ワイキキから車で15分ほどの距離にある、マノア地区は主に閑静な住宅街で、ハワイ大学があることでも有名な地区です。
実はここは、ハワイで最初にサトウキビとコーヒーのプランテーションが行われていた場所でもあるのです。
また、少し奥まで足を延ばすと「マノア・フォールズ・トレイル」という片道1時間足らずでハイキングができる場所もあり、ここにあるマノアの滝にはマイナス・イオンもたっぷりと流れ、癒しのスポットとして人気です。
マノアの谷は一年中を通して、ほかの地区よりも雨が多いので、虹の出る確率もとても高い場所です。
そんなマノアには、良い霊、悪い霊など取り交ぜて色々なスピリットに関する話もたくさん伝わっているのです。
またマノアには、かつてカハラオプナという美女が住んでおり、彼女にまつわる悲しい虹の物語も語り継がれています。
マノア地区の不思議
マノア地区には、ハワイ大学や住宅地、そしてショッピング・センターもある一方で、マノアの谷と呼ばれている地域は、地元の人たちからも、とてもスピリチュアル的に濃い場所であると考えられています。
かつて熱帯雨林のジャングルのようになったマノアの谷間に豪邸を建てて住んでいた知り合いは、マノアに住んでから、不思議なパワーを得たように感じると話していました。
今まで見えなかったもの、小さな妖精のような姿が見えたり、聞こえたりするようになり、霊感が研ぎ澄まされたというのです。
そしてまた、マノア渓谷でハイキングしていた友人も、木の葉の上に座る小さな精霊に出くわした話を聞かせてくれました。
ある人は、日系人が所有する古い家を借りたところ、庭に戦時中の日系人のゴーストを見るようになったという話しもあります。
また、マノアにあった休業中のレストランのオーナーが、ドアを開けたとたんに、お皿やフォークなどが飛び交って、まさにポルターガイストの世界になっていたという話も知人から聞かされました。
このようにマノアは、色々な霊がいたるところに出没している不思議なスポットなのです。
虹の女神、カハラオプナ
かつて、このマノアにはカハラオプナという、美しい女性が住んでいました。
彼女の父はマノアに吹く風で、母はマノアに降る雨でした。
彼女にはカウヒという乱暴者の婚約者がいたのですが、彼女がほかの男性にも人気があることに嫉妬し、彼女を殴り殺してしまいます。
しかしカハラオプナの守護神であるプエオ(フクロウ)が、すぐに彼女を蘇生させますが、その後も6度にわたって、カウヒはカハラオプナを殺しては、プエオが蘇生させるということが続きました。
ところが、最後にはカウヒはカハラオプナを殺した遺体を地中で根が複雑に入り組んだコアの木の根元に埋めてしまい、プエオでも掘り起こすことができなくなって諦めてしまいました。
殺されて魂がさまよっていたカハラオプナは、通りかかったマハナという酋長に語り掛け、なんとか身体を掘り起こしてもらい、祈祷師によって蘇生され、マハナとカハラオプナは愛し合うようになりました。
しかしそれに怒ったカウヒは、大海原のサメに向かってカハラオプナを投げつけて再び殺してしまったのです。
カハラオプナが死んだ後、彼女の死を悲しむ母の涙でマノアでは雨が多く降り、虹も姿を現さなくなってしまいました。
悲しみに暮れる夫のマハナは、カハラオプナは死んだのではなく、きっと生まれかわったのだと神に告げたのです。
すると、空には美しい虹が広がったのでした。
そう、カハラオプナはマノアの谷に架かる美しい虹に生まれ変わったのでした。
現在では、こんなカハラオプナの伝説にまつわる歌「カハラオプナ」に合わせて踊るフラダンスも有名になっています。
カウヒの成れの果てはスリーピング・ジャイアント
さて、散々カハラオプナを苦しめた元夫のカウヒはどうなってしまったのでしょうか?
実はカハラオプナを守っていた守護神のプエオが、残忍なカウヒを罰して大きな岩に姿を変えてしまったのです。
その岩はヴァアヒラ尾根と呼ばれ、マノア渓谷の一片を成しており、ちょうど巨人が眠っているかのように見えるので、スリーピング・ジャイアントと呼ばれています。
マノアに足を運ぶ機会があれば、ぜひマノアの美しい虹を堪能しつつ、スピリチュアルなパワーを感じてみてください。
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