者たちで結成したバンド・TOTEM(トーテム)で、作曲・ボーカル・ギターを担当。ソロのシンガーソングライターとしても活躍しています。1978年生まれの彼が、公式な場所では民族衣装を着用し、アミ族のメロディーをもとに奏でられるアコースティックな音楽は、アミ族の文化をモチーフにつくられています。若い人たちに原住民の魅力を感じるきっかけを与えています。

http://johnsuming.com/

■鄒女 (ツォウニュー)

阿里山出身の鄒族出身の女性5名で結成し、2008年に『鄒女在唱歌』でデビューしました。メンバー全員が美しさと美声を兼ね備え、鄒族女性の美しさをアピールしました。鄒族の言語で歌い、そのメロディーは時にパワフルで、時に穏やか。民族的なメロディーを色濃く残しながらも、ジャスやポップスなども積極的に盛り込み、新しい民族音楽の魅力を提唱しています。

http://chougirls.pixnet.net/blog/post/34908671

■ビユン(民族名:Biung Tak-Banuaz、中国語名:王宏恩)

台湾内陸部の台東県出身でブヌン族。兵役除隊後に製作したアルバムには、ブヌンの言葉を話す祖母に捧げた歌も。アコースティックギターのメロディに乗せた彼の優しい歌声は、「癒しの声」と言われ、台湾全土を魅了しています。アルバム『走風的人』に収録した名曲「月光」は、彼らの故郷の情景を鮮やかに表現し、高く評価されました。

http://biung.pixnet.net/blog

今回ご紹介したのは、台湾の原住民ミュージシャンのほんの一部。
今後もご紹介して参りますのでお楽しみに!!