【季節の薬膳 自然に寄り添う食養生 Vol.5 冬至】〜冬至の季節の食養生

【冬至とは】

皆さん、こんにちは。国際中医師、国際中医薬膳師の吉田 美枝子です。
食べるだけの薬膳教室を主宰しています。

前回の自然に寄り添う食養生の4回目をお読みいただきありがとうございました。
今回は来る冬至の時期の養生のお話をしたいと思います。

冬至とは二十四節季で毎年12月22日前後から始まる2週間のことです。

 

【冬至は1年の養生の起点】

冬至の時期は冷たい風が吹き、地は凍り、自然や生き物の気配を見たり感じることはありません。

しかしその冷たい大地の下で陽気が今にも芽吹こうとしている時期でもあるのです。

なぜなら冬至は1年で陰が一番多い時期……。
陰陽学説では陰極まれば陽と化すと言われています。
冬至に陰が1年で最大となり、ここが転換点として陽気が増え始め季節が変わり始めるのです。

この時期に体を考えた食事をすると普段の三倍の効能があると言われています。

中国の伝統でこの時期は湯圓というあたたかいスープの中に入ったお団子と餃子と羊肉を食べるという習慣があるそうです。
羊肉は皆さんご存知のように体を温め気を補う効果があります。

体を温め、自然界で増えていく陽に寄り添い、体の陽気を増やすのをそっと後押ししてくれるを食べるのはいかがでしょうか。

【冬保三暖】

冬は自然界では陽気が減って陰の気が盛んになる季節というのは先ほどもお伝えしましたが、人間も自然に寄り添っていることを考えると加齢とともに陽の気が減ってくる方が多いです。

そんな時に肺、脾、腎の働きが衰えて慢性の気管支炎になることがあります。
中医学の用語で言いますと「痰飲」と呼ばれる症状です。
肺、脾、腎は水の流れに関係のある臓器でこの働きが衰えると上源から下源にスムーズに流れるべき水がうまくさばけなくなり、痰となって体の不必要な部分に停滞してしまうのです。

上記の3つの臓器の衰えて水が体内に停滞しているところに、冬の外気からの冷えが重なるとよけい体の中の水の流れが悪くなってしまいます。
冬のアスファルトを想像してみてください。
冷たい地面に水を撒くと氷になり固まりますね。
固まった氷は温めないと溶けずにずっとその場所に残り続けます。
元から水の流れが悪いところに冷えも加わると余計水の動きが停滞してしまうのです。

こうして冷えが顕著な時、中国では「冬保三暖」と言って特に3つの場所を温めます。

① 頭 頭頂部が冷えると血管が急激に収縮して頭痛を引き起こしやすくなります。
頭を直接冷気にあてないよう帽子をかぶるといいでしょう。今はかわいい帽子が
たくさん出ていますね。クリスマスプレゼントに帽子もいいですね。

② 背中 寒冷の邪気は背中のツボから身体に侵入して、悪化すると内臓にまで害を及ぼし
ます。背中を温めて邪気の侵入を防ぎましょう。

③ 足 足が寒さを受けると、毛細血管が収縮して身体の隅々まで血という営養が届かなく
なり、抵抗力が弱ります。また脚が冷たいと脚の先まで届いた血も冷たくなり、
その血が心臓の働きによって身体の各部に押し出されるので、身体全体が冷え
てきます。
寝る前に足湯などをして足を温め、リラックスして眠りにつくといいでしょう。

冷えを防いで水の流れをスムーズにし、慢性病の芽を早いうちに摘んでしまいましょう。

 

【冬至の季節の食養生】

この時期取り入れていきたい食材……
まずは陽を補う羊、ニラ、エビ、フェンネルなど……
身体を温めるのはもち米やショウガ、ニンニク、八角など……。
中華風のおこわにしてはどうでしょうか。
また停滞しがちな気を巡らせるミカンやゆずなどのかんきつ類、そしてその皮、さらには花の香りもいいのでお花のお茶やアロマもいいですね。
中医学では気が巡るとそれと一緒に物質も巡ると言われています。

冬至は陽気を増やす養生のスタート地点です。
そして中医学で健康というのは身体の中を気、血、津液が滞りなく巡っている状態です。
陽を補い、身体を温めて気血津液を巡らせて健康な状態を保ちましょう。

吉田 美枝子

吉田食堂主宰
https://kawasaki-yakuzen.wixsite.com/yoshida-shokudo

 

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