あなたの人生にヒラメキと元気を与える米国先住民の知恵10編~10 pieces of Native American wisdom that will inspire the way you live your life (1)

米国先住民の知恵に感銘を受けた白人男性が彼らの知恵を紹介してくれます。第1回は執筆者が先住民の知恵に出会うまでの過程と第一の知恵「聖なる空間に入る」の紹介です! An American meditation teacher will tell us about native American wisdom. First, he will tell us how he got to know natives’ wisdom, then the first wisdom “Enter the sacred space” follows.

米国先住民族は何百年もの間、部族同士で戦争を続けていましたが、16世紀末頃に伝説のインディアン酋長「デガナウィダ」と、大戦士「ハイアワサ」の呼びかけで5部族が協議した結果、すべての武器を土に埋めることにしました(戦争と武力の放棄)。
それが恒久平和同盟である「イロコイ連邦憲章」です。この思想は米合衆国憲法を経て日本国憲法にも受け継がれています。

そう思うと、米国先住民が一気に身近な人たちに思えてきませんか?

これから母性的で調和と平和を重視する米国先住民の英知を少しずつ皆様にご紹介したいと思います。まずは、米国在住の白人男性(プロフィールは文末に紹介します)による「米国先住民の10の知恵」から始めましょう。第2編以降は毎週月曜日にお届けします。

 

私(白人男性)は子供のころ、よく弟とカウボーイごっこをしていました。

私のほうが年上だったので、遊びの流れを仕切っていました。
私がカウボーイになり、弟は米国先住民(インディアン)役です。
毎回、私が弟を鉄砲で撃ち、弟は倒れました。

無神経に聞こえるかもしれませんが、これは私が5歳のときの話です。
知識がなく、配慮が足りなかったというよりは、当時は誰もが米国先住民や先住民と「米国人」との関係について大きな誤解をしていました。

とはいえ、成長しても、米国先住民に対する私の理解がそれほど深まったわけではありませんでした。

まず、私たちは先住民をインディアンと呼んできました。コロンブスが米国大陸を発見してから500年もたっているのだから、インディアンという呼称はもう使っていない、と思うかもしれませんが、私はそうは思いません。

次に、「インディアン」は何をしているのか、と考えたときに思いつくのは、ティピ(北米先住民の獣皮製テント小屋)を建てること、矢石を彫ること、動物を狩猟すること、互いに戦うこと、踊ることくらいです。

彼らがこうした生活をしている間も、表面的な知識以外、私たちは先住民については何も知りません。

私はいつも、賢明な教えが時と地域を超えることに感銘を覚えます。国や文化、時代が全く異なる人々が、普遍的な原理を説いています。そうした原理は、誰もが人生の指針とするべき重要なものだと思います。いわば、人生の基盤ともいうべきものです。

私は世界共通のテーマを見つけようと、世界中の伝統的な英知をまとめています。その一環としてここ数か月間、米国先住民の知恵を学んでいます。

私は彼らの知恵を学び、打ちのめされました。米国先住民の知恵は驚くほど深く、それらは現在も彼らの文化の中に息づいているのです。

素晴らしき米国先住民の文化には古代から書くという習慣がなかったため(1821年まで)、彼らの知恵はずっと口伝で続いてきました。

仏陀の言葉も当初は口頭で伝えられていましたが、400年後に誰かがそれを書き留め始めました。同様に、今では米国先住民の英知も記録されるようになり、誰もが実践できるようになりました。

皆様も是非、米国先住民の知恵の美しい一片一片をお楽しみください。

 

あなたの人生に命を吹き込む米国先住民の知恵10編

1)聖なる空間に入る
ワカン・タンカ・グレートミステリーは、ぼくに自分のハート、自分のマインド、自分の直感、自分の内なる知恵、自分の体の感覚、そして自分のスピリットの恵みを信頼する方法を教えてくれました。これらを信頼することができたら、自分の聖なる空間に入れるようになる、恐れを超えて愛せるようになり、美しい太陽が沈んでも、バランスを取って進んでいける。
~ラコタ族の祈り~

米国先住民族の英知は、聖なる空間は吸う息と吐く息の間にあると言います。

東洋哲学や瞑想に詳しい方なら、このメッセージの重要性をすぐに理解なさるでしょう。

数千年前から瞑想術は、一貫して吸う息と吐く息の間、つまり呼吸の合間に集中するよう教えています。というのも、息の合間にはスピリチュアル的に大きな意味を持つからです。

私たちは息と息の間を通って自然(野生)の状態に戻っていくと言われています。私たちが自然の状態にあるときには、「自分」がはがれ落ち、周囲の世界と「1つ」になります。

そこではエゴや分離感はなくなります。恐れを超え、本物の愛に気づきます。分離感があると、本当は相互依存関係にあっても自立していると思ってしまいます。バランスを取って進むとは、スピリチュアリティー(高い精神性=天国と表現される)を持つと同時に、肉体的に調和すること(大地と表現される)を意味します。

これも非常に深い意味を持っています。このラコタの祈りは、東洋の英知と私たちの直感が数千年前から伝え続けてきたこと……天国と大地は別物ではないということ……と同じです。

最初は天と地は離れているように感じるかもしれませんが、訓練を積めば実は同じものを逆から見ているだけだということに気づき始めます。そうしたら、2つの間のバランスが私たちの生活のバランスになります。

 

(続く)

 

著者紹介
〈マット・バレンタイン〉
マインドフルネスと瞑想の指導者。
作家でありクリエーターでもある。
禅を学び、プライベートでは夫と父親の役割も果たす。

参考:http://mutsu-satoshi.com/2014/09/09/%E3%80%8C%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%A4%E9%80%A3%E9%82%A6%E6%86%B2%E7%AB%A0%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C9%E6%9D%A1%E3%80%8D/

 

出典元:https://buddhaimonia.com/blog/native-american-wisdom