滋賀県の信楽は、聖武天皇により紫香楽(しがらき)宮が、一時的に置かれていた場所です。
つまり伊勢神宮が今の場所に着座するまでに、一時的にこの地に都をおいた「元伊勢」と呼ばれる由緒ある場所のひとつなのです。
「紫香楽一宮 新宮神社」は715年に創建され、それ以来滋賀県甲賀地方の守り神として人々に崇められてきた古社です。
このひっそりと佇む神社には、実は神秘的なパワーが宿っていると言われています。
「紫香楽一宮 新宮神社」の由緒
紫香楽宮ができた30年も前に創建されていたのが、「紫香楽一宮 新宮神社」なのです。
1300年以上の歴史を持つこの神社は、715年に創建され近江地方の守護神と崇められたものの、1336年に南北朝の戦いで一度焼失をし、現在の神社は1663年に再建されたものです。
「紫香楽一宮 新宮神社」の御祭神は、日本神話にも登場する「スサノオノミコト」、「クシイナダヒメノミコト」、「オオヤマツミノカミ」です。
この神社では毎年多くの行事が行われていますが、その中でも有名なのが、「しがらき 火祭り」です。
これは陶器作りや生活には欠かせない「火」に感謝するお祭りなのです。
古くから行われているこの「しがらき 火祭り」では、松明を燃やして日頃のご加護と火・土・陶に感謝すると共に、この松明の元火を採火するという行事が行われています。
慶長8年には徳川家康が、現在も東京にある愛宕神社に、この「紫香楽一宮 新宮神社」の御分霊を移し、祀らせました。
そして「しがらき 火祭り」で採火された火も、新宮神社から愛宕神社に奉納されています。
本能寺の変の折には、徳川家康は大阪の堺に滞在していたのですが、本国の三河に戻ることに身の危険を感じ、伊賀越えをするにあたりの「紫香楽一宮 新宮」に立ち寄って祈ったことで、三河に無事帰還することができたとされています。
「紫香楽一宮 新宮神社」のご利益
この神社の緑深い境内に一歩足を踏み入れると、エネルギーの違いを感じるほどに、清々しさと、力強いパワーを感じてしまいます。
静けさの中に響く美しい鳥の声や、草木の香りを感じながら、境内を歩いているだけでも、浄化のエネルギーをたっぷりと浴びられそうです。
「紫香楽一宮 新宮神社」は、鎮火の神様、陶器の神様としても有名ですが、お参りすれば、厄除けの効果もお授けいただけます。
また御祭神の「スサノオノミコト」は、縁結び、子孫繁栄、五穀豊穣、病気平癒、商売繁盛にもご利益のある神様です。
同じく御祭神の「クシイナダヒメノミコト」は、夫婦和合、縁結び、金運招福、厄除け開運にご利益があります。
そしてもうひとりの御祭神、「オオヤマツミノカミ」は、安産、厄除け、漁業、農業、林業の守護、学問、商売繁盛にご利益があります。
また、敷地内にある大黒社に参ると福を授かるとされています。
大黒様は、農耕、医学、漁業、温泉、の神としても知られ、また縁結び、就職、子宝などにも効果があるそうです。
神社内にも「大黒様にお参りして福をお持ち帰りください」と書かれてありました。
「紫香楽一宮 新宮神社」で福を授かるには……
「紫香楽一宮 新宮神社」を訪れたなら、ぜひ御朱印を頂いてきましょう。
御朱印は参拝の印でもあり、心を込めて書かれた御朱印は、ご本尊やご神体の分身と同じと考えられ、非常にありがたいものなのです。
御朱印は、決してスタンプラリー感覚で収集するものではありません。また転売などするものでもないのです。必ず自分でお参りして頂くようにしましょう。
一方、この「紫香楽一宮 新宮神社」には、紫香楽焼きで出来た狛犬や狸の置物も飾られていますが、信楽焼の狸の置物風になったおみくじも販売されています。
陶器でできたこの置物風おみくじを逆さにすると、穴が開いていて、そこにおみくじが入っています。信楽を訪れた記念にもなりそうですね。
またきれいな金と赤の鯛のおみくじもあり、これも鯛の尻尾の部分におみくじが入っています。
この鯛には「招福 一年安鯛」という文字も書かれてあるので、飾っておくとお守りとしての役目も果たしてくれそうです。
そしてこの地を訪れたなら、「紫香楽一宮 新宮神社」でお参りをした後、この土地で採れたものを食して帰れば、この地のエネルギーをたっぷりと得ることができ、さらなるご利益を授かることができることでしょう。
紫香楽一宮 新宮神社
滋賀県甲賀市信楽町長野1151-1
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