ハワイの花輪、「レイ」に込められた意味やスピリチュアル的な用途とは?

ハワイに出かけると、挨拶がわりに「アロハ!」という言葉とともに首にかけられる美しいレイ。このレイには色々な種類があると共に、その用途も多く、本来はスピリチュアル的な意味も込められていたのです。

ハワイを訪れると、空港で歓迎の意味で香り高いお花のレイを首にかけてくれることがよくあります。

またフラダンス・ショーなどで見かけることはもちろん、街を歩く人々の中にも、アクセサリーのように美しいレイをまとって勤めに行く人たちの姿を見かけます。

そして毎年5月1日は、ハワイでは「レイ・デー」と呼ばれ、盛大に「レイ」のイベントを行って、ハワイの伝統文化を讃えているのです。

このようにハワイの人々の生活に深く根付くレイは、歓迎のあいさつ代わりや、ギフトとして贈られるほかにも色々な意味があるのです。

 

ハワイのレイの起源とは?

ハワイのレイは、もともとはポリネシアの島々より12世紀ごろにハワイにもたらされた文化です。

自然を崇拝するポリネシアやハワイの人々は、レイを身につければ自然のパワーを得ることができると信じていました。

1900年代、人々が船で旅をしていたころには、ハワイに到着する人々にハワイの人々はレイを贈って歓迎の意を表しました。

またハワイを訪れていた人たちが、岐路に着くとき、乗っていた船がダイヤモンドヘッドを越えるあたりに来たところで、自分が首にかけていたレイを海に投げ入れることで、再びハワイに戻ってくることができるという言い伝えがありました。

そんなレイには、アロハを意味する歓迎のほかに、花輪、愛する子供たち、恋人、妻、夫などの意味があるのです。

 

レイの種類

レイにはお花で作られたものだけではなく、貝殻や海藻、ククイと呼ばれる木の実、動物や魚の骨、鳥の羽などで作られたものもあるのです。

鳥の羽を使ったレイは、王様などの位の高い人が身に着けるものとされていました。

そして漁師、あるいは猟師たちは、自分たちが採った獲物を自慢するかのごとく、その魚や動物の骨でレイを作っていたのです。

また、マイレと呼ばれる葉だけで作られたレイは、結んで輪状にせずに、だらりと首から垂らすようにかけるレイもあります。このマイレはとても香が高く、神に捧げる神聖なレイでもあり、結婚式では男性がこのマイレのレイを身につけます。

このほかレイの種類には、フラダンサーがよく頭の上に冠のようにしてのせている、ハクレイ(フラダンスではレイ・ポオ)と呼ばれるものや、手足に付けるレイ・クペエと呼ばれるものもあります。

 

レイの持つパワーとは

もともとレイは、歓迎の意味で使われるより、自然の霊が宿るものであり、それを身にまとうことで、魔除けとして、あるいは厄払い的な意味で利用されていました。

また病気の人たちは、海藻で作ったレイを身に着けることで、そのヒーリングパワーにより、病気を治癒できると信じていました。

一旦首にかけたレイには、その人のエネルギーや霊がレイに付着するので、自分がかけたレイをはずして、他人の首に掛けることはタブーとされています。

また妊婦にもレイをかけると、生まれてくる赤ちゃんの首にへその緒が絡まることを象徴するのでタブーとされています。

レイは花などの素材を手で拾い集め、それをひとつひとつ針を通して作る手作業です。そこには作り手が、贈る人に込めた愛と感謝や癒しのパワーが込められていると信じられています。

従って、贈られたレイを、くださった人の目の前で外してしまうことは、もっとも非礼と考えられているので、注意するようにしましょう。

また、レイが枯れてしまったら、ゴミ箱に捨てるのではなく、必ず自然に返すという手間を忘れないようにしてください。

レイをくださった人、作ってくれた人に感謝をしながら、海や川に流したり、土の中に埋めたり、あるいは木に掛けておくだけでもかまいません。

 

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