NO2 日本の祭りのひな祭りと春分のお彼岸〜春の彼岸で食べるのが「ぼた餅」

もうすぐひな祭りですね!
前回は、時間を分けたり計ったりする便利な「旧暦」についてかじってみました。

新月を1日として、各月をスタートするようにしていたんですね。

では3月の祭りをみてみましょう。

 

五節句の祭りの一つひな祭り

・3月3日 上巳(じょうし)「桃の節句」ひな祭り
一般には奈良時代から始まり、形代でけがれを払い川や海にながす風習が、子供のままごと遊びの人形となり、流し雛やひな人形が女の子の成長を祈る行事となりました。
ひな壇に飾るようになったのは元禄期になります。

元々は、陰暦3月の上の巳の日の祭りであり、「上巳の節」と言われ「春禊ぎ」と言い、川の水で身を浄めた禊ぎ(みそぎ)の日が後に「陰暦3月3日の節句」とされるようになりました。
紙人型を自分のカラダに撫でてこすり、罪科穢れ(つみとがけがれ)の邪気を水(火)でお祓いする儀式などを季節の節目ふしめにして、健康と幸せを願ったのですね。

 

おひな様の食べ物

今も桃の花を飾り、ひし餅、ハマグリの潮汁、白酒で祝います。
わたしの子供の頃は、折り紙でおひな様を折って飾り遊びました。
母がちらし寿司を作ってくれて、たまに雛ケーキを飾ってくれたのが嬉しかったです。
食べて美味しかった思い出よりも、見ているだけでとっても幸せになった記憶の方が強いです。
色とりどりのあられや金平糖、菱形のお菓子がキレイで可愛くて、お内裏様とおひな様の人形を見て女の子の夢もふくらみます。
素直に明るく健康に育ち、幸せな嫁入りができるようにと願いが込められているようです。

主になる食べ物が「ちらし寿司」です。
お正月からご馳走が続いて胃腸がお疲れのところへ七草でお粥を食べて胃腸を休め、ひな祭りでごはんを主役にたっぷり食べて中庸のバランスがとれるようにできています。

3月に酢の物や柑橘類の酸味を食べることは、細胞をゆるめて老廃物を溶かしてながしやすくしてくれるのでお寿司は丁度よい食べ物です。
レンコン・ヒジキ・かんぴょう・干しシイタケ・高野豆腐・人参・ゴマ・サヤインゲンなど彩りよく飾ると栄養バランスもよくて、うれしい楽しい祭りになりますね。
盛り付けも工夫して押し寿司のケーキ型、カップ型もたのしいです。
ちょっとした遊び心がより楽しい思い出を作ってくれるでしょう。

 

日本特有の雑節:春のお彼岸祭り

日本特有の「雑節」では、季節の節目に備えること、払うこと、注意する事などが判ります。

・春彼岸(はるひがん)
春分(3月21日)を中日とし、前後3日を加えた7日間のことです。
18日が彼岸入りで24日が彼岸明けとなります。

「彼岸」という言葉は、仏教用語です。
「彼岸」は「あの世(死後の世)」すなわち極楽浄土のことで、
「此岸しがん(この世のこと)」からあの世を思い、ご先祖様を供養する日となります。

極楽浄土は西の彼方にあり
春分は夜と昼が半々になり、太陽が真東から昇り真西に沈むことから、
極楽浄土は西の彼方にあるので、阿弥陀仏を拝礼するのに西側がどこかわかりやすいとのことです。

なぜ春分が祝日なのかというと、
「皇霊祭」と呼ばれ歴代の天皇や皇族方の御霊に鎮魂の祈りを捧げる宮中祭祀でしたが、
明治12年から昭和23年まで「春期皇霊祭」として休日だったのを、国民の祝日に関する法律により「春分の日」と名前をかえて国民の祝日になったようです。

 

春の彼岸で食べるのが「ぼた餅」

ご先祖様を大切に思う心を表現したのが、ぼた餅になりました。
お供えするぼた餅の材料の砂糖や餅米は高価であったことと、
材料の小豆には「邪気を払う」と言い伝えられていることからです。

春の彼岸で食べるぼた餅は、こしあんで作るそうです。
ご先祖様に思いをはせて、子孫達に「あっ! ここがじいちゃんにそっくりだね~。」なんて話ながら、笑顔で団らんしてぼた餅を食べてみてはいかがでしょう。

春分の7日間には、彼岸と言うこともあり故人を偲ぶ理由から精進料理がよいそうです。
穀物・豆類・野菜を利用し、出汁は昆布と干しシイタケの和風で作るとよいですね。

三つ葉・タケノコ・アスパラガス・サヤインゲン・グリーンピース・キャベツ・菜の花・カブ・フキノトウなど山菜・いちご・キウィ・ハッサク・オレンジ等酸味のある柑橘類。
これらの春の季節を感じられる食材でメニューを考えてみましょう。
精進料理で阿弥陀如来に近づいて運が開けるかもしれませんね。

食事を整えて、身体の中から美しく幸せで健康に暮らせますように。
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