米国先住民の知恵・サンベアによる「国民総平和量」とは?~10 pieces of Native American wisdom that will inspire the way you live your life (4)

ブータン国政の指針が「国民総幸福量(GNH)」なら、米国先住民の共同体の指針は「国民総平和量(環境やほかの民族との平和構築・共存)」と言えるかもしれません。If “Gross National Happines (GNH)” is a state philosophy for Bhutan, “Great National Peace (coexistence with nature and humanity/ peacebuilding and peacekeeping)” might be a community philosophy for Native American communities.

誰もが幸せに生きたいと願っているのに、戦争が絶えることはなく、経済格差は拡大しつつあります。
日本だけでも年間自殺者は2万人を大きく上回っています。

現代の北米先住民社会はアルコール中毒の蔓延、失業率の高騰、全米最貧レベルの生活など、数々の問題を抱えながらも、餓死者も孤児もいません。
それは、自分一人だけの蓄財よりも、相互扶助という伝統精神が今でも息づいているからでしょう。

 

サンベアのメッセージを契機に、周囲との調和についてあらためて考えてみませんか?

私は文明の高さの尺度として、鉄筋コンクリートビルの高さがふさわしいとは思わない。それよりは、その国の人々が環境や仲間との関係性についてどれほど深く学んでいるかを基準にするべきだ。
~チペワ族のサンベア(マレーグマ)

このメッセージを読んですぐ、私はブータン王国の「国民総幸福量(GNH))」を連想した。

GNHとは、1970年代にブータン王国のジグミ・シンゲ・ワンチュク国王(当時)が提唱し始めた概念で、同国の豊かさを決める基準として使われている。ワンチュク国王は国内総生産(GDP)という欧米の唯物論的な基準に対抗し、仏教の精神的価値(幸福)を発展させる狙いでこのGNHという単語を開発した。

これは「我々は”物質的なもの“ではなく、国民の満足度や幸福度を重視したい」という表明だ。

 

何とも粋な標語ではないか。

サンベアもブータンと同様の理想を掲げているわけだが、少しだけニュアンスが異なるかもしれない。
サンベアは、自然や仲間などの周囲と協調して生きる人類の力を強調している。

このフレーズを国(あるいは個人)の指針(行動規範)とすることは、力強くも革命的な考えだと思う。

 

著者紹介〈マット・バレンタイン〉
マインドフルネスと瞑想の指導者。作家でありクリエーターでもある。
禅を学び、プライベートでは夫と父親の役割も果たす。

 

出典元:https://buddhaimonia.com/blog/native-american-wisdom

第1話:https://www.el-aura.com/trinity_tomoko12/
第2話:https://www.el-aura.com/trinity_tomoko16/
第3話:https://www.el-aura.com/trinity_tomoko22/