瀬戸内海に浮かぶ「淡路島」 それは神秘と謎に満ちたアイランド

瀬戸内海に浮かぶ兵庫県の「淡路島」は、日本最大の面積を誇る島で、現在は兵庫県の明石市から架かる明石大橋で、簡単に渡れる便利なリゾート地としても有名です。そんな「淡路島」は、驚きの神秘と謎に包まれた場所でもあるのです。
淡路島

瀬戸内海に浮かぶ「淡路島」は、非常に自然が豊な島です。
おいしい新鮮な海産物や、玉ねぎをはじめとする豊富な農産物でも有名で、今や関西有数の観光スポットであり、リゾート地として大変人気になっています。

また「淡路島」は、古くから朝廷や天皇家に、新鮮な食材を献上してきた場所、「御食国(みけつくに)」としても有名です。

そんな「淡路島」には、日本の国の始まりを伝える「国生みの神話」や、日本最古の神社と言われる「伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)」など、神秘的なお話やスポットもたくさん存在しています。

 

神秘に満ちた「淡路島」の歴史

「淡路島」は、日本書紀や古事記にもよく登場し、イザナギノミコトとイザナミノミコトが最初に創った島であるとされています。

日本の国を創るときに、天から使わされたふたりの神様、イザナギノミコトとイザナミノミコトは、その頃はまだドロドロの世界であったところを固めるために、『天の沼矛(あめのぬぼこ)』と呼ばれる矛を使って、大海原をかきまわしていました。

そしてその矛の先についていた雫がしたたり落ちて島となり、ふたりはこの島に舞い降りて夫婦の契りを結んだのち、国生みの儀式を行ったとされています。

これが現在の「淡路島」の始まりであり、日本最初の島となったのです。

この後もふたりは、次々に島を創り続けたことで誕生したのが、日本であったとされています。

淡路島

 

もうひとつの「淡路島」誕生神話

実は、古事記や日本書紀に書かれている「淡路島」の神々による誕生とは別に、とても興味深く、不思議な「淡路島」の誕生説が存在しています。

ある大学の研究チームが琵琶湖の海底を調査したところ、琵琶湖の海底には山や陸などがあった形跡があり、そのあたりは陸であったと考えられることがわかってきました。

そして琵琶湖の海底には、大昔になんらかの大きな地殻変動が起こったような後があることが発見されたのです。

ここで、上の図を見てください。
左側は「淡路島」、そして右側が琵琶湖の図です。
琵琶湖の面積は約670km²で、淡路島の面積は約592km²です。

このふたつは大きさもほぼ同じで、琵琶湖をひっくり返すと「淡路島」になったように見えませんか?

これが実はもともと陸地であった現在の琵琶湖の部分が、大きな地殻変動により吹き飛んで海に落下し、「淡路島」が誕生したと考えられているそうなのです。

おそらくこれは1万5千年ほど前に、スペインやポルトガルあたりに落下した巨大隕石のために、相当規模の衝撃による波動がマントルを通じて、ちょうどその位置から地球の反対側にあたる日本にも伝わり、異変が起きたのではないかということです。

それにしても、まるで神業のような出来事で、やはり「淡路島」には神々のパワーが宿っている証拠なのでしょう。

また、「淡路島」は日本のほぼ中心にあるとも考えられると同時に、聖地と聖地を結ぶ「レイライン」と呼ばれる中心地点でもあり、その中心に建てられているのが「伊弉諾神宮」なのです。

淡路島

 

伊弉諾神宮の不思議

「淡路島」のパワースポットとして知られる、伊弉諾神宮は、日本の神社で最も格式の高い伊勢神宮と緯度がほぼ同じです。

またこの神社では、夏至の頃には長野県の諏訪大社の方角から太陽が昇り、南側をぐるりと回って出雲大社の方角に太陽が落ちます。

そして冬至になると和歌山の熊野那智大社の方角から太陽が昇り、九州の高千穂神社の方角に太陽が沈みます。

これらはまるで計算されたかのように、それぞれの神社が伊弉諾神宮と直線で結ばれるように建てられているのです。

このことから、このレイラインを「太陽の道しるべ」とも呼んでいます。

伊弉諾神宮には、イザナギノミコトとイザナミノミコトをお祀りしてあります。

国創りを終えた伊弉諾大神は、「淡路島」の多賀の地で余生を送るために過ごされていたのですが、それがこの伊弉諾神宮がある場所とされています。

その後この住居跡に御神陵が造られ、整備されたのちに今の神社となったのです。

この伊弉諾神宮は、日本では神宮を名乗ることのできる24社のうちのひとつであり、非常に格式の高い神社です。

伊弉諾神宮のご利益は、縁結び、心願成就、夫婦円満、安産、子授け、縁結び、病気平癒となっています。

伊弉諾神宮では本殿へのお参りはもちろんのこと、拝殿横にある樹齢900年を超える夫婦の大楠も見逃せません。

これはもともとふた株だった楠が、結合して成長し1本の木になったため、イザナギノミコトとイザナミノミコトの神霊が宿るご神木とされ、夫婦円満や子授け、縁結び、安産などの心願成就にご利益があるとされています。

また神社内にある「放生(ほうじょう)の神池」は、現在でも病気平癒のために鯉を放ち、快癒の感謝のために亀を放つという信仰習慣がある池です。

何もかもが神秘的な「淡路島」、そして伊弉諾神宮、ぜひ機会があれば一度訪ねてみてはどうでしょうか?

伊弉諾神宮:〒656-1521 兵庫県淡路市多賀740

 

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